2015年04月02日

VSR-10 Gスペック フルチューニング

COMBAT DOLL の店主です。

前回の予告通り、VSR-10のフルチューニングです。



この銃の状況は、市販のカスタムパーツは一切使用していません。
パーツの調整加工や取り付け補正がメインとなっています。

クライアント様のご希望は、
「性能の良い、スナイパーライフルが欲しい!」からの相談の結果、この銃に落ち着いたと言った状況です。

マルゼンAPSのカスタム品をお手持ちとの事だったのですが、コスト面から、VSRの新品購入でのチューニングの方が、安価で確実な性能が出せるので、こちらをお勧めさせて頂きました。

相談も含めまして、3ヶ月を軽く超えてしまうお預かり期間を頂いての調整となってしまい、お待たせしてしまったクライアント様には、大変申し訳ありませんでした。
解説記事も遅くなりました事を合わせて、お詫び申し上げます。

当店では、VSR-10に限っては、カスタムパーツの必要性を感じませんが、パーツその物を加工できる状況にあるからです。
加工ツールが無ければ、市販品を厳選しての組み込みになると思います。

それと、初期の製品に比べると、各所、補正が必要な部分が増えている印象を受けます。
マルイさんには、クオリティーの維持をお願いしたいですね。

以下、詳細解説になります。



今回のスコープは、すでに廃盤品となっている大手メーカー製の低倍率スコープなのですが、かなり良い物です。
スコープの性能を活かすべく、細心の注意をはらってのチューニングをしています。

スコープレベル(水平儀)は必須とさせて頂きました。
傾きが精度に大きく影響致しますので、クライアント様のこだわりに合わせて、取り付けをお勧め致しました。

取り付けは、位置決めしてから、スコープ単体の状況でのレティクルとの調整取り付けです。
スコープの乗せ換えがあるようでしたら、レベルは取り外さずに移植をお勧め致します。



前回の記事の通り、スコープマウントベースに問題がありますので、スコープの取り付け状況に合わせて、2ピースへのカット取り付けとさせて頂いています。
旧式のレミントンは、2ピースのマウントベースでしたので、僕のようなロートルは、こちらの方が格好良く見えるのもあるのですが、社外品のマウントベースは、価格なりではありますが、まあまあのコストになりますので、加工対応です。

現行品をお手持ちで交換される方は、スコープのサイズによっては、取り付け位置(アイレリーフにより)が見難い状況になってしまう場合もありますので、ご注意ください。



レシーバーのエンドもズレ取り付けられていますが、これは、初期から普通なのですが、最近のロットは金型のズレも有り、センターを出すには、シムを偏らせて挟む必要があります。
ここのズレは、シリンダーの前後動が、変形したマウントベースと同様に斜めに動かすことになるので、操作や気密性において重要な部分です。
トリガーブロックの取り付けにも影響し、シアの掛かりが斜めになる状況も発生しますので、耐久性や安定性にも影響を及ぼす部分です。
しっかりと、位置補正を行います。



段差がでてしまっている外周を考慮して、補正したい方向に合わせて、シムを挟み込みます。
アルミテープで位置決め貼付けをしています。

レシーバーの内部も以前に比べると、成型バリが大きくなっていますが、ここは干渉していませんでしたので、そのままにしています。
個体によっては、削り落としが必要になる場合もありますので、参考にされる方は、ご確認ください。

アウターバレルとレシーバーのガタ補正と位置調整を行います。



手順に合わせて、解説致します。

まず、シリンダーの位置決め用のカーラーを外して、アウターバレルのネジ部がどこまで入るのか確認します。
本来の組み込み位置よりも、1回転多く入るようにしますので、締め込みがちょうどの位置で止まるよう調整します。
これによって、ノズルの延長と同じ効果が得られますので、固定強化と気密アップの一石二鳥の成果があります。



カーラーには、厚み調整とクッションダンパー(緩み止め)の効果がありますが、両面の4ヶ所の出っ張りがありますので、片面だけカットして厚みを減らします。両面カットでも良いですが、片面カットの厚みだと、圧縮固定されたカーラーの内側が狭くなってくれて、シリンダーの固定がタイトになってくれます。
精度アップの面からも、振動を抑える為には有効ですので、この厚みがベストです。

このカーラーの挿入状態での、アウターバレルの締め込み位置を確認して、アウターバレルの端面カットの量を、現物合わせにて調整加工します。



正直、カットの量は個体差がありますので、現物合わせが基本です。
ネジのピッチと不足分の締め込み量から、見当を付けて加工します。
参考にされる方は、削り過ぎない事と、平行に削り落とす事に十分注意して行ってください。
ガタを出さずに、カーラーの適正圧縮をさせられるかが、命中精度と静音性のカギになります。

アウターバレルの空洞部にはウレタンマットを挿入しています。
市販のブレ止めは使用していません。衝撃低減のチューニングが前提ですので、ブレ止めは無くても大丈夫です。
正直に言えば、全体のキャスト成型のパーツ誤差が信用できず、バレル先端と、チャンバー部分のセンターが決まっている確立が少ないとの判断を下しているので、インナーのブレ止めパーツが、アウターバレル内での曲がりの原因になるのを嫌っての処置にしています。
チャンバーの根元と先端の2点保持で十分です。

お次は、シリンダーです。
純正は、真鍮製でメッキ仕上げですので、純正レートのスプリングの使用なら交換の必要はありません。



シリンダーヘッドの加工です。
カスタムパーツは、シリンダーとの機密保持Oリングの位置が合わないので、純正シリンダーには不向きです。
ピストンヘッドの当たり面を、ピストンヘッドの穴あけに合わせたテーパー加工と、ダンパーロッドの有効長(閉鎖タイミングと距離)を考慮しての加工をします。
純正のロッドの閉鎖タイミングと距離では、ピストンが圧縮負けを起こしていますので、ピストンの加工と合わせての調整が必要です。

ノズルは、消音と振動低減の効果のバランスが良くなるように、3.3mm内径に絞り込んでいます。
ツール用の穴もあけ足し、面取り部分を丸みのあるR加工にし直してあります。



ピストンは、いつからか解りませんが、ダンパーブッシュが剥がれ落ちないように、ストッパーが追加されていますが、接着はされていません。
穴あけの加工には、都合が良くなっていました。

2mmの4つ穴にしてあります。シリンダーヘッドのテーパーと位置合わせする必要があります。



画像の通り、シリンダーの内バリで、ピストンが削られてしまっていますので、シリンダーの内バリ処理と研磨をします。
これは、セットピンの磨耗も防ぎますので、必須チューニングです。

スプリングガイドには、ノズルの絞りによる減速との相殺分として、カーラーで増圧しています。
この状況で、圧縮具合(初速や音)を確認して、ピストンの重量調整を行います。



その際に、シリンダーのストップ位置が後方にズレた分の影響を確認しておきます。
個体差もあるので、調整の必要が無い場合もありますが、この個体は調整有りでした。

ボルトセーフティーのパーツがシリンダーのエンドに干渉してしまったので、若干の削りが必要でした。
ここも、余分に削らないように注意が必要です。
シリンダーの後方押さえにもなってくれますので、ピッタリにしておくと、コッキング後のシリンダーの前後ズレを無くせますので、BB弾のホールド位置を、常に一定に保てます。HOPの掛かりムラや、初速の安定に大きく貢献してくれます。



ピストンの重量調整ですが、経験上50g位が無難です。リアルショックのウエイト(78g)を取り付ける方法もあるのですが、あのショックで、射手の力量が多大に要求されてしまいます。
撃ち応えのある次世代タイプがお好みの方以外にはお勧めしていません。

ピストンにハンダを巻きつけて、それを電気配線用の絶縁テープでバンテージのように上巻きし、仕上げに熱収縮チューブで押さえ込んでますので、長期使用でも緩みや外れたりすることはありません。

ピストンの自重がある程度ないと、振動が大きくなり、スプリングのビビリ音や、本体の共振も大きくなりますので、アンブッシュスナイパーの方なら、この位のセッティングがお勧めです。



ちなみに、トリガーブロックはトリガーストロークの純正での調整以外、触っていません。
スプリングレートも僅かなアップですし、コッキングをしたまま忘れて保管しなければ、純正品の耐久性で十分です。

そして、バレル関連です。
純正バレルのチューニングです。長掛けHOPのレンジアップですので、タイトな物は必要ありません。



レンジアップへのパッキンの加工と、インナーバレルの仕上げ直しと出口テーパー加工です。
ブレ止めは、アルミテープを巻いてあります。



アウターバレルの出口部分は、インナーバレルのテーパーに合わせて、リーマーで拡張しています。
この個体の、仕上げた状況を、画像に収め忘れていましたので、他の個体の画像で説明させて頂いてます。
クライアント様には、現物をご確認頂ければと思います。



今回のレンジアップシートは、固めの物を使用しています。
基本的に固定HOPの方が良いと言う希望もあり、0.25g限定での調整をメインでしたので、この仕様です。



HOPレバーの可動制限も行ってあり、ゲージによる目安を覚えて頂ければ微調整で対応して頂けます。
クリックが利く間隔の間でも僅かに移動しますが、その遊びの前後位置の関係でもHOPの掛かりがかわります。
本当に微調整と言った状況ですので、ご確認ください。

ただ、BB弾の種類(バイオ・セミバイオ・プラ弾等)で、表面の仕上げも異なりますし、ブランドによっての基準寸法の違いもあって、使用するBB弾によって、HOPの掛かり具合が変わってしまいます。
一例ですが、マルイバイオ弾に処理されているコーティングは柔らかく、滑りも良いのでHOPの掛かりが少なくなります。
普通のセミバイオであるベアリングBBは、表面の違いから、HOPの掛かりが強くなります。
G&Gのバイオ弾も確認しましたが、マルイのセミバイオと同等と言った感じでした。
フィールドのレギュレーション等で、指定のBB弾がある場合は、それに合わせた微調整を行って頂くことになりますので、宜しくお願い致します。



ストックには、共振防止の消音措置をしています。
本体の調整を、精度重視もあり、極力静かになるように行っていますので、相乗効果で有効性が高くなっています。



それに合わせて、サイレンサーにも手を加えてあります。
純正のコーンバッファーによる積層だと、吸音材の変形で、内部にはみ出して来易いので、それを嫌っているのと、消音効果を高める為に出口の径を絞り込んでいます。
純正は11mmですが、9.5mmに狭くしてあります。インナーバレルから20cm以上距離が離れていますので、これくらいが扱い易いサイズです。消音効果も純正比較して頂ければ、かなり小さくなっているのが解ります。ご友人で、お手持ちの方がいらっしゃいましたらお試しください。



取り付け精度を上げれば8mmまで可能ですが、ゲームでの不安定な状況では、BB弾の通過がシビアになってしまうだけですので、今回のサイズが一番良いと思います。
サイレンサーを短い物にする場合は、マルイ製のアタッチメントで、ミニサイレンサー辺りがお勧めです。十分な消音効果がありますので、無難な選択です。
アウターバレルが29mm位ですので、30mm外径の短めのサイレンサーでも良いですね。
KMさんで外径30mm長さ65mmの製品がありますし、出口の絞りもバレルホールドパーツを流用して詰められます。



最後に、ご要望のあった、スコープシールドレンズを追加装着します。
最初に触れていますが、良いスコープなので、大事にしたいとの事で、レンズシールドの取り付けとなっています。
アクリル板の分だけ、解像度が落ちますが、十分だと思います。
ラバー仕上げの照り返し防止版は、可視範囲が狭くなりますので、視点がズレるとすぐに影になってしまいます。
ご不要なようなら、外して頂ければと思います。バトラーキャップで、挟み込んであるだけですので、簡単に外せます。

今回のチューニングで、あえてカスタムパーツが必要な部分があるとしたら、マウントベースとシアー2点の3アイテムぐらいです。
マウントベースとシアー2点のパーツ購入だと、諭吉さんの登場をお願いする事になりますね(笑)
今回のチューニングの30%程度のコストになってしまいますので、たった3つの部品だと考えると、必要性は低くなります。

随分とお預かりしてしまい、ご迷惑をお掛け致しましたが、上記のような内容となっておりましたので、ご確認ください。
ご質問等、ありましたらご連絡頂ければと思います。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  次回未定

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
  定休日 日曜日 年末年始  他 臨時休業あり

  TEL 053-450-3308 FAX 同番
  メール info@combatdoll.jp
  ミリブロのメッセージからでも大丈夫です 
  返信はHPのメールサーバーよりさせて頂きます

  






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Posted by コンバットドール  at 20:00 │Comments(2)VSR-10

この記事へのコメント
この度は自分のわがままなこだわりを形にしていただきありがとうございます。
想像以上の仕上がりにビックリしました♪解説文を見ると良くわかりますがここまで変わるとは…これぞチューニングですね‼︎
撃つのが楽しくなる銃で長く付き合えます♪ (^.^)

またサイレンサー等の相談させていただきたいのでその際はよろしくお願いします。
ありがとうございました♪
Posted by H.O at 2015年04月03日 21:12
H.Oさん
 コメントありがとうございます。

 というか、わざわざ感想の書き込みありがとうございます。
 「予想以上」という、お褒めのお言葉をありがとうございました。

 本当は、お手持ちのAPSでそこまでできると良かったのですが、ご相談の時点でコスト的な部分と、パーツの供給問題での白旗を揚げさせて頂いた分、キッチリ仕上げさせて頂きました。

 ミリタリーアーモの外観ならなお良かったのですが、性能を出すなら、VSRが一番ですね!ゲーム用と割り切って頂ければ幸いです。

 サイレンサーは、いつでもご相談くださいね。
 ショートへの変更でも、静かさは保障できます!

 また、宜しくお願い致します!
Posted by コンバットドールコンバットドール at 2015年04月06日 21:12
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