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Posted by ミリタリーブログ  at 

2013年04月18日

故障の原因を見極める ケース1

 COMBAT DOLL の店主です。

 今回は、ギア破損の修理品から、原因の解説記事になります。

 電動ガンでは普通の故障ですが、実際の所、原因は様々です。時々こんな記事がアップされてくると思いますので、ご自分で修理される方の参考になればと思います。

 今回の修理品は、マルイ製 M4 です。

 ギアノイズが出たかと思ったら、クラッシュしていたとの事で、修理お預かりです。
 その場でクライアント様にも見て確認頂いています。

 破損はスパーギアの外周のみ。



 画像の通り、3枚分が削られて欠けています。

 このパターンだと、セクターギアの方も変形している場合が多いのですが、この固体は全然変形も見られず、磨耗も少なかったので、交換するギアはスパーギアのみです。

 他のケースはまた改めて紹介しますので、この固体の検証です。

 ギアの先端のみが削り取られているので、単純に噛み合わせが浅くなって、トルクに耐えられなくなった為の破損状況です。

 噛み合わせが足りなくなる理由はここです。



 軸受けが緩くなってしまい、ガタ分の逃げで噛み合わせが浅くなる訳です。
 ガタの発生としては、軸穴が広がってしまう場合と、軸受けが一緒に回転してしまい、軸受けの外径が削られて痩せてガタが出る場合と2通りあります。
 
 指で押さえ付けて確認してみると、カタカタ動きますので、軸受けの外径が痩せてガタが出てしまい、軸間の距離が広がって、ギア破損のパターンですね。

 なぜ、軸受けごと回転してしまうのかと言うのは、下の画像をご覧下さい。



 左側がガタの大きい軸受けですが、接触面に丸い傷が入っています。これは、シムによって付けられた傷です。意外と気付かない方も多いのですが、シムには裏表があります(画像参照)。
 裏表での仕上げの違いと、プレスで抜かれる際にできるバリのようなカット面です。画像のシムは解り易く0.5㎜の厚めの物ですが、ちゃんと見ると違いが解ります。表面が半光沢でバリがある方を裏(画像左)とした場合、そちら面を軸受け側に組み付けると画像のように、軸受けに傷が付きます。
 ようは、軸受けに食い付く形でセットされると、タイトなシム調整をした場合には、軸受けをシムで押さえるのがきつくなり、摩擦抵抗の少ない部分が回転し易くなります。
 軸受けとメカボックスのはまっている穴を確認してもらうと、わずかな厚みにはまりこんでいるのがわかります。しかも、仕上げ処理はされていません。

 モーターの回転方向を変換するベベルギアの部分は斜めに押さえ付けられ、軸受けのガタを発生させ易い場所です。スパーギアもギアの配置から、決まった方向に逃がされます。セクターギアも同様です。
 シムの裏表の違いだけでも耐久性に差がでる訳です。

 かと言って、シムの裏表の違いだけで、軸受けごとの回転が無くなる訳ではありません。あくまでも、「回転させる原因を減らす」と言うことです。マルイさんの製品が、すべて考慮されて組んである訳ではないのです。違いとしてはわずかなのかも知れませんが・・・。

 軸は回転させられる時には、側面から力が掛かって押さえ付けられ、ギアと一緒にシムも回転させられます。軸穴も軸と面接触しているので、軸受けごと回そうとしてしまう訳です。
 余談ですが、この現象の為にベアリングの軸受けがカスタムパーツとして存在している訳ですね。

 この銃の使用環境としては、ミニセルNi-cd 9.6V 600mA セパレートタイプです。
 9.6Vのバッテリーの為、立ち上がりが良く、起動時のトルクが大きくなる使用状況です。
 修理には、オイルレスメタルと6㎜ベアリング軸受けのコンビネーションで行いますが、トリガーを引いている時間が長い方は、オイルレスメタルのみか、大径のベアリング軸受けへの加工取り付けをお勧めします。

 いろいろ修理をやっていると、様々なケースがありますが、故障の原因をハッキリさせないと、また同じ様に壊れてしまいますので、ご自身で修理やパーツ交換をされる方は、原因を見極めてから作業されれば間違いありません。原因を確認して対処すれば故障は減りますので・・・。

 原因が解らないような場合もありますが、いろいろ考えてみるのも楽しいものですよ。

 
 COMBAT DOLL 店主 中根

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00 
  定休日 日曜日 年末年始 他 臨時休業あり  
  TEL 053-450-3308 FAX 同番
  メール info@combatdoll.jp
  ミリブロのメッセージからでも大丈夫です

   


Posted by コンバットドール  at 21:42Comments(0)故障の原因を見極める