2015年03月19日

AUG ハイサイクル ストック内部

COMBAT DOLL の店主です。

今回は、久しぶりに、東京マルイ製品関連の記事です。

消音目的での、ボディーの小細工がメインになります。
こちらは、昨年11月上旬にお預かりし、施工お渡しまで3ヶ月以上お待たせしてしまった個体です。
クライアント様、非常に申し訳ありませんでした。

AUG ハイサイクル ストック内部
(作業途中の画像)

AUG ハイサイクル ストック内部
(作業途中の画像)

基本的にAUG(P-90も同様)は、射手の耳元に駆動部(メカボックス)があるので、自身に音が小さくなった満足感を得るには、そうとう頑張らないといけません。

クライアント様も、自身で工夫され、そうとう静かになっていました。
ですが、消音材の影響で、メカボックスの位置関係がズレてしまい、スペックダウンしてしまった状況での調整依頼でした。

実際問題、メカボックス単体での騒音が、ボディーにセットした際に共振で増幅されてしまうのが難点です。
接着されているストックを、上手に分割する事から始めなければなりません。これは失敗すると目が当てられませんので、慎重に行い、無理そうなら諦めるのが懸命です。もし、変な割れ方をしてしまったら、補修接着と再塗装が必要になってしまうので、費用も労力も増加してしまいます。
この個体は、上手く割る事ができたので、助かりました。

使用した消音材として、ウレタンスポンジ・ウレタンマット・ラバーシート・ブチルマットです。
画像の状態は、初期段階で、その後に追加や変更を行っていますが、最終工程の分の画像をPCトラブルの修復の際に消失してしまったようで、今回のブログにアップできませんでした。申し訳ありません。

極端な事をやってしまうと、時間工賃計算になってしまうので、とても請求できません(涙)
部材の追加と手数料でまかなえる範囲で行っています。

部分拡大画像(途中経過状態につき、最終状況とは異なります。)

AUG ハイサイクル ストック内部
(メカボックスの固定位置確認)

AUG ハイサイクル ストック内部

AUG ハイサイクル ストック内部
(トリガーバーの作動干渉確認)

AUG ハイサイクル ストック内部

とにかく、隙間を埋める必要があり、ボディーに伝わってくるビビリを吸収させなければいけません。
スポンジのような低密度の素材は、空間(空気)の振動しか緩和できないので、高密度の素材を優先して、両面テープで貼り付けていきます。

グリップ内部は、ボディーの分割を行わないと難しいので、分割さえしてしまえば容易に行えます。
分割は、メカボックスの規定位置を確認する為には必要な工程になりますが、この画像等で確認できるのであれば、その箇所さえ確保してやれば実射性能への影響を避けられると思います。

重量が増しても良いのなら、粘土が一番効果が高いと思います。
材料費も安く済みますしね!? ですが、1Kg以上は増えてしまうと思います(涙)

ダミーボルトを廃し、排きょうポートは左右ともカバーが取り付けられる状態になる個体での挿入例です。

AUG ハイサイクル ストック内部

メカボックスのホールドとして、給弾ルートのアダプターげ兼用されているので、消音目的で貼り付ける部材が干渉しないように確認しておきます。
元々、分解組み立ての際にやり易くなるようガイドレールで前後スライドできるようになっているのですが、そこでの振動を嫌ってはめ殺しになるようにしています。

AUG ハイサイクル ストック内部

レシーバーハンドルの隙間でのガタもうるさいので、ラバーシートを貼り付けて、圧着されるようにしておきます。
レシーバーも内側に、ウレタンマットやラバーシートを貼り付けてあるのですが、画像が無くて申し訳ありません。
メンテナンスも可能な様に、脱着の為の最低限の可動範囲は確保してあります。

最近のBB弾の成分では、バレルクリーニングは必須になりますので、バレルアッセンブルの脱着は普通の操作でできるようにしておくのが良いと判断しています。特に、来店の難しい遠方にお住まいのクライアント様への配慮とさせて頂いています。

メカボックスの側面にくる部材は、初期はウレタンスポンジシートでやってみたのですが、効果があまり無かったのでブチルシートに変更してあります。貼り付けの両面テープは同様です。

AUG ハイサイクル ストック内部

トリガーのリターンスプリングは、かなりビビリがありますので、グリスを塗布しておきます。
トリガーの内部空間にも、ウレタンマットを詰め込んであります。

AUG ハイサイクル ストック内部

メカボックスは、手が入れられており、クライアント様自身もサイクルや動作音に納得されていましたので、変更はしておりません。
シムもキッチリ調整されていました。静音の為に、Xabierホワイトグリスを、グリスアップしてあるだけです。
金属音の余韻が気になったので、それを抑える処置となっています。

インナーバレルも同送して頂いたバレルを、テーパー加工と仕上げを行い、当店の飛距離アップ方式であるレンジアップシートの装着対応にて組み込んであります。

AUG ハイサイクル ストック内部
(インナーバレルの追加加工)

AUG ハイサイクル ストック内部
(レンジアップシート用 HOPテンショナー加工とダイヤル可動制限)

HOPの可動制限は、実射で不要なHOP域での初速のオーバー部分にまで動かせないように制限したもので、適正HOP近辺での初速上限を確保する為の方法です。
調整のやり方によっては、HOPの効かない初期部分をカットする場合もありますが、この個体は前者の方法です。

AUG ハイサイクル ストック内部

初速や、飛びを確認する為の、第一段階の状態のメカボックスです。

AUG ハイサイクル ストック内部

トリガーバーとのストローク調整で、ラバーシートを貼り付けてありますが、これはセミオートのセレクター位置で、作動しない時があった為の処置になっています。個体によっては必要ないと思いますし、貼り付けた事で、セミがフルになってしまう場合もありますので、各個体で確認して行ってください。

騒音計にて、フルオート時のMAX値を確認しています。本体から50mmくらい離して計測しています。
一応95.5dBとなっていますが、数値は参考程度で見てください。
以前に知人から借りていた物とは計測にムラが出ていましたので、どこまで正確かはわかりません。安かったので、安いなりの性能だと思っています。

AUG ハイサイクル ストック内部

仮組みにあたり、モーターのコードのハンダ付け位置が微妙に干渉していましたので、付け直してあります。

ボディーを未接着の状態で組上げ、メカボックスを装着し、バッテリーを装着します。
バッテリースペースは、以下のような状態です。

AUG ハイサイクル ストック内部

AUG ハイサイクル ストック内部

AUG ハイサイクル ストック内部

この部分は、消音材を接着してしまうとメンテナンスに差し支えが出てしまいますので、はめ込みのみとなっています。

AUG ハイサイクル ストック内部

組上げての騒音計の計測では96.4dBですので、ボディーの共振はかなり抑えられています。
ここで、試射を行い、弾道や初速を確認しておきます。

0.25gで適正HOPと思われる(個人的感覚)状態で、80m/s前後でしたので、良しとします。
初期の130mm前後の極端なルーズバレル(メーカー不問)の状況で、0.2g時に最大70m/s・最低50m/sでしたので、メカボックスのセッテイングに合ったバレルの選択でなかった事は確かです。
クライアント様の希望により、メカボックスは原則無調整となっています。

インナーバレルの適正選択により、性能が発揮された状況になっています。

AUG ハイサイクル ストック内部

試射の段階での発覚として、消音材の干渉により、カットオフレバーの不確実作動があったので、画像の小窓のように対策のブロックパーツをはめ込んであります。
ガムテープをもう一層貼り足してあります。この段階での確認で、カットオフの作動も確実になっていたので、次の段階に移行します。

AUG ハイサイクル ストック内部

初期状況でのクライアント様のアイデアを流用させて頂いての最終状態です。
第二段階の上から、貼り足してあります。
モーター部分は、放熱の確保と位置決めの観点から、メカボックス側でのシールドを行っていません。
インシュロック(結束バンド)は、メカボックスを取り出す時の為ですが、手では滑り易いので、ペンチ等で掴んで引き出します。
真っ直ぐ引っ張れば出てきますので、メンテナンスが必要になったら、お試しください。

前述にもありましたが、ボディー内部側面を、ブチルマットに交換して、共振共鳴の低減をしています。

AUG ハイサイクル ストック内部

最終的に画像の数字・88.6dB(フルオート時)にはなったのですが、僕の耳には8dBも下がったような感覚はないのが正直な所です。
恐らく、持ち込み初期と同等か、若干うるさくなったのではないかと思う状態です。

ただ、実射性能は、格段に良くなっています。初速差がかなりありますので、ハッキリとはしていますが・・・(笑)
クライアント様に、納得して頂いていれば幸いです。
画像右側は、第一段階でのHOP確認時のマーキングです。最終段階でも同様でした。


チューニングとは別に、フロントのオリジナル流用マウントの補強加工もご依頼があり、施工させて頂きました。

AUG ハイサイクル ストック内部

AUG ハイサイクル ストック内部

クライアント様の発案なのか、他の方の発案なのかは判りませんが、上手に工夫されていますね。
初期では、ネジ1本の固定でしたので、不安があり、もう2本の追加固定と、レール部分の裏打ち補強を行っています。
バレルアッシーとレシーバーの固定の補強にも役立っているので、一石二鳥のアイデアになりました。

フォアグリップも、レシーバーの傾斜に干渉していたので、逃し加工をしてあります。
グラつきも無く、ガッシリとは取り付けられていますが、フォアグリップだけで銃を持ち上げるには不安な強度ですので、お気を付けください。

最終的な画像が無く、解説としては不足になってしまう状況ですが、工程やコンセプトだけでもご理解頂ければ幸いです。
ご不明な点があれば、ご連絡頂ければと思います。

クライアント様、大変お待たせ致しました。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  次回未定

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
  定休日 日曜日 年末年始  他 臨時休業あり

  TEL 053-450-3308 FAX 同番
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  AUG ハイサイクル ストック内部




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Posted by コンバットドール  at 20:00 │Comments(0)電動カスタム 国産ハイサイクル

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