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2014年06月16日

メカボックスの破損

COMBAT DOLL の店主です。

久しぶりの「故障の原因を見極める」のシリーズです。

ちょうど良い(悪い?)事例がありましたので、ご紹介です。
今回の修理調整で、同じような破損は発生し難くなります。

以前もメカボックスの破損について、ご紹介した事がありますが、この個体の場合は構造的な原因によるものです。



見事に分離したVer.2のメカボックスです。

システマのメタルフレームに、ブランド不明(一昔前の製品)ですが、国産品だったのではないかとと思う、アルミ製に一本物アウターに組み込まれていた物です。

メカボックスのネジの緩みは無く、フレームやバレルの組み付けにも問題ありませんでした。



確かに、内部カスタム済みの状況ですが、スプリングも特に強力な訳でもなく、空撃ちをバリバリしていた訳でもありません。

勿論、メカボックスは交換し、打撃緩和の目的でエアダンパーロッドを追加取り付けしておきます。
Xabierのエアダンパーピストンヘッドを使わなかったのは、ウエイト分による打撃アップを避けるのと、低コストに仕上げる為です。


先に「構造的な原因」としてあるのですが、ここが第一の原因になります。



アウターバレルの内部寸法が、余裕が有り過ぎて、チャンバーのリブ部分の遊びが大きく、組上げた際にメカボックスとの隙間が発生していました。

画像のように、チャンバーを差し込む際に、アルミシートを適度な厚みで挟む事で、前後の隙間と上下のガタを解消します。
アウターバレルの内面の仕上げによっては、左右に差を付ける必要があるかもしれませんが、この個体は左右均等で問題ありませんでした。

第二の原因としては、



アッパーフレームのフレームロックピンを通すリブが、片側のみ折れてしまい、メカボックスとの内部空間の余裕分でガタが発生していました。
組み込みの為の余裕を持たせた空間が、仇になってしまった状況です。

画像では、ゴムシートを挟みこむ事で、空間を埋め、ガタの解消をしてあります。この部分は個体差がありますので、すべてが共通の厚みと言う訳ではありませんので、個体に合った厚みの物を挟み込みます。
フレームを軽く左右に広げて、メカボックスとフレームで挟み込むようにします。参考までにですが、副次効果として、ボディへの共振を抑える事にもなるので、若干静かになります。

折れてしまったリブは、固定には役立たないのですが、ロアフレームとの左右の逃げを抑える目的で、メカボックス側に接着しておいて組上げます。

メカボックスの前方が、チャンバーで押さえ込まれるようになれば、メカボックスの割れも回避できる状況になります。
副次効果として、固定がしっかりされることで命中精度も向上し、気密も安定します。物によっては初速が大幅にアップしてしまう場合がありますので、ご注意ください。

明日も、同じ個体でもう一つの、良く出る故障(破損)である、グリップ部分の事例をご紹介します。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション) 7月に開催します。

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
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  TEL 053-450-3308 FAX 同番
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Posted by コンバットドール  at 22:06Comments(0)故障の原因を見極める

2014年03月03日

セクターギアの交換時期

COMBAT DOLL の店主です。

3日ほど、ブログの更新が滞ってしまいました。ごめんなさい!

カスタムや修理が立て込んできましたので、ちょっとお茶濁しが多くなりそうです。

今回は、そんな状況の中での小ネタですいません。

マルイ、純正セクターギアの交換時期のチェックポイントのご紹介です。



変形や消耗が大きいのは、ピストンの引き始めと抜ける時になります。

ピストンに噛みあうギアは、以前紹介したことがありますので、省略させて頂きます。

今回は、スパーギアとの噛み合い部分をクローズアップです。

先の画像は、引き始めの位置ですが、赤い矢印の方向に回されて、歯の手前面から圧縮変形と磨耗させられます。

画像を良く見てもらうと、線に示された歯と、右隣の歯を見比べて、歯先が尖っているのが解ると思います。

このギアは、強めのスプリングが装着されていたので、消耗も大きいです。



こちらの画像は、ピストンのメインスプリングが圧縮されきって、開放される時にスパーギアで力がかかっている箇所です。

引き始めに比べると、消耗の具合が大きいのが解ると思います。縮めたスプリングの力とモーターの駆動力で一番負担の大きくなる箇所です。

双方とも限界の状況になっています。いつ欠けてしまってもおかしくありません。

グリスでギアの消耗具合を確認し難いので、クリーニングしてみると一目両全になります。メンテナンスの際は、グリスの塗り直しを癖にしておくと良いですね。

オーバーホールをしてみて、これに近い状態であれば、迷わず交換をお勧め致します。

今日は、こんな小ネタで、申し訳ありません・・・m(_ _)m


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)次回未定
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Posted by コンバットドール  at 23:08Comments(0)故障の原因を見極める

2014年02月26日

タペットプレートの消耗

COMBAT DOLL の店主です。

2日間、ご迷惑をお掛け致しました。

今回は、簡単なネタにさせて頂きます。

タペットプレートの消耗ですが、変形や破断以外にも、こんな場合があります。



ギアボックスを開けると、大体この向きで視認する訳ですが、上記の画像の通り、ちょっと分かり難いです。

実際には、グリスも付着していますので、見落とす場合もあると思います。

裏返すと・・・



このように、磨耗というか変形圧縮されてしまっています。

このタペットプレートは、P-90の物でしたが、10年選手くらいの経過年数とのことで、この変形も仕方なし(寿命)の状態です。

持ち込まれたの理由は、
   「初速も上がらず、ムラがあり、給弾も上手くされない。」

と言う事で、修理メンテナンスだったのですが、チャンバーやバレルの固定など状態を、一つずつ潰していき、メカボックスを分解して主要因として発覚した、消耗部分です。

実際の、初速のムラは別のところに原因があったのですが、それは別の機会にでも紹介させて頂きます。

タペットプレートのこの部分が減ってしまうと、ノズルの後退量が足りなくなり、せり出したノズルに阻害されて、BB弾がチャンバーに入らなくなってしまいます。

長く使用している銃での給弾不良の場合は、この辺の可能性も高い要因ですので、確認をしておくと良いと思います。

今回の画像の様に、ギアのシム調整位置によっては薄皮1枚残して削られている場合もあると思います。うっかりしていると見落としてしまいそうな減り具合でしたので、参考にアップしてみました。

素材によっての変形や磨耗の違いはあると思いますが、分解した時に状態のチェックはしておくと、交換時期やパーツの強度が判断できると思います。

簡単な小ネタで失礼致しました!


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Posted by コンバットドール  at 22:15Comments(0)故障の原因を見極める

2014年02月03日

マルイ 89式 セレクター 破損

 COMBAT DOLL の店主です。

 今回も小ネタですいません。 こんな感じで再開させて頂きます。

 89式のオリジナル状態での、唯一の泣き所となるのが、このセレクターの破損です。

 急にセレクターが効かなくなり、どのファイヤーモードでもフルオートになってしまう場合はここです。

 当店では過去3例と言った所ですが、UZIでも起こる故障ですね。

 カットオフレバーの突起が折れてしまう症状です。



 メカボックスを取り出して、セレクター部分を確認するとこんな状況です。
 スプリングが掛かっている筈のピンが折れてなくなっています。

 正常な状態は下の画像の様になっています。



 亜鉛ダイキャスト素材ですので、金属疲労が溜まって折れてしまうので、パーツ寿命でしかありません。
 メーカーサポートを受けるべく、修理依頼で発送するのが通常の対応になります。

 ただ、カスタマイズされた個体は、修理サービスの対象外になってしまうので、以下の様に補修します。
 応急処置と言ったレベルの補修になります。



 カットオフレバーの所定の位置に0.8mmの穴を開けます(画像左)。

 ピンの素材は、文房具であるプッシュピンの針を外して移植しますが、長さが長過ぎるとフレームに干渉してしまいますし、短いとスプリングが外れてしまいますので、突き出し部分が6mm以上7mm未満くらいになるようにします(画像右)。



 組み込んだ状態は、こんな感じですが若干短めになってしまっている状態です。実際はもう少し長くなります。

 これで、修復終了です。
 基本的に応急処置の工作になりますので、メーカーのパーツサポートで、予備も含めて手配して頂く状況になります。うまくできれば純正品以上の耐久性が出ますが、亜鉛の状態や、工作のズレで強度が変わりますので、あくまで応急処置と言うことになります。


 気を付けなければいけないのは、亜鉛のカットオフレバーに穴を開ける際に、位置を間違えない様にしなければいけない事と、なるべく肉厚が残るようにしてあげないと、早めに破損してしまいます。工作の際は、慎重にお願い致します。
 失敗すると、純正品を手に入れるまでセレクターは機能させられなくなってしまいます。

 頻繁に起こる破損ではありませんが、使用している内に必ず寿命が来る部分ですので、覚えておいてもらうと安心だと思います。


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2014年01月12日

マルイ 電動M4チャンバー(ノーマル)

 COMBAT DOLL の店主です。

 年明けはバタバタしてしまい、こちらの更新に手を付けられませんでした。
 申し訳ありません。

 お店は通常に可動しておりますので、宜しくお願い致します。

 さて、小ネタではありますが、マルイの電動M4系のノーマルチャンバーの劣化です。

 HOPが効かない・飛距離が出ない・パワーが落ちた と言う時にチェックする部分ですね。



 画像では、解り難いかもしれませんが、インナーバレルの入り込みが深くなってしまっています。
 
 こうなると、バレルをはめ込んだ時には、チャンバーパッキンの入り口とチャンバーとの隙間ができてしまい、エアロスが発生してパワーダウンしてしまいます。
 こうなってしまう直接的な原因は、正直説明できません。吐出圧力による変形なのか、BB弾の押し上げによるテンションで変形してしまうのか、経年変化による膨張なのか、メカボックスから受ける衝撃なのか、僕自身理解できていません。
 チャンバーその物は、ごく初期の物だったのと、いろいろ削ってある部分もありましたので、加工の際の変形もありえます。

 インナーバレルを止めるロックパーツ(画像右側)も削れて緩くなっています。これは、分解組み立ての繰り返しでの磨耗ですので、単純に言えば寿命ですね。

 チャンバー部分の劣化は、普通に見られる症状ですが、意外と気が付き難い部分ですので、時々、前後にテンションを加えて確認すると良いと思います。画像の状態の物だと、1mmくらい前後してしまっていました。
 基本、部品交換しかありませんので、同じ症状の場合はパーツを手配して交換してください。

 地味な部分ですが、性能に直接影響がでる場所ですので、調子が悪くなったら要チェックです。


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2013年12月25日

メカボックスの軸穴の磨耗

 COMBAT DOLL の店主です。

 小ネタで申し訳ありません。

 今回は、修理とカスタムの併用のパターンになります。



 オイルレスメタルなどのカスタム軸受けに交換して、軸受けごと回転するようになってしまった時の対処方法ですが・・・

 ① メカボックスの交換  純正品がすんなり入手可能ならば、一番安価なのですが、現状はなかなか・・・

 ② カスタムメカボックスの購入にて交換 当たりハズレのある安価なものでは不安ですが、しっかりした物は高額で・・・

 ③ 軸受けのボアアップで7mmベアリングに加工取り付け 道具が必要ですので、手持ちでないと高くついてしまう・・・

 となる訳ですね。

 当店では、③が一番安価で確実なので、7mmベアリングの換装をご紹介です。



 実際、手作業ですので、100%の芯出しができる訳ではないのですが、専用冶具でも用意しなければ同じことですので、広がってガタの出ている軸穴を、ハンドリーマーで拡張します。
 広げ過ぎたらお終いですので、6.97mmのストレートリーマーが仕上げになります。



 フランジ部分の挿入に問題が無いか、予めチェックしておき、ハンドプレス(当店ではボール盤を利用)で、平行に奥まで圧入します。
 とりあえず、今まで失敗した事が無いので、問題無くできているのだと思います。
 セレクタープレートの内溝も忘れずに拡張します。こちらはリューターを使用して削り込みます。

 オイルレスメタルや、6mmベアリングからの換装だと、サイクルが若干上がりますので、初速やスプリングレートの低めの設定の方は、バランスの調整が必要になります。
 ノーマルギアの軸では、ベアリングにはきつくて入れたら最後、抜けなくなってしまう場合がありますので、カスタムギアの場合のみの補修カスタムだとご理解ください。

 海外製の8mm軸受けのタイプは、それ以上広げようがありませんので、メカボックスの新規調達になってしまいます。

 基本的に状態を確認して、他の部分に問題(クラックや変形)が無い場合のお勧めになります。

 無茶させないのが一番なんですけどね(苦笑)

 明日は、投稿が途絶えるかもしれません・・・   ううぅ~ん、眠くてしょうがありません・・・・Zzz・・・
 早く、サンタさんがプレゼント持って来てくれないかなぁ~(笑)


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2013年12月24日

電動ガンのスイッチ磨耗

 COMBAT DOLL の店主です。



 今回はスイッチの損耗についてです。

 「動かなくなった」・「トリガーが引っかかる感じで引けなくなった」、バッテリーは充電されているのに・・・?
 と言う時の一つの原因として、スイッチの損耗があります。
 大体は、モーターの端子が外れていたり、コネクターの接触不良だったりするのですが、長く使っている物や、ハイスペックのバッテリーを使用していたりすると、スイッチがダメになってしまっている事も多いですね。

 最近、覚えたてのSBDを取り付ける事が増えているのですが、スイッチの接点がスパークによって損耗してしまうのを軽減できるのは魅力だと思います。

 実際、スイッチの補修に関しては、シンプルな部品ですので部材費は高額にはならないのですが、分解して半田付けが必要になるので、お店に依頼して工賃が高く付くよりは、多少の高額部品でも自分自身で簡単に交換補修ができる状態の方が望ましいと言うのが、大半の意見のようです。

 消耗してしまうと、ちぎれてなくなってしまう事も普通です。



 基本的に遅れて接触する方から消耗していきますので、画像のように基盤で使用する銅版を短冊にして半田付けして、補修した方が先に接触するように調整します。
 本当は同時接触が望ましいのですが、実際には無理ですので、可動端子の残っている方が減るようにして、最後まで使い切ってからのパーツ交換にすれば、寿命は2倍になるといった感じですね。
 純正部品の値段としては1000円くらいのものですので、消耗交換に負担が少ないよう配慮されてはいるのですが、入手困難な現状では、うまく長持ちさせる方法を取って、使っていくのが良いと思います。

 今日は、小ネタで失礼しました。

P.S.
 サンタさんを待っているのですが・・・ 僕のところには来ないのでしょうか?
 良い子にしているつもりなんですけどねぇ・・・(笑)
 明日か明後日になるのかな? やっぱりっ! 根気良くお待ちしてますので、サンタさん、宜しくお願い致しますm(_ _)m


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2013年10月26日

PDR-C 再調整

 COMBAT DOLL の店主です。

 PDR-Cの再調整レポートです。 シリンダー容積の変更に伴う、再調整になります。

 昨日、BB弾の検証を行いました。
 今回の調整終了の結果、5.95mmと5.94mmのBB弾での初速差は2m/s以内に収まっています。

 さて、本体とトレーサーの検証もしています。



 最初のレポートの時に掲載を忘れた、ノーマルハイダーの状態です。
 インナーバレルは面一です。センターズレもほとんどありません。



 トレーサーの装着状態を確認致します。インナーバレルとの位置関係が微妙にズレているようでした。
 トレーサーの内部にあるアクリルパイプの内径は8mm弱になりますので、センターのズレは、弾道に影響が出ます。
 トレーサー内部でのセンターズレ、アタッチメントでのズレを確認します。
 旧型のトレーサーは、センターがズレ易く、結構、矯正が必要だったのですが、新型になってからは必要無いレベルです。

 ネジ部分の遊びを確認してみると、ネジの規格としての許容範囲内のガタが確認できますが、アタッチメントに工夫がしてあり、オスメス共にネジ中間にOリングパッキンがはめ込まれていて、緩みとガタの防止をしてくれています。
 ギュッと締め込んであげれば、センターは確保されていました。



 インナーバレルとの位置矯正用にアルミテープを巻き付けます。無くても良い気もするのですが、やっておけば安心なので貼り付けてあります。ただ、機種や状況によっては、インナーバレルを反らせてしまいますので、状況をみてから行って下さい。
 アタッチメント内部のインナーバレル用のブレ止めOリングは、内部への張り出しムラがある様なので、外します。
 これで、アタッチメントまでの矯正は終了です。



 トレーサーを取り付けて確認をします。アタッチメントに付いていたOリングは、勿体無いので、トレーサーに付属しているプラのカーラーのセンター出しに使います。性能には関係ありませんが、紛失防止と言ったところです。
 影も出なくなり、センターが矯正されたと思いますが、単純にOリングの張り出しムラだけだったのかもしれません。
 アタッチメントの加工精度も良いようでしたので、実際には、トレーサーでの弾道干渉は少なかったかもしれませんね。

 出口を調整したところで、本体側の調整になります。



 バレルのアッセンブルへの、追加補正です。NONHOPでの初速測定の際、BB弾が転がり落ちてしまうのが気になったので、HOP調整ダイヤルの可動範囲を限定しました。
 厚手で硬質のラバーを、ダイヤル内に貼り付けて、回せる範囲を狭くします。
 0.2g時での適正HOP位置を確認しておき、そこを基準に制限します。実質のストロークは2/5と言った感じになっています。
 長掛けHOPの為、0.2gから0.25gでの調整も微妙な調整量でしかありませんので、十分な調整範囲になっています。
 適正HOPの位置が解るように、ピンバイスにてマーキングしてあります。



 ただ、この状況だと取り外しができないように見えますので、方法を説明しておきます。
 ダイヤル部分をインサートしてからの回転方向を、HOPが最大の方から回してはめ込んでやります。
 HOPの押し部分の設定を、変更してあるので、できる方法です。
 ノーマルの状態では、パッキンを破ってしまう危険性が高いですので、参考に見られている方はお気を付け下さい。

 そして、内部の変更です。



 シリンダーストロークの変更で、交換致します。過去記事に掲載していた、44mm(実質36mm)の物を使います。
 ただ、換えただけでは、初速がオーバーしてしまいますので、ロッドの長さも延長して、スプリングも交換します。
 その際、ダンパー効果のストロークも増大してしまいますので、画像右のように、ピストンの歯のカットも変更します。
 厚手のカッターで削ぎ落とすだけですので、サイクルが上がってしまっての対応策として、お試し頂ければと思います。

 シリンダー容積の増加と、ロッドの延長で静寂性は増しています。

 現状、初速が90±2m/s(5.95と5.94)となっていますので、もう少々、微調整をやらせて頂きます。
 クライアント様のご使用になるフィールドレギュレーションに遵守したいと思いますので、もう少々、調整のお時間を頂きたいと思います。
 宜しくお願い致します。

 総合的なカスタム詳細を確認されたい方は、
   PDR-C カスタムレポート 低初速 前編
   PDR-C カスタムレポート 低初速 後編
 を、ご覧下さい。


   COMBAT DOLL 店主 中根

  11月17日 奥山デイズにて定例会レギュレーション)あり
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2013年10月09日

故障の原因を見極める ケース11 ピストンとセクター その2

 COMBAT DOLL の店主です。

 さすがに、週に1度くらいは、テクニカルな記事のアップをさせて頂きます。

 遠方よりご依頼されたカスタム品での内部説明も兼ねさせて頂いております。

 今回は、ご依頼品の初期状態での内部状況に合わせて、ピストンとセクターギアの消耗内容のご説明です。

 本体は次世代G36Cです。


 ピストンの状況


 セクターギアの状況

 正直、まだ使用可能な状況ですが、重量弾に合わせた強めのHOPでは、時間の問題です。バッテリーの特性が良い物でも危険です。
 現実に、当店での0.2gでの適正HOPで、純正バッテリー(ミニNi-MH8.4V1300mA)ならば、問題無く作動発射していました。

 なぜ、こうなったのか? を推測も含めて検証しましょう。


 通常の噛み合わせの状態

 ピストンの前進とギアの回転のタイミングが合っていればこの状態の繰り返しで、摩擦により、ギア(亜鉛合金)が磨耗して行きます。マルイ純正のピストンの素材は亜鉛合金よりも耐熱・耐摩耗性に強く、カタログスペックで使用されている限りは、セクターギアの方が消耗品になっています。
 次世代のセクターギアは、スパーギアとの兼ね合いも含めて、メッキ仕上げで耐久性の向上が図られています。

 ピストンとセクターギアの状態から、噛みあいを再現して確認してみます。



 まずは、ポイントA・B付近の削れ位置です。
 画像のように、ピストンが前進しきる直前での噛み合いとなってしまっていて、バッテリーのスペックでの電流量の増大や、電気の吐き出し特性の向上、電圧の増加が原因での、ギアの回転スピードが早くなってのタイミングずれであったり、HOPを強めに掛ける事で、圧縮エアの抜けの抵抗が大きくなり、ピストンの前進スピードが不足してのタイミングずれであったりします。

 カスタム品のピストンがギアの部分を削り落としてあるのは、このラグを緩和する為の仕様な訳です。
 ピストン後端から2・3枚目の削れは、ピストンの前進スピードが、ギアの回転速度より遅くなっている為におこる破損だと解釈してもらえれば良いと思います。





 ポイントC・D付近の削れの検証ですが、こちらは、ギアの削れ状況も注目します。
 先の画像は、最初の噛み合い位置ですが、これは、BB弾が詰まってしまった場合の状況です。

 射撃中に弾が出ない場合は、空撃ちになってしまっているのか、弾が詰まってしまっているのかで、対処が前々違ってきます。弾詰まりの場合は、直に射撃を止めて、詰まったBB弾を取り除かなくてはいけません。間違っても、後ろから押し出せば良いなどと、追い討ち(撃ち)を掛けてはいけません。画像のピストンとギアは、まだマシな方です。

 BB弾がチャンバーやバレル内で詰まってしまった場合は、圧縮されたエアが吐き出せなくなってしまい、圧縮エアの圧力で、ピストンの前進が止まってしまいます。その止まった所に、1週してきたセクターギアの歯が、ピストンのラックギアの途中から噛み合おうとして削り込んでしまう訳です。

 この画像の状況だと、シリンダー長の1/3の圧縮をした時点でのタイミングになっていますが、穴あきタイプのシリンダーだったので、このくらいの位置になっています。フルストロークのシリンダーであれば、もっと早いタイミングで削られる状態ですね。

 歯の先端からの噛み合いになってしまうので、削れてしまうのですが、この時は、円弧を描いて斜め下から上がってくるギアの歯に対して、直線に進んでくるピストンの歯の方が弾かれる状況となり、強度があるはずのピストンの歯の方が負けてしまいます。

 後の画像は、無理やり噛み合った、ピストンとギアの歯は、枚数が合わなくなってしまっていますので、ピストンが下がりきっているのに、セクターギアはピストンを後退圧縮させようとしてしまいます。その衝撃と負荷に耐えられず、セクターギアの歯も削れてしまっている状態なのです。

 ピストンの金属歯の部分が、5回衝突を繰り返す状態です。セクターギアがピストンに対して、削岩機のように5連打を喰らわせる訳です。これでは、どんな素材でも異常が出ます。この場合は樹脂製の軸受けが吸収する役目を果たしますが、耐えられなくなれば破損です。

 もう一つ注目して欲しいのは、セクターギアのタペットプレートを引き下げる突起の位置関係です。

 先の画像のタイミングが、タペットプレートを引き下げ、ノズルを後退させ始める位置なので、密閉されたチャンバーとバレル内の圧縮エアの逃げ始めのポイントです。要は、この位置までセクターギアが回転して来ないと、閉じ込められたエアが開放されません。

 後の画像の位置は、ノズルが完全に後退した位置であり、ピストンに対しての圧縮抵抗が最小になっています。
 セクターギアの残りに、スプリングの力がフルに掛かってしまう状況なのです・・・。

 BB弾がノズルの前に上がってくるのもこのタイミングです。弾詰まりを起こしているチャンバー内に無理やり押し込もうとして、ノズルやタペットプレートの変形の原因になる場合もあります。

 「弾詰まり」は、いとも簡単に電動ガンの内部を破壊してしまうのです・・・。一回で全壊しない場合もありますが、フルオート射撃の時は、弾詰まりの音を聞き分けて、即、射撃を中止して下さい。

 そして、次世代限定の部分ですが、リコイルウエイトとのタイミングですね。



 確認してみると、ウエイトの下げ始めの位置は、セクターギアの後半6枚目であり、ウエイトを動かすストロークは、ピストンのギア5枚分でしかありません。

 リコイルウエイトのリターンスプリングは、メインスプリングから比べても弱いです。リコイルウエイトの前進が遅れた場合は、ピストンとリコイルウエイトで、クロスカウンターになってしまい、ギアの噛み合せ部分に衝撃が集中してしまいます。

 ピストンの前方から5枚目前後が削れてしまっていたら、サイクルが早くなり過ぎているのか、汚れ等でリコイルウエイトの動きが悪くなっているのかを確認して対処が必要になります。

 この画像のギアの状況からいけば、負荷の大きくなる箇所が損耗状況が大きいので、このギアは要交換との判断が無難です。もう、使用限界ギリギリと言って良いですね。

 上記までを考えて、ピストンの破損状態を考察すると・・・



 バッテリー特性の良い物(メーカー純正品対比)を使用していて、異物などで、たまたま弾詰まりを起こしてしまった事がある? もしくは、0.2gを超える重量弾を使用していてHOPは強めのセッティングでの使用状況だったのでは? 
 と言った具合に推測します。

 正直、クライアント様には確認を取っておりません。違う原因もあるでしょう。複合的要素もありますので、断定にまでは至りませんが、対策を盛り込んで、修理カスタムが必要になる訳です。

 こんな状態確認で、考察して対策を取っていると言った一例だと見て頂ければ幸いです。

 久しぶりのテクニカルな記事の投稿でした。


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2013年09月26日

故障の原因を見極める ケース10 ピストンとセクター

 COMBAT DOLL の店主です。

 2日ほど空けてしまいまして、申し訳ありません。

 さて今回は、ピストンとセクターギアの噛み合わせについてです。

 最近は海外メーカーの部品も増えており、安価の値段から、試される方も多いようですが、その時はトータル的に使用してみる事をお勧め致します。

 各社で、寸法が違っている事が多く、違うメーカーで組み合わせると痛い目に遭う場合が多いです。

 今回は修理品で、仲間同士の方の、それぞれの選択パーツの違いでの状況をご説明致します。

 マルイの純正品のピストンと、ギミック満載の中華ギア(格安品)の噛み合わせです。



 海外製品の場合、ピストンヘッドやシリンダーヘッドの厚みやピストンの全長が、マルイの物と違っているものが結構あります。ちょうどタイプの違うヘッドが取り付けられたアイテム(故障の為の修理品)から確認画像がありますので、ご覧下さい。


 A)システマサイレントヘッドセットタイプのピストンヘッド


 B)通常タイプのピストンヘッドですが、シリンダーヘッドのダンパーゴムが、鉱物系オイルの為腐食してしまった物

 上記2点は、ピストンの前方部分とシリンダーヘッドだけ確認すると、マルイの純正サイズと同寸で、問題無いかのようにみえますが、メカボックスにマルイ純正シリンダーを使って、位置関係を確認すると、それぞれズレているのが確認できます。

 解り易く画像を並べると、こんな感じです。



 セクターギアとの噛み合わせポイントが、違ってきていますね。
 セクターギア自体が、海外メーカー品ですが、そこは、別な問題になりますので、噛み合わせに注目して下さい。

 Aの場合は、ピストンが前進しきっても、セクターギアは、必ずピストンの2枚目のギアに当たってしまう位置関係であり、これは、いろんな箇所に影響が出て、壊れてしまう状態です。だから修理の依頼な訳なんですが・・・

 Bの場合は、前進しきればギリギリセーフといったくらいの位置ですが、シリンダーヘッドのダンパーゴムが減っている状態ですので、本来ならばアウトです。その状態の上に、ピストン自体の2枚目のギアがわずかに低くなっていますので、それでギリギリなのは危険です。モーターやバッテリーのスペックアップで、サイクルが上がり、ピストンが前進しきる前に、セクターギアの歯が上がって来ると、クラッシュしてしまいます。金属同士のカウンターでの衝突になりますので、どこまで壊れてしまうかは、運次第です。

 カスタムパーツだからといって、強度が完璧になった訳ではありません。バランスが崩れてしまった場合は、逆に大きな衝撃となり、ギアケースにまで被害を及ぼします。
 ちなみに、AもBもギアボックスまで交換が必要な重度の故障でした。強い部品に換えたから、強いバッテリーが使えると言った、誤解が招いた、人災ですね。

 パーツの組み合わせが問題無いかの確認を忘れずにして頂きたいと思います。

 正直、「安心の日本製」とは言いませんが、パーツを吟味する方法を持って頂いた方が良い時代だと思います。

 COMBAT DOLL 店主 中根

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2013年09月21日

故障の原因を見極める ケース9 シム調整4

 COMBAT DOLL の店主です。

 今回はシム調整の最終回になります。

 

 現在はメタルシムが、数社から発売されていますが、画像のLaylax製の商品が一般的だと思います。
 0.1・0.2・0.3.0.5mmと薄いサイズもセットされていますので、微調整には最適です。

 違う素材のシムの種類をご紹介しますが、実際には廃盤になってしまっている商品です。



 左はSYSTEMA製のエクセライドシムで、合皮のような素材でした。
 右はPDI製のサイレントシムです。多分、ナイロン素材だったと思います。

 軟質素材のシムの良いところは、ギアジャダーを吸収して、作動音を小さくしてくれる事です。
 実際に使用すると、かなり静かになりました。
 ただ、圧縮変形を起こし易く、セッティング方法に制限がありました。



 挿絵下側のように、変形を起こして、セッティングが緩くなり、不都合が生じます。圧縮もそうなのですが、摩擦熱にも弱いのです。
 挿絵上側のように使用すると、耐久性の問題は解決できたのですが、すべての箇所での使用はできず、部分使用になります。セクターとベベルギアでのセッティングが難しいのです。
 フランジが薄いタイプの軸受けを使用すればセッティングが可能になりますね。

 上手く組み合わせれば、かなり効果のあるパーツだったのですが、コストと活用の難しさで、無くなってしまった商品ですね。個人的には好きなパーツだったので、販売終了になった時は残念でした。

 軟質素材で弾力がありますので、その弾力の効果を発揮させる、微妙なセッティングをするのには、良かったのです。

 シムの材質の選択肢があった時代は、軸受けやギアの選択肢が少なくて活用しきれなかった感がありますが仕方の無い淘汰だったと思います。

 ただ、一部の製品では、メカボックスの精度の不安もありますので、シビアに詰めるべきアイテムなのか、やっても無駄なアイテムなのかを見極めてから、細部の調整を頑張って頂きたいと思います。

 今回で、シム調整の関連は終了になります。みなさんの参考になれば幸いです。


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2013年09月20日

故障の原因を見極める ケース8 シム調整3

 COMBAT DOLL の店主です。

 前回に引き続き、シム調整です。

 メタルブッシュ(金属製軸受け)でのパターンですが、タイプによって異なりますので、ご注意下さい。
 金属製なのに、壊れてしまったと言う方もいらっしゃいますが、基本的には消耗部品である事を念頭において下さい。
 また、逃げが無い(硬くて変形し難い)ので、シム調整を間違えてしまうと、顕著に異常がでます。サイクルが遅くなったとか、コードの発熱が気になるようになった場合は、要チェックです。
 モーターの位置調整をしても異音が収まらない場合も、シムの調整が関係する場合が多いです。
 ギアやモーターを確認しても、異常が見られない時はこれを疑っても良いと思います。

 商品の一部をご紹介しながら、タイプ別の解説になります。



 メタルブッシュと言っても、種類があります。画像は違うタイプの物を紹介していますが、他にステンレス製の製品もありましたし、ステンレスに樹脂を埋め込んだタイプもありました。

 現在、流通されている物での解説をしていきます。

 まず、マルイ純正のハイサイクル電動ガンは、オイルレスメタル(焼結金属製)の物が使用されています。
 この材質は、例えるならスポンジのような構造になっていて、オイルが染み込む素材になっています。これにより、一定期間はグリスアップ無しで潤滑効果が得られます。
 類似品として、SYSTEMA製がありますが、こちらの方が歴史が長く認知度が高いです。ただ、惜しむらくはこちらの商品は、じきに生産終了になるとの噂があります。マルイ純正品と同サイズでしたので、使い勝手が良かったのですが、残念です。

 材質の違いでは、KM企画より、砲金(真鍮)製の製品も発売されています。この商品は、軸受けの圧入用の冶具が付属しているのが嬉しい商品です。こちらは、軸の素材での相性があります。
 ステンレス製の軸を使用したギアと相性が良くなります。



 テフロンコーティングされていて、軸穴の内部にはオイル溜りの溝があり、摩擦抵抗を減らしてくれます。



 ただし、磨耗していく消耗品ですので、定期的な注油を怠ると、消耗が早くなってしまうのでお気をつけ下さい。
 鋼材(ドリルの刃等)系の軸の場合は、軸受け側の消耗が早くなりますので、定期的なチェックをして下さい。
 シム調整のパターンは、ベアリング軸受けに近い感じで、軸受け側にステンレス製の小径シムを持ってきた方が良いでしょう。

 オイルレスメタルでは、Laylax製が主流になるかと思います。



 構造的には、フランジ面に溝を作ることで、ギア(シム)との接触抵抗を減らす事と、大径のシムで溝を塞ぐセッティングをすることで、オイルの封入が可能になり、通常のオイルレスメタルより、潤滑効果を長持ちさせられます。
 フランジの厚みが、純正タイプとは異なりますので、独自にシム調整を行います。調整パターンは、樹脂製の時と同様にすれば効果が発揮されます。
 軸素材は、硬さのある鋼材系の方が、相性が良いです。スポンジのような構造の為、表面の凹凸があり、ステンレス製の軸では、軸が磨耗してきます。ステンレスの素材でも変わってきますが、海外製のギアの軸で使われている素材は、比較的柔らかいタイプが多いような感じを受けます。注油をマメにして頂くか、異音がしだしたら、早めのメンテナンスを心がけると良いと思います。

 カスタムパーツの創成期には、各社いろいろなアイテムと創意工夫された商品がでていましたが、効果が薄かったり、本体に負担を掛け過ぎる物等、粗悪品もたくさんありました。
 そんな中で、SYSTEMAさんは、工業技術を駆使して良い部品を送り出してくれた第一人者でしたが、通常の電動ガン用のパーツから、手を引いてしまうようです。



 技術を裏付けに、販売店用の組み込みマニュアルも丁寧に作り込まれ、今の電動ガンのチューニングの基礎が作られました。
 当店での、検証や考察は、こんな時代と頼れるメーカーの情報からできるようになってきたんですよね。
 SYSTEMAさんの業績は「すごかった!」と、しみじみ思います。

 ちょっと、脱線してしまいましたが、シム調整一つでも、タイプによって最適な方法でセッティングがあるので、参考になればと思います。

 次回はシム調整の最終回です。週末で多忙になりますので、明日の投稿ができないかもしれませんが、ご了承下さい。

 内容はお楽しみに・・・!
 

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2013年09月19日

故障の原因を見極める ケース7 シム調整2

 COMBAT DOLL の店主です。

 今回は前回の続きになりますが、ノーマル(樹脂)軸受けでのシム調整です。

 枚数を間違えて、多く入れてしまうと、メカボックスの変形(膨らみ)が出てしまい、再調整が難しくなります。
 勿論、抵抗が大きくなってしまい、動かない場合もあります。

 少なくても、ブレが発生してギアの破損につながります。

 ノーマル(樹脂)軸受けは、変形しますので、そこを考慮しての調整が必要です。



 オーバーホール等の場合は、セクターギアの状態を確認して、交換次期を見極めると良いでしょう。

 ギア破損の場合は、必ずチェックしましょう。



 メーカー純正の場合は、白い樹脂製の物が取り付けられています。



 次世代電動ガンは、黒い物が使用されていて、素材も違うようです。
 ハイサイクルは、オイルレスメタルが使用されています。そちらは、明日の記事にて解説致します。

 この軸受けは、交換された使用済み品です。
 次世代用の黒い方に、跡がついていますが、これは、シムのバリが出ている方が軸受け面に付いていた為です。



 シムには、製造方法により裏表ができてしまいます。画像では判断し難いと思いますが、文章を参考にしてください。
 実際に現物を見てもらえば、僕のような老眼でも判別できます。触れば確実に解ります。



 前回の記事で紹介した、R/C用のシムの場合は、裏と表の加工差が出ないように製造されています。
 外径も小さくなっていますので、その特性を生かす使用状況で、ご活用下さい。

 実際の組み付けですが・・・



 前回のベアリングとは、ちょっと違ってきます。
 樹脂製の軸受けの場合、回転摩擦での発熱による変形(熱膨張)がおこり、軸に掛かる回転トルクや、スプリングから来る応力で、発熱して柔らかくなった所で完全変形(元に戻らない)を起こしてしまう場合があります。
 フルオートで撃ちっぱなしを多用すると、すぐに軸受けの変形が起きて壊れ易くなります。

 ベアリング軸受けの時よりも、気持ち緩めのセッティングを心がけます。
 完全に押さえ付けられる訳ではありませんが、画像のコメントの通り、接触面が少ないと、圧力が大きくなり軸受け側の損耗につながります。
 かと言って、接触面が大きくなれば、摩擦の抵抗値は大きくなってしまうのですが、どの部分(面)が滑って回転してくれるのかを考えて、シム調整を行います。
 ギアとシムの当たり面を小さくして、そちらで滑ってくれるようにする訳です。ギアにはグリスも塗布しますので、付着しているグリスが潤滑剤として活躍してくれます。樹脂製の塾受けやシムには、グリスの保持能力が低いので、そのようにする訳です。
 純正の状態では、厚みの組み合わせの関係もあり、大径のシムはベベルギアの大径側に使用されているだけです。
 (機種によっては、他の部分でも使用されている物もあります。)
 こちら側はモーターの回転を伝達するために、軸の方向が変換され、ギアの大径側に圧力が掛かります。上記までに説明した作用からの軸受けの保護だと思っています。

 また、シムの裏表までは考慮されていないようですが、これは影響が少ないと判断されているのではないかと思います。
 食い込んだ分だけ、厚みのセッティングが変わってきますので、チューニングやメンテナンスの際は、合わせておいた方が懸命だと思います。



 軸受けとメカボックスのガタも確認しましょう。
 軸受けがギアの軸と一緒に回転してしまう状態になっている物が多いです。
 長時間の連射による発熱の影響や、長期間の使用で損耗している状況ですね。
 間違ってシム調整をして、そうなってしまう場合もありますので、樹脂製の軸受けでは必須事項です。



 勿論、軸穴の方もご確認ください。
 ギア破損の修理の場合は、こちらが変形している場合もあります。



 画像はギアクラッシュで割れてしまった、次世代用の軸受けです。
 グリスが付着したままだと、発見し難いですのでお気を付けください。

 スタンダード電動ガンや、一部カスタム品の交換用のギアには、シムの基準寸法が記載されたマニュアルが付属しています。



 基本、あたりさわりない基準寸法です。実際にはもっとつめられますので、ご自身で修理やチューニングをされる方は、チャレンジされると良いでしょう。
 ギア同士の位置関係は、前回の記事と同様ですので、側面を接触させない最低限の隙間を目指しましょう。

 間違ったシム調整は、即故障につながる場合が多いです。
 不慣れな方は、カスタムショップにご相談してください。
 すべてのショップでここまでやって頂けるかは定かでありませんので、ご自身で信頼できるお店を選んで頂ければと思います。

 明日は、メタル軸受けです。


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2013年09月18日

故障の原因を見極める ケース6 シム調整1

 COMBAT DOLL の店主です。

 このところ、ベーシックな題材で攻めております。

 今回も、故障と言うよりは調整ミスのケースですね。

 これは、意外と多いというか、把握されている方が少ないようです。

 シム調整は、軸受けの種類や、サイクルの仕様によってセッティングを微調整しますが、とりあえず軸受けの種類での調整の違いをご紹介です。

 最近は、海外製の製品に多く見られる8mmベアリング軸受けでの解説です。
 7mmでも6mmでも基本は同じですので、参考にしてください。

 まずシムの組み合わせですが・・・



 なぜ、こうしなくてはならないのかですが、ベアリングの軸受けの場合、インナーのカーラーがベアリングボールの遊びで横スライドして、フランジ部分とシムが接触してしまい、抵抗になる上に発熱で壊れ易くなってしまうからです。
 本来ならばカーラー部分はフランジ面より高くなっているのですが、安価なベアリングでは遊びが大きく、カーラーがフランジ面より沈み込んでしまいます。またサイズの小さいものは、構造がシンプルになってしまいますので同様です。
 お手持ちの方は、押し付けながら回してみると、感触の違いがハッキリわかると思います。変化がなければ、良い部品が使用されていると判断しても良いと思われます。

 画像の様に、小径のシムを使用しておけば間違いありません。

 そして、スパーギアをはめ込んで確認事項があります。



 軸受けが奥まできちんとはまっているかを、セクターギアを使って確認です。
 しっかりはまっていれば、シム無しならわずかに接触しますし、完全に当たるようなら、スパー以外の部分が浮いています。逆に接触しなければ、スパー部分が浮いている訳ですね。
 現実問題として、奥まではまっていない物が多いのです。軸にスプリングの付いたオートシムタイプの物は、8割方浮いている印象があります。
 ここで注意しなければいけないのが、奥まで押し込むのに、インナーカーラー部分は押さずに、フランジ部分を均等に押さなければならない事です。インナーカーラー部分だけ押し込んでしまうと、変形で回りが悪くなったり、そのまま外れて壊れてしまいます。
 専用の冶具を作って、押し込むのが懸命です。無ければ、サイズの合うパイプ材(不要なインナーバレル)等を使うと良いでしょう。

 軸受けがしっかりはまったのが確認できたら、本来の目的であるシム調整です。



 画像はスパーとセクターですが、ベベルも同様です。
 ギア同士が密着していれば、抵抗になると言う事だけでは無く、押さえ付けで軸が傾いてしまっている状態になります。
 シムが少ない(足りない)と、ギアが左右に暴れてしまい、音がうるさくなるだけでなくギアや軸受けが壊れ易くなってしまいます。
 きつ過ぎず、ゆる過ぎずにするのが良い訳ですが、回してみた時に、1番素直に回るテンションにします。
 それと、ギア同士の側面の隙間も最低限にします。隙間が大きければ、歯の噛み合いの面積が減り、強度が下がります。
 但し、インナーカーラーの遊びがありますので、そのブレ分は余裕を持たせます。
 安価な商品では、軸が細くなってガタの出る物や、軸が曲がってしまっている物が多くなっています。値段が高くなっても、国産の精度が出ている物をお勧めするのは、これが理由ですね。海外製品でも精度が出ている物であれば問題はありません。

 個体差がありますので、シビアにチューニングするカスタムであれば、決まったセット枚数はありませんので、現物合わせが基本になります。市販の電動ガン用なら、0.1・0.15・0.2・0.3・0.5mmの厚みでの商品が購入可能ですし、更にシビアに調整したい方は、R/C用の0.13・0.25・0.5mmでしかも電動ガン用の物より外形は小さい商品がありますので、微妙なセッティングも可能です。



 組んでみては、手で動かして確認です。必ずネジを締め込んだ状態で確認しましょう。
 セクターギアを指で弾いてみて、惰性でスイスイ回ってから、歯の部分が下に戻って振り子になれば完璧です。
 この時に、右に傾けて確認、次は左に傾けて確認とすれば、左右どちらにシムを増減させるのか解り易くます。
 当店では、左右に振って確認しています。ギアの歯の精度で、歯に遊びができている商品もありますので、その音との違いは聞き分ける必要がありますのでご注意を!

 全部は説明しきれませんが、要点はこんな感じです。参考になりましたでしょうか?

 明日はノーマルギアとノーマル軸受けです。


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2013年09月16日

故障の原因を見極める ケース5 メタルチャンバーの注意点

 COMBAT DOLL の店主です。

 昨日は残念でした。早朝以外は、結構天気が良かったのですが、フィールドコンデションで、結局はできなかったのですけどね。

 今日も未明から朝にかけては、酷い嵐でした。8:00頃に湖西市近辺に上陸した台風の影響で公共交通機関は軒並みストップのようでした。

 みなさんは大丈夫だったでしょうか?

 それはさておき、本題に入りますね。

 故障の原因を見極めるとして、メタルチャンバーでの注意点なんですが、この失敗は、意外と目にします。

 フレームを交換したら、調子が悪くなってしまった。「初速が落ちた」「2発発射になる」「HOPの利きが悪い」等、確認してみると、これが原因と言う場合は多いですね。

 故障では無く、組み間違えなのですが・・・



 画像はM4系のメタルチャンバーで、G&Pのメタルフレームに付属している物です。

 チャンバーとバレルの隙間を埋める、ブレ止めのカーラーが付属しているのですが、間違えてチャンバー内に先に入れてしまう方が、時々いらっしゃいます。

 パッケージングがパッキンと一緒にされているのですが、画像の様になっている事が多く、その為に間違えて先にはめてしまう場合があります。純正の状態では使用されていないので、見た目にだまされてしまう訳です。

 間違えてはめてしまうと、取り出すのが無理な場合も多く、チャンバーのみ買い直しになる場合が多いです。



 当店では、金属製の耳かきを使って穿り出しますが、これでダメな場合は諦めて頂きます。

 コンプリートガンが多くなっているので、最近は少ないのですが、フレームを交換する方に意外と多かった症例です。

 故障の原因と言うと、ちょっと違うかもしれませんが、実際にある症例ですので、心当たりのある方は、ご確認してみてくださいませ。


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2013年09月14日

故障の原因を見極める ケース4

 COMBAT DOLL の店主です。

 今回は、修理のアイテムから、全般にありえる、「故障の原因を見極める」ピストンの別例です。

 次世代電動ガンの破損ピストンでの説明でしたが、今回も同様です。



 症例としては、少ないケースですが、定期的に目にします。

 これも、規定電圧以上のバッテリーの使用により、サイクルバランスが崩れてしまった為の破損ですが、ギアのシャフトの当たり外れもあったのだと思われます。

 ピストン後部は前回同様、サイクルバランスの崩れによる削れが確認できますが、後端の肉厚の部分まで削れてしまっています。これは、軸受けの変形や破損により、軸位置が逃げてしまい、ギアの噛み合わせが浅くなった時になる壊れ方です。前方のギアも同様で、スプリングの圧縮に負けて、ギアが逃げるとこちら側の削れが発生します。

 樹脂製の軸受けの場合は、連射による摩擦熱での変形や、サイクルバランスの崩れで発生してしまう衝撃で、破損してしまいます。メタル軸受けが発売されているのは、この故障を無くす為に、強度のある金属製にする訳ですね。
 ベアリングの軸受けでも、衝撃で破損する場合がありますので、小さな物より大きな物の方が丈夫なので、カスタム内容によっては、大きな物に交換される訳です。

 軸受けが壊れなくなれば、ピストンかギアが破損することになる訳ですが、通常は先に樹脂製のピストンが破損してしまいます。
 今回の症例では、軸受けとギアの軸が同時に破損してしまったと思われます。リコイルウエイトの戻りと、ピストンの後退のタイミングが、カウンターパンチのクリーンヒットになってしまったようです。
 軸が折れてしまえば、どうしようもありませんね。

 画像の物は折れた部分が外れていたので一目瞭然でしたが、ケースによってはギアの中に収まったままの場合や、軸受けの僅かな変形でそうなってしまう場合もあります。

 部品の壊れ方を見て、原因を確認してから対処をしてパーツ交換を行わないと、何度も同じ部品を交換修理しなければいけない破目になりますので、ご注意下さい。



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2013年09月12日

故障の原因を見極める ケース3

 COMBAT DOLL の店主です。

 久しぶりの普通の投稿です。

 今回は、修理のアイテムから、全般にありえる、「故障の原因を見極める」です。

 以前はギアで書いたことがありました。

 今日はピストンです。とりあえず、次世代の物です。

 破損の原因は、使用バッテリーの適正電圧超えです。

 次世代電動ガンは、発射サイクルが抑えられていて、物足りなく感じる方も多く、手っ取り早くバッテリーの電圧を変更してしまう方も多いのが現状です。その場合のリスクが、この結果ですね。
 ちなみに、この銃は11,1VのLi-Poバッテリーを使用してこうなってしまいました。9,6Vのバッテリーでも、こうなってしまう事もあります。性能が良いバッテリーの場合は要注意ですね。



 ピストンのギアが、2箇所で削れてしまっています。

 電動ガンでは、サイクルだけ上げてしまうと、ピストンの前進スピードが足りなくなり、ピストンが所定の(前進しきった)位置に来る前に、セクターギアが噛み合おうとしてしまい、ピストン後部のギア部分を削り取ってしまいます。
 ハイサイクル用のカスタムピストンにギア部分が一枚削り落としてあるのは、この対策ですね。当然、対策品以上のタイミングずれが発生してしまえば、破損してしまいます。
 2箇所の破損の内の後端部分は、この状態が原因です。ピストンの前進スピードが足りません。

 次世代電動ガンは、リコイルショックを味わう為に、ウエイトを動かして、ショックを作っています。
 ピストンの前方部分の破損は、ここのタイミングがずれてしまって発生します。結論からいくと、ピストンの動きが早くなってしまって、ウエイト部分の前進スピードが足りなくなっておこります。
 ウエイトの重量は結構あり、スプリングで押し戻す構造なのですが、ピストンで押し下げていますので、お互いが正面衝突する状態になってしまえば、そうとうな衝撃力になってしまいます。
 もともと、ウエイトを押し下げる分、スタンダードな電動ガンより負荷が大きくなっていますが、それが倍増してしまいます。
 壊れるのは、当然の結果と言える訳です。

 サイクルを上げる場合は、それに伴ったバランス取りが必要です。パーツの変更も、それに合わせて必要になりますので、カスタムの際はお気をつけ下さい。
 
 久しぶりの、まともな記事の投稿でした。

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2013年04月19日

故障の原因を見極める ケース2

 COMBAT DOLL の店主です。

 昨日に引き続き、ギア破損の原因解説です。

 マルイのノーマルギアのケースですが、今回は2パターンの紹介です。

 

 まずは、前回と似たパターンですが、ちょっと違います。
 今回の物も3枚分欠けているのですが、中央の歯は根本から折り取られています。

 このパターンは、軸受けには問題が無いか、オイルレスメタルなどの丈夫なパーツに交換されている場合の破損状態です。
 ノーマル軸受けで、破損しているのなら、ギアその物の「ハズレ」の場合が多いのですが、軸受けがメタル製に交換されている場合は、トルク負けが原因の場合が多くなります。
 モーターの強化や、バッテリーの高電圧や大容量の物を使用した場合に起こり易い破損状況ですね。

 前回同様、セクターギアの状態も確認して、ピストンの歯等も確認した方が良いです。
 セクターギアは亜鉛合金ですので、変形が見られたら同時に交換をお勧め致します。

 基本的に、スパーギアが先に壊れるパターンですね。

 次は、セクターギアが先に壊れるパターンです。



 画像のマーキングした場所が変形や破損しています。

 このパターンは、セクターギアが素材の関係で先に変形させられ、それに伴ってスパーギアの小径部分も変形してきます。お互いの変形が限界になった時に柔らかい亜鉛合金でできている、セクターギアの歯が欠けてしまいます。
 消耗での原因の場合と、ピストンの前進スピードが足りずに、ピッチが狂ってしまい、衝撃で破損する場合(モーターやバッテリーが原因)と、スプリングの圧縮負荷が強くて、変形させられる場合(カスタムでスプリングの交換)等があります。



 こちらの画像は、側面から見たものですが、スパーギアの小径部分は斜めに変形していて、セクターギアの方は、根本から折り取られてしまっています。
 斜めに変形したスパーギアの歯に挟まれた、セクターギアの歯がむしり取られた壊れ方ですね。

 軸受けのガタによって起こる場合もありますので、総合的に見て、問題を解決して行く必要があります。
 壊れた部品の交換だけでは、すぐに同じ壊れ方をする場合が多いのです。

 僕も初心者の頃は、良く見落としで失敗したりしました。こんな状態になる原因をハッキリさせる為にも、修理の際は、使用しているバッテリーや、どのくらい使用したかなど、使用状況などをご説明頂けると見積もりも早く、より正確になってきますね。

 複合要因での破損が普通ですので、原因は1つだけだと思っていると、何度も苦労してしまう事もありますので、お気を付けくださいませ。

 みなさんの、参考になれば幸いです。


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2013年04月18日

故障の原因を見極める ケース1

 COMBAT DOLL の店主です。

 今回は、ギア破損の修理品から、原因の解説記事になります。

 電動ガンでは普通の故障ですが、実際の所、原因は様々です。時々こんな記事がアップされてくると思いますので、ご自分で修理される方の参考になればと思います。

 今回の修理品は、マルイ製 M4 です。

 ギアノイズが出たかと思ったら、クラッシュしていたとの事で、修理お預かりです。
 その場でクライアント様にも見て確認頂いています。

 破損はスパーギアの外周のみ。



 画像の通り、3枚分が削られて欠けています。

 このパターンだと、セクターギアの方も変形している場合が多いのですが、この固体は全然変形も見られず、磨耗も少なかったので、交換するギアはスパーギアのみです。

 他のケースはまた改めて紹介しますので、この固体の検証です。

 ギアの先端のみが削り取られているので、単純に噛み合わせが浅くなって、トルクに耐えられなくなった為の破損状況です。

 噛み合わせが足りなくなる理由はここです。



 軸受けが緩くなってしまい、ガタ分の逃げで噛み合わせが浅くなる訳です。
 ガタの発生としては、軸穴が広がってしまう場合と、軸受けが一緒に回転してしまい、軸受けの外径が削られて痩せてガタが出る場合と2通りあります。
 
 指で押さえ付けて確認してみると、カタカタ動きますので、軸受けの外径が痩せてガタが出てしまい、軸間の距離が広がって、ギア破損のパターンですね。

 なぜ、軸受けごと回転してしまうのかと言うのは、下の画像をご覧下さい。



 左側がガタの大きい軸受けですが、接触面に丸い傷が入っています。これは、シムによって付けられた傷です。意外と気付かない方も多いのですが、シムには裏表があります(画像参照)。
 裏表での仕上げの違いと、プレスで抜かれる際にできるバリのようなカット面です。画像のシムは解り易く0.5㎜の厚めの物ですが、ちゃんと見ると違いが解ります。表面が半光沢でバリがある方を裏(画像左)とした場合、そちら面を軸受け側に組み付けると画像のように、軸受けに傷が付きます。
 ようは、軸受けに食い付く形でセットされると、タイトなシム調整をした場合には、軸受けをシムで押さえるのがきつくなり、摩擦抵抗の少ない部分が回転し易くなります。
 軸受けとメカボックスのはまっている穴を確認してもらうと、わずかな厚みにはまりこんでいるのがわかります。しかも、仕上げ処理はされていません。

 モーターの回転方向を変換するベベルギアの部分は斜めに押さえ付けられ、軸受けのガタを発生させ易い場所です。スパーギアもギアの配置から、決まった方向に逃がされます。セクターギアも同様です。
 シムの裏表の違いだけでも耐久性に差がでる訳です。

 かと言って、シムの裏表の違いだけで、軸受けごとの回転が無くなる訳ではありません。あくまでも、「回転させる原因を減らす」と言うことです。マルイさんの製品が、すべて考慮されて組んである訳ではないのです。違いとしてはわずかなのかも知れませんが・・・。

 軸は回転させられる時には、側面から力が掛かって押さえ付けられ、ギアと一緒にシムも回転させられます。軸穴も軸と面接触しているので、軸受けごと回そうとしてしまう訳です。
 余談ですが、この現象の為にベアリングの軸受けがカスタムパーツとして存在している訳ですね。

 この銃の使用環境としては、ミニセルNi-cd 9.6V 600mA セパレートタイプです。
 9.6Vのバッテリーの為、立ち上がりが良く、起動時のトルクが大きくなる使用状況です。
 修理には、オイルレスメタルと6㎜ベアリング軸受けのコンビネーションで行いますが、トリガーを引いている時間が長い方は、オイルレスメタルのみか、大径のベアリング軸受けへの加工取り付けをお勧めします。

 いろいろ修理をやっていると、様々なケースがありますが、故障の原因をハッキリさせないと、また同じ様に壊れてしまいますので、ご自身で修理やパーツ交換をされる方は、原因を見極めてから作業されれば間違いありません。原因を確認して対処すれば故障は減りますので・・・。

 原因が解らないような場合もありますが、いろいろ考えてみるのも楽しいものですよ。

 
 COMBAT DOLL 店主 中根

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00 
  定休日 日曜日 年末年始 他 臨時休業あり  
  TEL 053-450-3308 FAX 同番
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Posted by コンバットドール  at 21:42Comments(0)故障の原因を見極める

2012年11月24日

海外製電動ガン マイクロスイッチ

 COMBAT DOLL の店主です。

 今回は「はまって・・・」シリーズではありませんが、うっかりするとはまってしまうマイクロスイッチです。


 画像、上オムロン製、下韓国製(A&K-M249で使用)

 今回、バッテリーをつなぐだけで、スイッチが入りっぱなしになってしまうという症状でお預かりしたメンテナンス品です。

 スイッチを疑いつつも、まず漏電箇所のチェックをしていき、問題の無い事を確認。

 そして作動チェックをしてみると、本体組み込みでは「異常有り」、メカボックスのみでは「正常」となり、再度漏電チェック。やはり異常無し。

 そして、スイッチを確認。オムロンの物と違い、リベット封印がないので、サクサクバラして焼き付きチェックをしてみても、端子の異常は無い。正常に作動している。何処が原因だろう・・・?

 今度は作動を30秒連続して確認。 んっ? スイッチが切れなくなった! 問題の症状を確認!

 よくよく見るとスイッチが戻りきっていない・・・



 上の画像の状態になっていました。

 発熱による接点結合か、樹脂ケースでのひっかかりと判断して、交換することにしました。フタ部分が封印されていないのが原因なのか、接点端子金具の品質によるものかまでは追求していませんが、スイッチが原因なのは判明致しましたので、交換して終了です。

 疑り深く見ていたので、今回ははまらずに済みました。

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Posted by コンバットドール  at 20:00Comments(4)故障の原因を見極める