2014年11月04日

PDR-C リチューン 耐久性向上

COMBAT DOLL の店主です。

今回は、PDR-Cの耐久性向上でのリチューニングです。

クライアント様より、すでに個人カスタムを試みて壁にぶち当たってしまった個体を譲り受けた物をリチューンして欲しいと言う要望でした。

セッテイングは、0.2gBB弾にて、90m/s前後のスペックで、各部耐久性を考慮した長持ち仕様にしたいとの事。

こちらも、相当の期間のお預かりになってしまった固体です。

クライアント様には、長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした。


正直なお話ですが、この90m/s位に抑えてのチューニングが、一番バランスを要求されるので、手間が掛かります。

気密がバッチリ取れてしまうと、否が応にも初速が上がってしまいます。

初速を抑える選択肢としては、三択になり、

 ① スプリングレートの最低限での最適化 (マルイ製のSTD用のスプリングでちょうど良い位)

 ② エアロスを発生させ余剰パワーを逃す (耐久性向上の理由から負荷低減の為 敬遠)

 ③ シリンダー容積の最小化 (BB弾によってのムラが大きくなるので却下)
  ※PDR-C カスタムレポート 低初速 後編 と PDR-C 再調整 をご参照ください

と言う状況になりますので、迷わず①を選択してのセッティングを行います。
②で調整する方が楽なのですが、個人的なこだわりもあり、どうしようもなければ②になってしまうと言う状況にしてしまうといった感じです。

それでは、チューニングになります。

PDR-C リチューン 耐久性向上

各部パーツも交換され、メカボックス内部も研磨の必要な部分をキレイに仕上げてあるという状況でした。

最初にお断りしておきますが、チューニングされていた方は、基本に忠実で、丁寧な作業をされておりましたので、PDRで無ければ十分にスペックアップされていたと思います。
本体の位置矯正が最も重要になるこの機種は、やはり数をこなさないと見えてこない部分がありますので、仕方が無いと思います。

強いて言えば、0.2gの使用を前提の今回のクライアント様には、Laylax製デルタストライクバレルは不向きだった事くらいですね。

本筋に戻りますが、給弾ルートとピストンレールの研磨はキレイに処理されていましたので、タペットプレートの溝を追加研磨しました。

タペットプレートのスプリングも交換されていましたが、空間の広げが無かったので、追加加工しています。

スイッチ部分には、アルミシムを貼り付けて、スイッチブロックのガタが失くなるようにします。
FETの信号線に変わるので、コードの弾力での押さえが足りなくなり、ガタが発生してスイッチの動作に不具合が出る為の対処です。

ギアはPDRの純正ギアのままですが、問題ありません。

モーターは。マルイ1000Sモーターに換装されており、ガタ防止にアルミテープが巻かれていました。

PDR-C リチューン 耐久性向上

ピストンも歯の部分がフルメタル化されたピストンに交換されており、ヘッドも合わせて交換されています。
特に問題はありませんが、ヘッドにはダンパー兼二次加速ロッドを追加装備しています。
耐久性アップと清音化、及び、スプリングレートの調整をし易くするのが目的です。

PDR-C リチューン 耐久性向上

シリンダーヘッドのノズルの内径が小さめなので、ロッド先端は現物に合わせて加工調整します。ヘッドの当たり面のラバーもそれに合わせて加工します。

シリンダーはLaylax製のステンシリンダーDタイプが使用されていましたが、内バリが少し残っていましたので、追加仕上げしています。

PDR-C リチューン 耐久性向上

タペットプレートの磨耗の低減として、カム部分の研磨を行います。
シムも再調整を行い、マルイのピニオンギアに合わせたセッテイングにします。

スイッチは、オムロン製に交換です。ここは信頼性としてのパーツ選択での交換になりますね。
パーツは同送して頂いております。

PDR-C リチューン 耐久性向上

各パーツの調整が済み、グリスアップを行って組み上げます。
グリスは、シリンダー内部、レール部分、ギア、全てXabier製イエローグリスを使用しています。

次にFETの組み付けです。

PDR-C リチューン 耐久性向上

IR3713を使用し、15Aの板ヒューズを取り付けた状況の回路になります。

ヒューズを取り付ける関係から、チャンバー下部に納めてしまうのですが、ヒューズが切れてしまった場合は、ある程度の本体の分解が必要になります。

PDR-C リチューン 耐久性向上

組み上がったメカボックスアッセンブルです。

本体との位置調整用として、0.2mmのシムを貼り付けて、メカボックス前方を持ち上げています。これは最終状況です。
ここは、PDRの個体ごとに変わってしまいますので、必ずこの厚みという訳ではありません。

そして、チャンバーとバレルです。

PDR-C リチューン 耐久性向上

0.2gBB弾での運用ですので、長掛けHOPによるレンジアップは不向きです。
マルイ製品と同様に、ゴムチューブでのHOPテンションを掛ける仕様にします。
チャンバーパッキンはシステマ製を使用しています。仕入れ先の問屋さんが在庫確保をしてくださっています。
チューブ対応のテンショナーは、既設されていた製品を使用しています。

インナーバレルは、マルイ製品を283mmにカット加工して使用しています。
サイズが半端なのは、カットの際にマーキングを勘違いしてしまった結果ですが、性能に差はありませんので、そのまま組ませて頂きました。

PDR-C リチューン 耐久性向上

マガジンキャッチの補助カーラーを装着し、ボタン部分の作動のスムースさを確保します。
フタのパーツの塗装の厚みで、押さえられてしまう状況もありますので、カーラーの高さも重要な要素になります。

アウターバレルの固定ブロックの位置調整加工を行っています。
実際問題、ここの調整が一番の重要なポイントになります。

この個体は、ここでかなり手こずってしまいました。
最初のオーナーさんが壁にぶち当たってしまったのも肯けます。
高さと左右の振りの調整が必要でした。

ここが上手く行かないと、タペットプレート用スプリングの低減による、パワーロス(閉鎖不良)や給弾不良(BB弾の押し上げテンション負け)がクリアできません。

削り過ぎては取り返しが効かないので、繰り返しの組み込み確認を行いながら、少しずつ調整加工をしていきます。
運が良いと、加工調整の必要の無い個体もあるようですが、当店ではまだお目にかかっておりません。
BB弾のブランドやロットでも差が出てしまうので、本当に微妙な部分です。

タペットプレートの交換部品が手に入り易ければ、壊れたら交換という状況で、初期のスプリングの方が作動は確実なのですが、そうでは無いのが厳しい現実です。

PDR-C リチューン 耐久性向上

位置矯正が完了し、スプリングレートを調整して、ようやく完成となります。
スプリングガイドは社外品の物が使用されています。固定ネジの部分に安心感があるパーツですね。

今回は、ピストンにウエイトを追加せず、ダンパー効果による圧縮比の低減を、スプリングのレートをカーラーで調整する形を取って、0.2gBB弾で90m/s前後で安定させるセッテイングと致しました。

スプリングの負荷の低減で、動作音も静かになり、サイレンサー装着時だとかなり静かな銃に仕上げてあります。

クライアント様からは、「雲泥の差」と言うお言葉も頂き、ホッと胸を撫で下ろすことができたチューニングでした。

大変長らくお待たせしてしまったにもかかわらず、お褒めのお言葉を頂けたのは、非常にありがたい事でした。
今回のチューニングオーダーありがとうございました。


追伸 PDRをお預け頂いているクライアントの皆様へ

 まだまだ、PDRをたくさんお預かりしている状況ですが、お待ち頂いているクライアント様には、ご容赦頂ければと思います。
 順次、取り掛かっておりますので、時間のご猶予をお願い致します。

    その他の機種をお預かりしているクライアントの皆様へ

 一筋縄では行かないアイテムが多く、時間が掛かってしまっており、長期間お預かりになってしまっている状況となってしまっております。
 もうしばらくご容赦頂ければと思います。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  未定

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
  定休日 日曜日 年末年始  他 臨時休業あり

  TEL 053-450-3308 FAX 同番
  メール info@combatdoll.jp
  ミリブロのメッセージからでも大丈夫です 
  返信はHPのメールサーバーよりさせて頂きます

  PDR-C リチューン 耐久性向上




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Posted by コンバットドール  at 20:00 │Comments(0)電動カスタム 海外MAGPULL PTS PDR-C

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