2015年03月13日

PDR-C 本体チューニング 困難編

COMBAT DOLL の店主です。

今回は、MAGPULL PTS PDR-C のチューニングですが、昨年末の調整品になります。

クライアント様、解説記事をお待たせ致しました。

新品購入品ですが、この頃のロットはあまり良くないようです・・・(涙)

お引渡しの際にも、ご説明させて頂いていますが、以下のような状況でした。

PDR-C 本体チューニング 困難編

シリアルナンバーは、1500番台で比較的若いのですが・・・ 正規品の「ASGK」刻印付。

正直、ロットとシリアルナンバーは、関係ないようですね。

初期のロットと比べると、変更が加えられているように見受けられます。
改善か改悪かは、個体次第になっていると思います。

この時期の製品で良く言われるのが、初速が出ていない物が多い(60m/s前後)という事のようです。
この個体も、初速は50m/s以下しか出ていなかった上に、マガジンキャッチも固く、マルイM4用のマガジンを挿入したら、抜けなくなってしまう状態でした。

いろいろ、矯正が必要な状況を確認しながら、一つ一つ対処して行く作業工程となりました。
(PDR自体が必ずそうなのですが、今回はより慎重に確認しています)

PDR-C 本体チューニング 困難編

まずは、チャンバーの位置関係ですが、チャンバーのお尻が押し上げられている状態で、今までとは逆方向です。
低初速の原因の主になるほどでは無い様なレベルに見えます。

PDR-C 本体チューニング 困難編

アウターバレルのセンターも狂っていますので、ベースブロックの加工で対応してあります。

PDR-C 本体チューニング 困難編

アウターバレルの固定位置が低いかと思ったのですが、トリガーブロックのフタにあたる部分が締まりきっていない(隙間が大きい)状況でしたが、どうも寸法変更がされいるような気がします。
今までのロットは、閉め過ぎるとマガジンキャッチへの連結パーツが締め付けられてきつくなったのですが、この個体はそこまで締まりません。

PDR-C 本体チューニング 困難編

バレルの位置矯正の際に、障害になってしまった為、トリガーブロックの補正加工が必要でした。
締まり位置の調整で、隙間無く閉じるようにします。

高さの調整と、遊びによる作動不良を失くす為に、ガイドカーラーも増設してあります。

PDR-C 本体チューニング 困難編

トリガーの連結パーツは問題が出ませんが、マガジンキャッチ側は締め込まれて動かなくなってしまいますので、そちらのサイズ合わせ加工も必要でした。

マガジンキャッチのストロークも足りないみたい(マルイのマガジンでの取り外し不可状態)なので、確認して微調整をしてあります。
ここだけでは解消しきれず、メカボックス内部での調整も必要でした(後述有り)。

PDR-C 本体チューニング 困難編

補正後のトリガーブロックです。ピッタリ合わさっています。

バレル周りの確認です。

PDR-C 本体チューニング 困難編


今回、一番ビックリしたのがこれです。

PDR-C 本体チューニング 困難編

市販のパイプ材(鉄系)の様に、丸めてパイプにした継ぎ痕が残っています。
中華製の多くのバレルが、引き抜き材では無く、成型加工材だというのは、カット加工を良く施工する事から気がついていましたが、こんなにあからさまなのは、初めて見ました(涙)
国産品なら、不良品で交換対象でしょうね。
(昨年12月以降の施工品で、5丁中の2本がこの状態でした。不良ロットが組み込まれているようです。)

この溝でのエアロスが大きく、他のバレルで仮付け確認した所、約20m/s初速が上がりました(それでも70m/sしか出ていませんが・・・)。

インナーバレルは交換です。Laylax製BCブライトバレルに交換しました。
(無加工取り付け)

PDR-C 本体チューニング 困難編

チャンバーパッキンはシステマ製に交換です。

PDR-C 本体チューニング 困難編

HOPテンショナーは、純正よりの加工品を使用しています。

アウターバレルは、ブレ止めのゴムが千切れていました。

PDR-C 本体チューニング 困難編

仕上げの悪さ(エッジ処理の不足)から、通す際に千切れてしまったようです。
インナーバレルのセンターも狂ってしまいますので、交換ですが、市販で手に入り難いサイズです。

PDR-C 本体チューニング 困難編

HOPダイヤルのOリングも、いつもの通り交換してます。
インナーバレルもセンターが出て、ハイダーとの面一サイズになる285mm長です。

バレル関連は、上記で基本は終了です。
あとは、メカボックスを組上げての全体での矯正になります。

そしてメカボックスの作業に入ります。

PDR-C 本体チューニング 困難編

マガジンキャッチが固い要因の一つがここにありました。
スライドするプレートパーツ(画像取り忘れ)のエッジがきつく、ボディー側面を削っていました。
パーツのエッジを落として、磨き上げて対処です。

キャッチのバーは、軸位置が僅かにズレてしまっているようで、メカボックス内で干渉して開きが足りない状況でした。
純正マガジンなら問題ありませんが、社外品のマガジンの使用を考慮して、対処が必要な状況でした。

PDR-C 本体チューニング 困難編

メカボックスを開けると、スパーギアの接触を嫌って、後加工(補修)のあるロットでした。

PDR-C 本体チューニング 困難編

タペットプレートのスプリングを合わせて作ってもらった新アイテムを用意したので、仮付けして寸法と作動の確認です。
スプリングの線径はマルイと同じにして、巻き径を僅かに小さくしてもらっています。
マルイの物よりは若干強く、純正よりはるかに柔らかい強さです。
実質、加工無しで行くには、ギリギリ過ぎました。ボックス内部は要加工です。

PDR-C 本体チューニング 困難編

ボックス内の研磨を、一通り行います。

PDR-C 本体チューニング 困難編

シリンダーヘッドは、ダンパーのラバーがズレて接着されている物でした。
二次加速ロッドの取り付けもありますので、貼り直します。

PDR-C 本体チューニング 困難編

シリンダーは、マルイ製の穴あきタイプに交換。
ピストンヘッドもマルイ製を流用して、ウエイトとベアリングを活かした調整取り付けを行います。
回転防止のガイドピンは2mm径の物を圧入しての取り付けできるよう加工してあります。

PDR-C 本体チューニング 困難編

給排気系のシリンダーとピストン。
スイッチはオムロン製に交換してありますが、マガジンキャッチの可動範囲の確保で、一部削り込んであります。
軸位置の僅かなズレが、この補正が必要な事態を引き起こしていました。

PDR-C 本体チューニング 困難編

タペットプレートの消耗を抑える為の、セクターギアのカムの研磨をしてあります。

PDR-C 本体チューニング 困難編

モーターは信頼のマルイ1000sに交換してあります。
ピニオンギアは、マルイのままでの相性が良かったです。

シム調整を行い、グリスアップ(Xabier製イエロー)して、メカボックスを閉じます。

PDR-C 本体チューニング 困難編

SBDの取り付けをしてあります。
本体との位置調整は、後方のみ0.2mmのシムを貼り付けて矯正となっています。

PDR-C 本体チューニング 困難編

スプリングは、付属していた物では、僅かに(誤差範囲程度)オーバースペックだったので、マルイSTDタイプの純正品と同等のレートで、テンションカーラーで調整可にしてあります。
インドアもアウトドアでも使用されるとのお話でしたので、90m/sと95m/s前後を選択できるように対処しています。
90m/s前後の設定でのご使用を選択して頂いたとの事です。

ただ、弱く設定すると、セミオートでの使用の際、ダブルタップに移行してしまうと言う欠点がでていると、ご連絡頂いています。
初速が上がって(95m/s前後)しまいますが、厚手のカーラーで対応して頂けると、最小限に抑えられると思いますとお知らせさせて頂きました。
実際、お引渡しの際に、追加でカーラーを即席作成し、数種の厚みの物をお持ち頂きましたので、いろいろお試し頂ければと思います。

PDR-C 本体チューニング 困難編

取り付け仕上がり状態を確認して、試射ご微調整を行いました。

バッテリーの挿入ですが、以下の画像を参考にして頂ければと思います。
(お渡しの際に現物確認して頂いていますが・・・)

PDR-C 本体チューニング 困難編

エクステンショングリップですので、バッテリーはグリップ内に押し込み、コネクター部分はグリップエンド内に逃すのが、一番スムースです。
本体コードを引っ張り過ぎると、マガジンキャッチのバーに干渉してしまい、作動が悪くなる場合がありますので、お気を付けください。

クライアント様、解説記事が随分遅くなってしまって申し訳ありませんでした。

ご質問、確認等ありましたら、またご連絡頂ければと思います。

同時に行った、お仲間の分は、次回でアップ致します。ちょっと日が空きますが、少々お待ち頂きたいと思います。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  次回未定

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Posted by コンバットドール  at 20:00 │Comments(0)MAGPULL PTS PDR-C

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