2014年07月23日
VSR-10 PDIパーツベース チューン
COMBAT DOLL の店主です。
今回は、クライアント様への説明要素の強い記事になりますが、ご了承ください。
前回の 「VSR-10 再調整」 の方と同じグループのクライアント様になります。
部分的に、以前触らせて頂いた物なのですが、試行錯誤の上、いろいろ交換されている状況です。
上手くまとまらずに、こちらへの最終仕上げの依頼となった状況です。
ストックにカスタムブランドのシールが貼ってありますが、木製ストックに交換された方からの購入品との事で、中身とは関係ありません。
基本的に、良いと言う評判のパーツを集めて組み上げたカスタム品にはなっているのですが・・・(汗!)
相性が良くない状況でした・・・(涙)
内容としては、
PDI製 レシーバー・νトリガー・ボアアップシリンダーセット(バキュームピストンにあらず)
・08インナーバレルカット品・バレルブレ止め
A+エアソフト製 魔HOPチャンバーパッキン
Laylax製 ベアリング付スプリングガイド
メーカー不明 太径スプリング
KM企画製 サイレンサー 外径40mm 245mm
マルイ純正 アウターバレル・チャンバーブロック・マウントベース・トリガーガード・ストック
・サイレンサーアタッチメント
と言った状況でしたが、A+製のチャンバーパッキンが、PDI製のバレルやシリンダーヘッドとの相性に問題がありました。
クライアント様の納得が行く様に、対応加工したチューニングを行います。
いわゆる、長距離重量弾仕様で命中精度も向上させ、消音効果も可能な限り上げるカスタムを希望されています。
改修・調整ポイントを図説にて解り易くしました。
チャンバーパッキンの相性の悪さは、図を参考にしてください。 パッキンの特性を生かして、各部対応調整加工をして行きます。
それと同時に、精度アップと消音化です。
一部、クライアント様自身の加工で、問題の有る部分も説明しながら補正していきます。
まず、インナーバレルがGスペックより長く、サイレンサーの効果を最大限にする為に、短めにカットされた状態です。
純正のサイレンサーアタッチメントは内径が細くなっており、バレルが貫通させられませんので、加工されてはいるのですが、センターがズレてしまっていて、インナーバレルが一方に押しやられてしまう状況でした。
サイレンサーが、正逆対応のKM企画製でしたので、Laylax製の正ネジタイプに変更して対応します。
加工し直すより安上がりです。
インナーバレルは、サンダーかカナノコでのカットのようで、真っ直ぐに切られていませんでした。
ただ、さすが硬度を売り物にしているPDI製です。ガラス板を転がしてチェック致しましたが、曲がりはありませんでした。
作業も丁寧にされていたのでしょう。
長距離の精度を考えると、ここは、パイプカッターを使用してカットが正解です。
但し、端面処理を考えれば、旋盤により専用刃物での加工仕上げが望ましいです。
当店では、外注になってしまい、かなりの高額な加工となります。
304ステンレスを相手に仕上げのできるツールがありませんので、ご了承ください。
今回は、まかなえる範囲で留めてありますので、出口のテーパー加工もされていません。
テーパー加工がされていれば、フルチューンと言えるのですが、今回は一歩手前までとなっています。
インナーバレルの入り口部分とパッキンですが、先の説明図の通りで、バレルエンドのフチの部分の厚みが、溝に入り切らないので、上手く取り付けができない状態です。
HOPのテンションバーも、以前は切り欠きを延長したタイプのバレルに対応させていたチャンバーでしたので、補正が必要な状態です。
前後のHOPの掛かりの長さの部分を、バレルの切り欠きに合わせます。
(バレルの根元は、まだ無加工です。)
(説明図 ①部分)
バレルの切り欠き部分を広げる加工をします。最終的には、ダイヤモンドヤスリによる手作業の仕上げです。
若干、歪んでおりますが、内バリさえ気をつければ、問題無く使用できるのがA+魔HOPパッキンの良い所ですので、助かります。
バレル出口も、斜めの部分はカットして仕上げ直しです。
前述の通り、出口テーパー加工はやれていない状況ですが、ご予算の都合になりますので、ご了承ください。
サイレンサーアタッチメントも交換され、センター出しと固定はバッチリです。
ブレ止めはPDI製の物が使用されています。
(説明図 ③部分)
シリンダーヘッドのノズルの長さを調整します。説明図では少し大袈裟にしておりますが、0.5mmくらい縮めて、内部の面取り部分を少し広げてやれば十分です。
内径部分の画像を撮り忘れてしまいましたが、説明図の②にあたる部分がノズルの絞りになります。
圧入で抜けなくなっており、内径2.6mmまで絞り込んであります。
(説明図 ④ ⑤ ⑥ ⑦部分)
ピストンヘッドの加工になります。
ボアアップシリンダーになりますので、エアダンパーのブレーキ効果は大きくなりますので、消音には向いています。
④のダンパー(ブレーキ)ロッドを、元々の中央空洞部を利用して圧入してあります。有効長は6mmくらいしかありません。
有効長を短くしているのも、BB弾が射出される際のバキューム効果を得る為です。
僅かに隙間のできる4mmちょうどの太さになっていて、計算上は直径で0.1mmの隙間になっています。
⑤の小径のOリングは取り外してしまいます。ピストンヘッドのリードバルブ用の穴を最大限に生かす為です。
本来の気密用のOリングは小さめで、ピストンの溝の内側を締め付けている状態で、かなりの高圧が掛からないと膨らみません。
⑦の部分は、溝の前後幅を広げ、深さも増やし、⑥の交換するOリングに合わせて、遊びの出る寸法に加工します。
内側の空間と前後の遊びが確保されることで、ピストンでフタをしてしまっているバレルの入り口から、ピストン後方のシリンダー内部空間のエアをバキュームして、加速中のBB弾を減圧で、減速させる(吸い戻し)事無く、バレルから射出します。
バキュームができているかどうかの確認は、
組み上げてからノズルを咥えて、 「口で吸う!」(伊武雅刀風) です(笑)
このネタが解る方は50オーバーですね!? ラジオの時代が懐かしいですね!!
スプリングも、そのままでは規制オーバーが必至ですので、自由長ギリギリでカットして組み込んでチェックになります。
実際に、ノズルの絞込みは2mmからスタートしてますので、少しずつ広げて適正パワーに仕上げて行きます。
スプリングガイドはベアリング付のLaylax製ですが、スプリングともシリンダーとも合いません。
スプリングに対しては、シャフトにカーラーを設置する事で遊びを減らし、ベアリング部分にワッシャーを足して外径も合わせます。
シリンダーに対しては、寸法変更の方法はありません。スプリングガイドには、センター合わせの突起がありますので、セットピンとの位置関係を固定する事で、クリアさせます。
PDI製のνトリガーには、幸いな事に、セットピンに2本のネジがあり、これで位置決めができます。
但し、それぞれ強く締めてしまうと、内部寸法の余裕から斜めになってしまいますので、アルミシート等のシムを挟んで、適度に締め付けます。
純正のストックの内部には、吸音材のウレタンを詰め込んであります。いつもの通りです。
本体はこれで完了です。
スコープの取り付けを確認しますが、やはり・・・
傾いています。これは仕方がないですね。僕自身も気が付くまでに相当時間がかかりました。
輸入品が出回り出して、初めて気が付いたのが、正直な話です。
重力(垂直に働く落ちる力)に逆らって、HOPアップ(回転による浮力)をさせるのですから、長距離射程の銃では重要な要素です。
上記画像の様に、取り付けできましたら、実射にて調整して終了になります。
仕上がりの結果としては、インナーバレルの出口テーパー加工ができていないのが心残りですが、弾道は問題無いと思います。
ただ、ボアアップシリンダーによる、減速消音の効果は、予想以上に稼げました。VSR-10でここまで静かにできたのは初めてです。
店主の使っているAPSより静かになっています。
10mも離れたら、BB弾の風切り音しか聞こえないですね。いやらしい銃に仕上がりました!
BB弾の精度をかなり選ぶようになっていますので、精度の良い安心なブランドの物をご使用ください。
クライアント様、大変お待たせ致しました! 上記までの記事や画像をご参照ください。
COMBAT DOLL 店主 中根
奥山デイズにて定例会(レギュレーション) 未定
営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
定休日 日曜日 年末年始 他 臨時休業あり
TEL 053-450-3308 FAX 同番
メール info@combatdoll.jp
ミリブロのメッセージからでも大丈夫です
返信はHPのメールサーバーよりさせて頂きます
今回は、クライアント様への説明要素の強い記事になりますが、ご了承ください。
前回の 「VSR-10 再調整」 の方と同じグループのクライアント様になります。
部分的に、以前触らせて頂いた物なのですが、試行錯誤の上、いろいろ交換されている状況です。
上手くまとまらずに、こちらへの最終仕上げの依頼となった状況です。
ストックにカスタムブランドのシールが貼ってありますが、木製ストックに交換された方からの購入品との事で、中身とは関係ありません。
基本的に、良いと言う評判のパーツを集めて組み上げたカスタム品にはなっているのですが・・・(汗!)
相性が良くない状況でした・・・(涙)
内容としては、
PDI製 レシーバー・νトリガー・ボアアップシリンダーセット(バキュームピストンにあらず)
・08インナーバレルカット品・バレルブレ止め
A+エアソフト製 魔HOPチャンバーパッキン
Laylax製 ベアリング付スプリングガイド
メーカー不明 太径スプリング
KM企画製 サイレンサー 外径40mm 245mm
マルイ純正 アウターバレル・チャンバーブロック・マウントベース・トリガーガード・ストック
・サイレンサーアタッチメント
と言った状況でしたが、A+製のチャンバーパッキンが、PDI製のバレルやシリンダーヘッドとの相性に問題がありました。
クライアント様の納得が行く様に、対応加工したチューニングを行います。
いわゆる、長距離重量弾仕様で命中精度も向上させ、消音効果も可能な限り上げるカスタムを希望されています。
改修・調整ポイントを図説にて解り易くしました。
チャンバーパッキンの相性の悪さは、図を参考にしてください。 パッキンの特性を生かして、各部対応調整加工をして行きます。
それと同時に、精度アップと消音化です。
一部、クライアント様自身の加工で、問題の有る部分も説明しながら補正していきます。
まず、インナーバレルがGスペックより長く、サイレンサーの効果を最大限にする為に、短めにカットされた状態です。
純正のサイレンサーアタッチメントは内径が細くなっており、バレルが貫通させられませんので、加工されてはいるのですが、センターがズレてしまっていて、インナーバレルが一方に押しやられてしまう状況でした。
サイレンサーが、正逆対応のKM企画製でしたので、Laylax製の正ネジタイプに変更して対応します。
加工し直すより安上がりです。
インナーバレルは、サンダーかカナノコでのカットのようで、真っ直ぐに切られていませんでした。
ただ、さすが硬度を売り物にしているPDI製です。ガラス板を転がしてチェック致しましたが、曲がりはありませんでした。
作業も丁寧にされていたのでしょう。
長距離の精度を考えると、ここは、パイプカッターを使用してカットが正解です。
但し、端面処理を考えれば、旋盤により専用刃物での加工仕上げが望ましいです。
当店では、外注になってしまい、かなりの高額な加工となります。
304ステンレスを相手に仕上げのできるツールがありませんので、ご了承ください。
今回は、まかなえる範囲で留めてありますので、出口のテーパー加工もされていません。
テーパー加工がされていれば、フルチューンと言えるのですが、今回は一歩手前までとなっています。
インナーバレルの入り口部分とパッキンですが、先の説明図の通りで、バレルエンドのフチの部分の厚みが、溝に入り切らないので、上手く取り付けができない状態です。
HOPのテンションバーも、以前は切り欠きを延長したタイプのバレルに対応させていたチャンバーでしたので、補正が必要な状態です。
前後のHOPの掛かりの長さの部分を、バレルの切り欠きに合わせます。
(バレルの根元は、まだ無加工です。)
(説明図 ①部分)
バレルの切り欠き部分を広げる加工をします。最終的には、ダイヤモンドヤスリによる手作業の仕上げです。
若干、歪んでおりますが、内バリさえ気をつければ、問題無く使用できるのがA+魔HOPパッキンの良い所ですので、助かります。
バレル出口も、斜めの部分はカットして仕上げ直しです。
前述の通り、出口テーパー加工はやれていない状況ですが、ご予算の都合になりますので、ご了承ください。
サイレンサーアタッチメントも交換され、センター出しと固定はバッチリです。
ブレ止めはPDI製の物が使用されています。
(説明図 ③部分)
シリンダーヘッドのノズルの長さを調整します。説明図では少し大袈裟にしておりますが、0.5mmくらい縮めて、内部の面取り部分を少し広げてやれば十分です。
内径部分の画像を撮り忘れてしまいましたが、説明図の②にあたる部分がノズルの絞りになります。
圧入で抜けなくなっており、内径2.6mmまで絞り込んであります。
(説明図 ④ ⑤ ⑥ ⑦部分)
ピストンヘッドの加工になります。
ボアアップシリンダーになりますので、エアダンパーのブレーキ効果は大きくなりますので、消音には向いています。
④のダンパー(ブレーキ)ロッドを、元々の中央空洞部を利用して圧入してあります。有効長は6mmくらいしかありません。
有効長を短くしているのも、BB弾が射出される際のバキューム効果を得る為です。
僅かに隙間のできる4mmちょうどの太さになっていて、計算上は直径で0.1mmの隙間になっています。
⑤の小径のOリングは取り外してしまいます。ピストンヘッドのリードバルブ用の穴を最大限に生かす為です。
本来の気密用のOリングは小さめで、ピストンの溝の内側を締め付けている状態で、かなりの高圧が掛からないと膨らみません。
⑦の部分は、溝の前後幅を広げ、深さも増やし、⑥の交換するOリングに合わせて、遊びの出る寸法に加工します。
内側の空間と前後の遊びが確保されることで、ピストンでフタをしてしまっているバレルの入り口から、ピストン後方のシリンダー内部空間のエアをバキュームして、加速中のBB弾を減圧で、減速させる(吸い戻し)事無く、バレルから射出します。
バキュームができているかどうかの確認は、
組み上げてからノズルを咥えて、 「口で吸う!」(伊武雅刀風) です(笑)
このネタが解る方は50オーバーですね!? ラジオの時代が懐かしいですね!!
スプリングも、そのままでは規制オーバーが必至ですので、自由長ギリギリでカットして組み込んでチェックになります。
実際に、ノズルの絞込みは2mmからスタートしてますので、少しずつ広げて適正パワーに仕上げて行きます。
スプリングガイドはベアリング付のLaylax製ですが、スプリングともシリンダーとも合いません。
スプリングに対しては、シャフトにカーラーを設置する事で遊びを減らし、ベアリング部分にワッシャーを足して外径も合わせます。
シリンダーに対しては、寸法変更の方法はありません。スプリングガイドには、センター合わせの突起がありますので、セットピンとの位置関係を固定する事で、クリアさせます。
PDI製のνトリガーには、幸いな事に、セットピンに2本のネジがあり、これで位置決めができます。
但し、それぞれ強く締めてしまうと、内部寸法の余裕から斜めになってしまいますので、アルミシート等のシムを挟んで、適度に締め付けます。
純正のストックの内部には、吸音材のウレタンを詰め込んであります。いつもの通りです。
本体はこれで完了です。
スコープの取り付けを確認しますが、やはり・・・
傾いています。これは仕方がないですね。僕自身も気が付くまでに相当時間がかかりました。
輸入品が出回り出して、初めて気が付いたのが、正直な話です。
重力(垂直に働く落ちる力)に逆らって、HOPアップ(回転による浮力)をさせるのですから、長距離射程の銃では重要な要素です。
上記画像の様に、取り付けできましたら、実射にて調整して終了になります。
仕上がりの結果としては、インナーバレルの出口テーパー加工ができていないのが心残りですが、弾道は問題無いと思います。
ただ、ボアアップシリンダーによる、減速消音の効果は、予想以上に稼げました。VSR-10でここまで静かにできたのは初めてです。
店主の使っているAPSより静かになっています。
10mも離れたら、BB弾の風切り音しか聞こえないですね。いやらしい銃に仕上がりました!
BB弾の精度をかなり選ぶようになっていますので、精度の良い安心なブランドの物をご使用ください。
クライアント様、大変お待たせ致しました! 上記までの記事や画像をご参照ください。
COMBAT DOLL 店主 中根
奥山デイズにて定例会(レギュレーション) 未定
営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
定休日 日曜日 年末年始 他 臨時休業あり
TEL 053-450-3308 FAX 同番
メール info@combatdoll.jp
ミリブロのメッセージからでも大丈夫です
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