2014年07月04日

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

COMBAT DOLL の店主です。

昨日の続編になる、PDRのカスタマイズです。

正直な話、PDRに関しては、ここが一番重要なポイントになります。

一番バラつきがあり、個体差が出てしまう部分ですので、過去の状況としても、同じになってくれた事の無い部分です。

このブログを参考にして下さっている皆様には、お手持ちの個体との比較をした上で、個体毎の調整をお願い致します。


さて、本題に入りましょう。

今回は、サイレンサーを基準とした、バレルの位置を優先した調整になっています。

サイレンサーを交換した途端に飛びがおかしくなってしまったと言う事例も伺っていますので、それに合わせて調整が必要な部分です。

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

今回使用されるサイレンサーは、マルイ製品なのですが、工夫がされていました。
市販のプロサイレンサーミニでは、根元の部分の外径が大きく、装着できません。お持込の物は、フィクスドガスガンのHKソーコムMk23のサイレンサー基部に交換されていて、16mmのネジから14mmの逆ネジに変換するパーツが使用されています。

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

外周のチェッカリングの部分が、コリコリ当たるくらいの状況で装着できる状態でした。
専用品のような状況です。
この状況ですので、銃口部は確実にセンター位置になるように調整しなければなりません。傾かないように、バレル基部とのマッチングが必要になります。

かなり、ハードルが高い状況ですね。フレームの個体差によっては、妥協したパワー調整になってしまう場合もあります。
組み込みによって、ダウンしてしまったパワーの分を、メカボックスのオーバースペックで補う事に・・・(汗)
そんな事にならないよう、がんばりました!

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

まずは、実際にサイレンサーの装着状況を確認します。
バレルのネジ部に合わせて締めこんで行くと、フレームの外周の絞られた部分で当たってしまい、フレームをたわませるというか、バレルを引っ張る状況になってしまっています。
画像の通り、ネジ部分に隙間ができる状況で接触し、締め込むとフレームの内側に傷跡が残っているのが確認できました。

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

フレームの肉厚の関係もありますので、最低限に削り込んで、ねじ込みのストロークを確保してあります。

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

先に、トリガーブロックに前回より覚えた、マガジンキャッチのスムース作動の補助になるカーラーを仕込んでおきます。

そして、バレルの交換です。

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

今回、当店在庫最後の1本のLaylax製アッシュバレル285mmに交換です。

HOPチャンバーもAGW製のテンショナーに交換して、ゴムチューブでのテンションに変更しますので、HOPパッキンをシステマ製の物に交換しています。

ただ、この個体に使用されていたパッキンはシリコンゴム製の柔らかい素材では無く、二トリル製の物のように見えたのですが、確実性を取って交換しています。

クライアント様の希望初速設定が90m/s前後でしたので、インナーバレルの出口テーパーの追加加工は行っていません。
吐出を最低限にしたメカボックスの設定にしてありましたので、追加テーパー加工は必要の無い状態になっています。

アッセンブルを組上げる際、固定用の割りピン(スプリングピン)は、若干短く加工し、押さえのパーツに干渉しないようにしています。

いよいよ、位置補正の段階に入ります。作業としては、ここが一番時間が掛かってしまいます。

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

アウターバレルがフレームと平行位置を出さなければならず、若干下方へ押さえる必要があった為、受けとしてラバーシートの積層した物を挟み込んでおきます。接着してしまうと、トリガーブロックのメンテができなくなってしまいますので、挟むだけです。

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

メカボックス部でのシムの貼り付けも、行ってはみましたが、最終的には、バレル基部の樹脂パーツを加工し、バレル基部に高さを約1mmほど下げた状況で、位置出しはクリアできました。
メカボックスとの位置関係もキレイに直線状になってくれました。

画像では解り難いかもしれませんが、比較画像として、

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

左側の画像は今回の個体です。
右側の画像は、以前チューニングした別個体の調整前の物です。

画像の撮影角度のズレもあるのですが、解り易い部分として、HOPダイヤル前方部分の空間の上部と下部の広さの違いが解るのではないかと思います。
それと、アウターバレルに対して、挿入されているチャンバーブロックが、下方に沈み込んでいる状況なのですが、こちらは判断し辛いと思います。
状況としては、チャンバーが無理やり斜めに取り付けられた状態がデフォルトとなっており、これを矯正するのが、最重要ポイントになってくる訳です。うっかりすると、ここを補正するだけで、初速が大幅にアップしてしまう危険性がありますので、参考にされて、実行される方はご注意ください。

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

位置が補正された時点で、気持ちばかりの吸音材を、フレームのデッドスペースに挿入していきます。
ロアフレーム部には、ウレタン素材で、アッパーの上部隙間には、ラバーシートを貼り付けてあります。

PDR-C 「林の壱式」 本体調整編

オリジナルハイダーもバッチリセンターに来てくれて、上手く補正ができた状態でした。

パワーチェックを最終的に行いましたが、サイレンサーの装着状況と、無しの状況での初速差は失くす事ができ、サイレンサー装着における干渉はクリアできています。

ただ、初速の若干のダウンは避けられない状況でした。

先の記述の通り、メカボックスのスペックとしては95m/sになっているのですが、最終的に93m/sになってしまている状況です。
それと、BB弾のブランドによって、給弾不良が発生してしまう状況で、比較的粒の大きなブランドの物は、閉鎖不良が発生して発射されない事があります。
マルイとエクセルのBB弾は問題がありませんでしたが、イーグルやオプションNo.1のBB弾では、時々給弾不良が出てしまう状況でした。
これは、ノズルが、チャンバーの内壁に干渉して、動きが悪くなってしまっている状態の表れです。

アウターバレルの位置からの調整となっている為、クリアしきれない部分でした。
クライアント様、力及ばずで申し訳ありません。

ですが、問題の無いBB弾の使用であれば、弾道の素直さと飛距離はクリアされていますので、ご安心ください。
ノズルとチャンバーの当たりが出れば、他のブランドのBB弾でも問題は出なくなると思われます。

打撃緩和や負荷低減で耐久性をアップし、パワーや精度を向上させたチューニングとなっておりますので、宜しくお願い致します。

しかし、本当に同じ処理で終わらせられない機種ですが、最終的に性能が保障できるという手間の掛かる銃ですね。
逆に、趣味性の高いアイテムとして、好感が持てるおもちゃだと思います(笑)

「One of the thousand 」とは、この銃の事でしょうか・・・


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  未定

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
  定休日 日曜日 年末年始  他 臨時休業あり

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Posted by コンバットドール  at 23:46 │Comments(0)XabierMAGPULL PTS PDR-C

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