2014年08月19日

PDR-C 不具合チューニング

COMBAT DOLL の店主です。

今回のPDR-Cに関しては、カスタムというか修理チューニングの要素が大きいです。

PDR-C 不具合チューニング

クライアント様からの依頼では・・・
 新品購入直後の個体で、初速が50m/s以下でしかなく、マガジンも装着すると抜けなくなってしまう・・・
 まだ、100発も撃っていない状態との事で、予算も抑え目でのチューニングの希望でした。

正規輸入品で、そんなハズレがあるのだろうか・・・

国内での再調整をしていたはず・・・ 最近はやらなくなったのだろうか・・・ 等と不思議に思いながらお預かり致しました。

結論からいくと、ハズレ個体だったのもありますが、購入先でトドメを刺され・・・(涙) と推測します。

最大の要因は・・・

PDR-C 不具合チューニング

この画像の通り、アウターバレルとチャンバーを固定するピンが無くなっていました。最初から付いていない可能性もありますが、組み立てられていれば抜け落ちる構造ではありませんし、分解調整された形跡があります。

新品ではなかった状況ですね。 それとも、輸入時点での調整のままの出荷だったのでしょうか・・・? 不明です。

PDR-C 不具合チューニング

スプリングも交換されています。 今までの正規輸入品では、このスプリングは有り得ません。
強めの物をカットしていますが、後処理が悪く、スプリングガイドを削っています。100発程度の試射で幸いでした。

PDR-C 不具合チューニング

アウターバレルの取り付けも。珍しく左右の偏りが大きく、ダミーのコックレバー部分とアウターバレルが干渉しています。

マグキャッチの部分は後ほど説明しますが、ストロークが足りずに、ラッチが開ききらない状態でした。

PDR-C 不具合チューニング

メカボックスを開けてみると、シリンダーのグリスは、塗り替えられているようです。

スペックが低く、調整を試みた個体ではないでしょうか・・・

とは言え、欠損はピンのみで、スプリングが使えない程度でしたので、補正加工とチューニングのスタートです。

PDR-C 不具合チューニング

各パーツを外し、チェックしながらやっていきます。

軸受けのフランジは割れていませんでした。最近扱った物が立て続けに割れていましたので、ここはラッキーです。

ピストンガイドレール・タペットプレートガイド部分・給弾ルートを研磨し、タペットプレートスプリングの交換用の加工をします。

外部のプレート類は、問題ありませんでした。

PDR-C 不具合チューニング

シリンダーはインナーバレルとの容積バランスで、マルイ製の穴あきタイプに交換。

タペット用スプリングは、付属品は強過ぎて、タペットプレートの寿命を縮めてしまうので、マルイ製に交換。

シリンダーヘッドのダンパーラバーパッドの貼り位置は、若干ズレているものの合格ライン。

PDR-C 不具合チューニング

セクターギアのカム部分は、相変わらず粗いので、タペット延命の為に研磨。

ピストンヘッドは、2つ穴から4つ穴に変更。 穴の大きさは1.5mmです。

PDR-C 不具合チューニング

スイッチはいつものオムロン製に交換。シム調整は遊びを最小にセッティング。

準備したパーツを組み込み、グリスアップして組み上げです。
ギアのグリスは、リチウム系、シリンダーやレール部分等のグリスは、Xabier製イエローグリス。コストと潤滑性優先での選択です。

メカボックス内部は、この状況です。スプリング類は後付けです。


お次はバレル周りですが、アセンブルから調整します。

PDR-C 不具合チューニング

アウターバレルとチャンバー関係ですね。

画像の黄色の枠で囲ってあるものが、交換・加工・追加になります。

平型のOリングは、HOPダイヤルを適度な固さにする為に交換です。

チャンバーパッキンは、耐久性向上で、システマ製の物に交換です。カーラーが必要になるので、この商品の選択です。

ピンは最初の記述通りです・・・ 追加になります。

HOPテンショナーは、マルイ製の押しゴムが使用できるように加工です。

PDR-C 不具合チューニング

インナーバレルは、確かに仕上げも悪い部類でしたので、仕上げ直しが必要でした。

出口テーパーを追加し、入り口の仕上げ直しです。

チャンバーとの隙間を埋めるカーラーは必須ですね。チャンバーとメカボックスの位置合わせを行いますが、100%のマッチングまでは行けません。パッキンの変形を抑える為に、必要なセンター出しのパーツになります。
ですが、このパーツは、位置補正ができていない個体に取り付けた場合は、ノズルの閉鎖不良を起こす場合がありますので、ご注意ください。

PDR-C 不具合チューニング

HOPテンショナーの加工です。厚みは現物合わせで行っています。

アウターバレルとチャンバーアッセンブルを組み上げます。勿論、ピンが無いと抜けてきてしまいます。


そしてメインディッシュの位置補正ですね。ここが一番のチューニングポイントになります。

PDR-C 不具合チューニング

メカボックスとの上下ズレとフレームに対しての左右ブレを補正する為に、取り付けブロックの補正加工をします。

とにかく、現物合わせの加工です。本当に成型品かと思うくらい、毎回微調整のレベルが違いますね。だから飽きないのですが・・・(涙)

正面から見て、センターに来ているかの確認をします。
アウターバレルのみを固定しての画像ですが、撮影用です。実際はアセンブルにて、調整しています。

PDR-C 不具合チューニング

アウターバレルの高さの目安としては、トリガーのクリックボールを調整するネジ受け部分との高さで確認します。着くか着かないかくらいがベストです。

固定プレートには、0.5mmのワッシャーを挟みます。これは、ネジの締め具合でプレートが変形させられてしまうのを避けています。
最近、少し大きめ(外径)を使うようになったのは、配線の空間を確保をする為です。若干左右に開きますが、問題はありません。

PDR-C 不具合チューニング

メカボックスの取り付けでの位置調整は、この個体は前方に0.3mmのシムを接着しています。後方は不要でした。

本体に組み付けて、マガジンキャッチとトリガー部分の作動チェックです。

この段階で、SBDとスプリングを組み付けます。バッテリーをつなげての動作チェックですので、トリガーのレスポンスを確認する為には作動状況にしなければできません。

PDR-C 不具合チューニング

マガジンキャッチは掛かりが深く、リリースボタンを目一杯押しても下がりきりません。
補助のカーラーを取り付け、作動のスムースさを向上させます。
それと、連結のバーの取り付けネジを緩めて、位置調整を行います。あまりストロークを取り過ぎると、マガジンが落ちてしまう危険がありますので、ほどほどで軽く外せる位置に変更してあります。

トリガーに関しても、同様に調整できますが、結構シビアですのでご注意ください。長く取り過ぎると「セミオートオンリー」になってしまいます。
短くしすぎると、マイクロスイッチのリターンが効かず、1回動くとスイッチが戻らない状態になります。

PDR-C 不具合チューニング

前回もそうだったのですが、マイクロスイッチとメカボックス内の空間に若干の差が有り、スイッチのON/OFFが不完全になる症状が出ていました。アルミのシムシートを挟み込んで、作動を確実にしておきます。

これで、完了です。

HOPダイヤルには、適正位置付近にマーキングしてありますが、若干弱めだと思います。当方の好みになっておりますので、調整の際の目安にして頂ければと思います。

マルイ製 バイオBB弾 0.2g にて、初速90~95m/s(測定器や使用するBB弾のブランドでの変動)となっております。

グリップアダプター付きの最近の生産品でありましたが、評価としては微妙になってしまいますね。

最初の状況から比較してしまうのも酷ですが、見違える状態になっています。
カスタマイズと言ったレベルではありませんので、チューニングとさせて頂きました。

初速が45m/s(約0.2J)なら、地域によっては10才以上用のデチューニング製品になっている状態ですので、
もしかしたら・・・ そうだったのかも・・・ です。

ともあれ、正常(18才以上用)になりましたので、お手元に届きましたら、ご確認願います。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  未定

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
  定休日 日曜日 年末年始  他 臨時休業あり

  TEL 053-450-3308 FAX 同番
  メール info@combatdoll.jp
  ミリブロのメッセージからでも大丈夫です 
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Posted by コンバットドール  at 23:46 │Comments(0)MAGPULL PTS PDR-C電動修理メンテナンス故障の原因を見極める

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