2014年07月03日

PDR-C 「林の壱式」 内部編

COMBAT DOLL の店主です。

本日は、昨日の予告通り、PDR-Cのカスタマイズ記事ですが、2回に分けさせて頂きます。

今回は内部編、次回はバレル及び本体調整編になります。

メカボックスだけ見れば、個体差も少なく、安定している機種ですので、BOXのチューニングは難しくありません。

参考までに、今回のチューニングでのスペックは、バレルとチャンバーが正位置に収まれば、95m/s(マルイ・バイオ0.2g)になる仕様です。

クライアント様の要望として、マルイ純正品レベルのパワー(0.2g90m/s前後)で、直進性(集弾性)の安定と飛距離のアップ、及び静音性の向上で、サイレンサーの常用が前提となっています。

では、解説に入ります。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

まず、今回の個体は、ロットナンバーが2ケタという、極初期生産品でした。
クライアント様は、中古入手という事でしたが、状態はかなり良好で、一部破損はあったものの、作動期間が極めて短い状態でした。

バレルの固定ピンも、割りピン(スプリングピン)のタイプで、2000番台までの物は、このタイプのようです。
フレームの歪みも少なく、良い状態だと判断できました。

一部破損していたのは・・・

PDR-C 「林の壱式」 内部編

ピストンのラックギア(金属歯の部分)が折れてしまっています。
ピストンの樹脂部分の状態とラックギアの破断面から推測すると、たまたま強度の足りない部品だったようで、不運としか言い様がありません。

相当早い時期に破損してしまい、初速も出ず、作動音もおかしいので、最初のオーナーさんは手放してしまったのでしょう。
樹脂部分の歯も、若干削れているものの、問題無く、ラックギアの溝部分も折れてしまった所が変形してしまってはいますが、パーツの組み合わせによって、再利用可能状態でした。

本来は、マルイの純正ピストンに交換すれば良いのですが、この時点ではメーカー欠品中であった為、元のパーツを生かしました。
品質的に不安な、安価なピストンは使用したくなく、高額なカスタムピストンを使用するまでもなかったので、強度に問題が無い状況が作れたので、流用としています。

消耗品となる部分ですので、寿命が来たら、マルイ製のピストンに交換で対応できます。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

強度の根拠として、上記画像の状態でのパーツ組みの為です。
Xabier製のコントラスプリングを使用する為、Wフィードのスラストベアリングと、ウエイト調整のブロックは、マルイ純正ピストンのパーツで組み合わせている為、スラストベリングのカラー部分が、ちょうどラックギアの真下に来る位置に調整してあります。
0.1mmの隙間ができる計算ですが、ラックギアの逃げとしては、許容範囲内になっています。また、スラストの回転に影響が出ますが、スプリングガイド側にもスラストベアリングがありますので、問題ありません。

ピストンの適正重量を維持し、ラックギアの強度を増して、安心のセッティングです。

このまま、ピストン関連です。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

ピストンヘッドは、マルイ純正品を使用し、打撃振動を吸収させる弾力のある素材とし、二次加速及びエアダンパー効果を得る為のロッドを取り付けます。今回は回転止めは2mmのピンを使用してあります。圧入ですが、抜けてくる心配はありません。

今回、ピストンヘッドは2mmの4つ穴にしてありますが、気密性を高めて前進スピードを抑え、初速を安定して抑えられるようにしています。
正直、90m/s前後で安定させた性能を発揮させる方が、困難だったりしますので、微妙なバランス取りが重要になります。

ロッドの位置や、ボールヘッドの直径等、毎回、現物合わせで行っておりますので、個体差があっても問題無く取り付けられています。

スプリングガイドは、Xabierコントラスプリングに合わせて、外径の調整加工を行っています。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

シリンダーヘッドも、ロッドのナット部分の受け入れができるように加工してあります。
ズレがないか、ロッドの径に問題がないか確認して、ダメならやり直しで、再度作成です。今回は1発OKでした!

さて、順序が入れ替わってしまいましたが、メカボックスの加工です。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

タペットプレートのスプリングの交換用の加工・給弾ルートの研磨・タペットプレートレール部分の研磨・ピストンのレール部分の研磨をおこなっておりますが、今回は比較用に、加工前(下)と後(上)で画像を撮ってみました。
ご覧の通り、純正のままでは、梨地に近い状態ですので、各部パーツの磨耗の恐れがあります。BB弾も、コーティングを削り取りながら給弾されてしまい、弾道にも影響が出る可能性が高い状態です。
カスタムの最低限として、やっておきたい部分ですね。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

セクターギアのタペットプレート用のカム部分の研磨も、磨耗を抑える為の加工です。
スイッチは安心のオムロン製に交換し、消耗軽減の為のSBDを取り付けます。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

タペットプレートのスプリングは、マルイ純正品と交換して、負担を減らす訳ですが、バレルとメカボックスの位置関係がクリアされていない個体では給弾不良が発生します。
チャンバーが斜めにはまり込む状態になっている製品がほとんどであり、ノズルの前進が阻害され、強いスプリングでないとBB弾をチャンバーの定位置まで押し込めなくなってしまうからです。位置関係の調整ありきの仕様です。そこの部分は明日の記事にて解説になります。
タペットプレートが専用品である為、ここを消耗させるのが一番問題が出てしまうので、大事な部分を最大限に保護します。

モーターはクライアント様の要望で、マルイの1000モーターへ換装です。Xabierのスプリングは低圧縮、高反発に優れたスプリングで、圧縮に関してはマルイ純正のスプリングより若干弱いくらいです。その分負荷が減って、サイクルが上がりますので、1000モーターで十分なサイクルで回ってくれます。
ピニオンギアはPDR純正の物を差し替えて使用しました。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

シリンダーはバレル長に合わせた容積調整として、安価なマルイ純正品を使用しています。穴あきタイプです。

モーターに共振防止のチューブをはめて、各パーツの組み込みをします。

タペットプレートのスプリングもメカボックスへの干渉がないか確認し、潤滑用のグリスを塗布しておきます。
Xabierのスプリングに付属している「ホワイトグリス」を使用しています。このグリスは、なかなかしつこくて、潤滑性が高いです。単品買いでは値段も高いのですが・・・(笑)

PDR-C 「林の壱式」 内部編

ギアは純正ギアを使用しますが、シムは完全に入れ替えです。形状や厚みにバラつきがありますので、安心の国産品でセッティングします。
静音を目指した使用ですので、可能な限りタイトに調整します。
グリスは、スプリング付属の物です。スプリングにも塗布して、ちょうど使い切りぐらいの分量です。

ロッドの位置関係を確認するのに、メカボックスにはめ込み、レール上を滑らせての確認も行います。最終的には、作動させた上で音で確認して完了となりますが、段階的にチェックして、微妙な位置関係をクリアしていきます。

タペットプレートの位置も、セクターギアのシム調整と揃っているか確認します。ギアの位置が悪いと、シムに干渉したり、ギアとの面当たりでタペットプレートの消耗が早くなったり、破損し易い状態になってしまいますので、要チェックです。

吸音材として入れてあるブロックは、正直気休め程度です。入れておくとなんとなく静かになったように聞こえるので入れています。
カットオフレバーの動きに干渉しないように気をつけています。
ハッキリ解る程の違いはありませんが、ゴムブッシュ等で、ガッチリ押さえる寸法の物であれば、効果が期待できるかも知れません。理屈上は効果がある筈ですが、高額の部材になってしまいますので、試した事はありません。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

スイッチも交換し、絶縁を確認したら、メカボックスを組上げます。
各部状況を最終チェックし、問題が無ければ、作動状態まで組上げです。

PDR-C 「林の壱式」 内部編

スプリングを挿入し、動作チェックを行います。
作動音、サイクル、バレルブロックを当て込んでの初速チェックを行い、問題なければSBDを取り付けて、メカボックスのチューニングは終了です。

ちなみに、フレームに組み込まず、メカボックスにバレルブロックをはめ込んで、初速チェックを行った状況で、95m/s(マルイバイオ0.2g)です。
HOP切りですが、若干出ており、HOPパッキンの干渉ありで、Laylax製アッシュバレル285mmでの状況です。

このスペックが発揮できるように、フレームに収めた際の、各部位置調整が重要になってきます。

この個体で使用されるサイレンサーは、なかなか優れ物で、その分調整が微妙だったりしましたので、極初期の製造個体でラッキーでした。
続きは、明日の予定になります。

気になる方は、宜しくお願い致します。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  未定

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Posted by コンバットドール  at 22:55 │Comments(0)XabierMAGPULL PTS PDR-C

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