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Posted by ミリタリーブログ  at 

2014年07月06日

マルイ VSR-10 プロスナイパー レンジアップ「山」

COMBAT DOLL の店主です。

本日はカスタム記事です。

マルイのVSR-10のカスタマイズです。

クライアント様よりの要望は、レンジアップ仕様にて静音仕様を希望との事でした。
使用BB弾は0.25gに限定です。

使用されるパーツとしては、
 Laylax製 ZEROトリガー(ハイプレッシャーピストン付き)
        ステンシリンダー
        エアロシリンダーヘッド
        ベアリング付シリンダーヘッド
        バレル用ブレ止め(前方のみ)
 マルイ製 チャンバー・真鍮製バレルセット
        不等ピッチスプリング(ブランド不明)
で、既設か持ち込みの状況です。

当店では、レンジアップチャンバー加工と、本体補正及び、静音処理がメインになります。

豪華なパーツが使用されているパターンです。

外装が特徴的になっておりますので、全貌画像は無しにさせて頂いています。
各部ポイントの画像のみになりますが、ご了承ください。



VSRのチューニングにおいて、もっとも重要なのが、アウターバレルとレシーバーのセンター出しと固定です。

アウターバレルを正位置で固定しようとする場合は、シムを使用してガタ補正します。
気密取りをしっかりし、精度を上げるのが最優先事項の場合は、ネジピッチ1回転分奥まで入るように、アウターバレル側を加工します。
今回のカスタムは、後者の加工取り付けで行っています。

レシバーエンドの部分も、センターがズレて取り付けられている物が多く、使用している内にガタが出てしまう部分ですので、アルミテープやシムシートを追加して、センターが出るようにします。

先にインナーバレルを加工しておきます。



持ち込まれた状況は、ウレタンタイプのパッキンの劣化で、弾詰まりを起こしている状況でした。
とろけてしまったパッキンが、バレル部分に残っていましたので、クリーニングも含めて、加工仕上げします。

バレル出口のテーパー加工と、入り口の仕上げ直しです。これだけでも集弾性が向上されます。
インナーバレルの内径は、6.08mmになり、長さ430mmですので、精度と飛距離を両立するのには、ほぼベストなサイズでしょう。

0.28gBB弾を使用して長掛けHOPの場合は360mmくらいの長さがベストになります。
今回は、0.25gのBB弾が前提ですので、ノーマルサイズがベストマッチとなります。



今回の持ち込まれた、本体にはこのパーツが組まれておりましたが、個体差の有る製品のようで、装着するとHOP部分の変形がきつく、不適当な状況でしたので、使用していません。
個人的には、使う必要を感じた事がないので、持ち込み以外では取り付けた事がありません。
レシーバーの取り付け調整だけで、十分気密ロスは改善されます。現状の規制範囲内のパワーなら問題ありません。
但し、流速チューンのような仕様の場合は必要になるかも知れませんね。



ですが、長掛けタイプのHOPの場合は干渉してしまいます。仕様に合わせて選択すると、今回のチューニングでは使用できないパーツになってしまいました。

HOPテンションの有効ポジションを確認して、HOP関係のセッテイングと加工をします。



いつも、画像が小さめでしたので、見やすい大きさで掲載してみました。
パッキンの純正HOP部分の出っ張りを、専用カッターで切り落とし、HOP用のシートを切り出して取り付けます。
0.25gBB弾が前提の使用ですので、厚み等を考慮して製作してあります。



HOPのテンションバーも同様に、レンジアップの為の長掛けHOP用に加工します。
先に確認した、前後関係に合わせて、プレッシャーが掛けられるポイントを合わせます。

組上げて、ガッチリ固定されたレシーバーアッセンブルに組み込みます。
画像はありません(撮影を忘れてしまいました)が、バレルブレ止めはLaylax製のフロント用のみで、チャンバー付近は、純正のカップを使用しています。
テーパーの付いたバレルの場合、中間のブレ止めはバレルをたわませてしまう心配があります。過度のブレ止めの使用はあまりお勧め致しません。

次はシリンダーです。



ハイプレッシャーピストンの内径は、マルイ純正サイズのスプリングの外径では遊びが大きく、そのまま使用すると伸縮の際にたわんでしまい、安定した圧縮ができません。
画像のように、ステンレス製のパイプをインサートして、余剰空間を失くします。パイプが抜けてしまわないように、スプリングをカットして用意したCリングで、ピストン内部に固定します。
ピストンの重量調整にもなり、一石二鳥の仕様です。



シリンダーヘッドのノズルは内径を4mmから3.3mmに絞ってあります。スリーブを挿入し、任意のサイズに加工します。使用されていたスプリングのレートと、静音性のバランスを取ったサイズですので、使用されているスプリングによって違いますので、ご注意ください。

また、ピストンヘッドの当たり面も、加工します。ピストンヘッドの穴位置に合わせて広げます。

これは、電動ガンと違い、エアライフルはピストンが前進してノズルにフタをしてしまいます。発射されたBB弾が、膨張したエアでバレル内から押し出される訳ですが、バレル長が長いと加速する分のエアが、先に隙間から逃げてしまい、足りなくなってしまう訳です。それでもBB弾は前方に進んで行きますので、インナーバレル内で気圧が下がり、バレル出口から空気を吸い込もうとしてしまいます。
そこを、リードバルブとして開けられた穴からエアを吸い込ませる為に、シリンダーヘッドの当たり面でピストンヘッドの穴が塞がらないようにすることで、バレル内の減圧を抑えて、発射されるBB弾への影響が少なくなるようして、精度を向上させるのです。

この細工をしておけば、飛躍的にBB弾の安定性が向上します。

PDIさんのバキュームピストンと同じ原理になります。



圧縮比と静音性のバランスを取る為に、スプリングのレート調整として、スリーブカーラーでテンション調整しています。
実際には、ピストン内部にインサートしますが、画像では分かり易いように、スプリングガイド部分で撮影しています。

それと、シリンダーヘッドには、ラバーシートをはめ込んであります。
これは、シリンダーからピストンの打撃がチャンバーに伝わり難くするものありますが、ボルトを閉鎖してもシリンダーが前後に遊ぶ為、ノズル位置を安定させる為のシートになります。
ボルトハンドルを下ろすと、レシーバーにガッチリはまり込んで、ガタが無くなります。BB弾のホールド位置も一定になり、弾道の安定につながります。

もう一つポイントがあります。



今回の本体の個体差だと思うのですが、レシーバー内でのシリンダーの遊びが大きく、ガタを補正する必要がありました。珍しいパターンです。
レシーバーに仕込まれている、ナイロンのリングの内面が磨耗してしまっているようです。

アウターバレル部分にはゴムシートをインサートしておきます。接着してしまうとチャンバーが取り出せなくなり、メンテナンスできなくなってしまいますので、入れ込んでいるだけです。ナイロンのリング部分でとまりますので、抜けて来る心配はありません。

レシーバー後方には、アルミシートの積層貼り付けで、補正をしてあります。

この処置で、安定性、静音性共に改善されました。





ストックにはウレタン材を挿入して、ZEROトリガー用にトリガーガードを加工して終了です。


参考ですが、クライアント様にレシーバーアッセンブルの状態での作動音と、ストックを装着した状態での作動音を聞き比べて頂きました。

ストックが付いている時の方が音が大きくなってしまうのを確認頂いています。

プラスチックのストックは、思っている以上に共振して音が出てしまいます。
これが木製ストックになるとかなり静かになります。木が音を吸収してくれる状態です。

ですが、木製ストックは湿気により伸縮してしまいますので、レシーバー側での剛性アップが重要になります。

内部チューンのみで完結しないのが、ボルトアクションライフルの面白さだと思います。

でも行き着くと、BB弾の選定にもこだわりが出ちゃうんですよね(笑)


クライアント様、飛距離と精度が大幅にアップされましたので、ご堪能ください。

レベルゲージが必要になりましたら、またご相談くださいませ!


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  未定

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
  定休日 日曜日 年末年始  他 臨時休業あり

  TEL 053-450-3308 FAX 同番
  メール info@combatdoll.jp
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  返信はHPのメールサーバーよりさせて頂きます

  

  


Posted by コンバットドール  at 20:00Comments(0)VSR-10DOLLカスタム