2013年12月22日
PDR-C モーター交換・SBD取り付け
COMBAT DOLL の店主です。
3日ほど、更新が途絶えてしまって申し訳ありません。
今回はPDRで、モーターの交換とSBDの取り付けを行ったチューニングです。

最近ではやり慣れた感のあるPDRですが、油断して失敗しないように、注意して行います。
クライアント様の要望は、
1 30~40mの以上の射程でヘッドショットを狙うための飛距離及び命中精度の向上
2 トリガーを引いたときのレスポンスアップ
3 海外製エアガンのネガティブを潰して安定して耐久性のあるものへ
と言ったご要望でしたが、2番目のレスポンスに関しては、トリガーストロークの遊びを制限するしか方法がないのですが、ご説明させて頂いたところ、意味合いとしては立ち上がり重視とのことでした。
モーターの交換も希望されていましたので、そちらでクリア可能な為、予算の割り振りでトリガー部分は無加工になっています。
では、詳細になります。

ロットナンバーは900番台で、前回のチューニング個体と近い番号ですが、バレルとメカボックスの位置関係には個体差でしかない変形がついて回りますので、個体ごとの調整が必要なのを実感しました。
バレルまわりを先に作業します。

クライアント様の要望に合わせて、長掛けHOPを予定していました。A+エアソフトの魔HOPソフトを予定していたのですが、チャンバーとの相性が良くないようで、下の画像左側の様になってしまった為に却下しました。

個体差のような感じです。インナーバレルのブランドや、個体差で使用可能になると思える状態ですが、純正バレルとアッシュバレル、マルイ純正では合わせきれませんでした。消耗品であるパッキンは入手しやすい物が良いと言うクライアント様の要望に合わせて、マルイ純正品に順ずるシステマ製を取り付けてあります。
HOPのプレッシャー部分は、パッキンに合わせてチューブゴムでのテンションを掛ける方式に変更です。加工の際に、斜めになってしまわないように慎重に削ります。調整ダイヤルが一番弱いところで、軽く突き出るくらいの位置関係になるようにしてあります。
メカボックスに移ります。

タペットプレート用のスプリングの交換です。今回はマルイ純正品もシステマ製も底をついてしまい、Laylax製も在庫切れだった為に、既成スプリングから作ってあります。メカボックス内部の加工も済ませましたが、タペットプレートその物のエッジやバリが多い個体だったので、スームーズに動いてくれるまでの確認作業が、今までの個体の中では一番かかってしまった感じでした。
給弾ルートの研磨もしてあります。結構磨きが必要なメカボックスでした。ロットナンバーと品質の関係は比例しないようです。
シリンダーもインナーバレルとのバランスを考えて、マルイ純正の穴あきの物を使用します。カスタム品でも良かったのですが、初速の調整で苦労しそうだったのと、予算に合わせたパーツの選択もあったのとで、マルイ純正品の選択です。実際に正解でした。

ピストンもヘッド部分の穴あけの追加と、ピストン内部のウエイトの追加をしてあります。純正品はポリカ製で耐久性にも問題無いと思います。
スイッチは、いつものオムロン製です。
今回は、モーターも交換です。マルイ製のHC30000を使用しますが、これは、ロングタイプのシャフトをカットして使用しています。ピニオンギアもマルイ製品の物をそのまま使用しました。
ただ、このモーターでの欠点が一つ浮かび上がりました。トルクもあり、回転数も高いので、逆転防止ラッチの解除状態からでは、セミオートでの操作がWタップになってしまう事です。
ピストンの前進位置状態からの作動だとWタップ、フルオートで撃ち終えたピストンが後退している位置からの作動だとシングル発射のセミオートの状態になります。2000mAクラスの7.4VのLi-poで症状が100%でます。モーターの高性能にサイクルバランスが狂ってしまっている状態ですが、フルオート作動の後で、良いポジションでピストンが止まってくれれば問題ありません。タイミングに慣れて頂きたいと思います。
回転サイクルもかなり速くなっていますので、ハイサイクルまでの必要は無いが、小気味良さが欲しい方には、お勧めの組み合わせでした。

シム調整に関しては、今回樹脂製のシムを一枚加えることで、振動を吸収させて駆動音を減らす方式を取っています。
素材はベークライトですが、油脂の浸透で痛む素材ですので、シリコン系のグリスをギアに使用する事で、ベークライトの劣化を避けます。
3ヶ月間試験使用した個体の状況を確認して、このグリスが問題の無い事を確認した上で使用しております。エアガン用としての市販品ではありません。ギアジャダーの軽減に大きく貢献してくれました。
モーターにもバッファーラバーを取り付けてあります。モーターの固定と振動の吸収をしてくれる、リーズナブルな必須アイテムです。
SBDの取り付けに関しては、メカボックス内部に持って行きたかったのですが、配線が長くなってしまい、効果が得られないと判断しましたので、メカボックスを組み立てした後に、半田付けにて取り付けとなっています。メカボックスの分解の際は、半田を外す必要がありますが、位置関係を外し易い場所にはしてありますので、半田こてさえ用意してもらえれば、脱着は容易な方だと思います。

フレームとバレル、メカボックスの位置出しです。今回は0.5mmのシムでメカボックスの位置が出せました。
バレルの固定部分には0.3mmのシムを使用しています。

固定位置が決まったら、スプリングを組み込んで、パワー調整に入ります。
スプリングガイドには振動吸収のバッファーを組んであります。
命中精度の向上には、とにかく余剰振動を可能な限り少なくしたいと思っていますので、サイレントロッドを使用しないチューニングだったので、やれる事をやっておきます。
正直、今まで見てきたカット品の中では一番短くカットされていた付属のスプリングは、ギリギリの数値が出てしまいましたので、安全策としてレートの低い物に交換です。98m/sでは危険ですので、95m/sに落とす状況です。交換したスプリングは、マルイ純正品と同等の物です。85m/s相当と言ったところです。
BB弾のブランドやロットでも違ってきますので、確実なところを取らせて頂きました。
試験BB弾は、東京マルイ・エクセル・オプションNo.1・イーグルフォース製の0.2gバイオ弾です。それぞれで数値が異なりますが、オプションNo.1の物が初速が一番速くなりました。
パワー調整も終了して、組上げますが、SBDがフタの脱着に干渉しないか改めて、チェックします。
SBDの取り付け位置の関係で、配線の取り回しの変更をします。アッパーフレーム側に溝を作って、余剰分の配線を逃がします。これだとフレームピンの穴を塞がずにいてくれるので、このパターンへの変更は、通常仕様にも良いと思いました。

今回はメカボックスの位置調整で、後部のフレームピンを入れるのが、かなり硬くなってしまいましたので、クライアント様への簡単な説明を入れさせて頂きます。
①フレーム側面に配線がはみ出さないようにするのと、マガジンキャッチのパーツに干渉しないように配線を確認しながらアッパーレシーバーを合わせます。
②アッパーフレーム側に、2箇所の溝がありますので、画像の様に、赤と黒の配線をはめ込んでください。はみ出してしまう分は本体内に送り込んでもらえれば、スッキリ収まります。
③フレームピンが入る所まで押し込んで頂いたら、ストッパーネジを先に軽く締め込みます。
④ロアフレームとアッパーフレームをしっかり押さえ込みながら、最終までネジを締めこんでください。
無理に叩き込んだりしますと、樹脂フレームが割れてしまう恐れがありますので、必ず上記の方法でお願い致します。
フロントとセンターのピンは普通に入りますので、後部のピンの挿入のみご注意ください。

また、バットプレート(フタ)を取り付ける際は、下側をはめ込んでから、上部をはめ込んでください。逆でも取り付けられるのですが、中空のバットプレートなので、中央部分をへこませて取り付ける状況の場合、SBDを押してしまう危険があります。いろいろな方向からはめてみて問題は無かったのですが、もしかするかもしれませんので、安全策としてお願いしたいと思います。
これで、完成致しました。
屋外試射が、天候の関係で確実なチェックとまでは行かない状況でしたが、ご要望の条件はクリアできたと思います。
クライアント様、実際のご使用で問題や気になる点がありましたら、遠慮無くご連絡ください。
カスタムオーダーありがとうございました。
しかし、何丁やっても素直な良い弾道になってくれる、優秀なエアガンだと実感するアイテムです。
COMBAT DOLL 店主 中根
奥山デイズにて定例会(レギュレーション)次回未定
営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
定休日 日曜日
年末年始 他 臨時休業あり
22日(日) 臨時営業 19:00~21:00
祝日23日(火)~27日(金) 〃 19:00~21:00
28日(土)~30日(月)特別営業 13:00~21:00
31日(火)~1/3日(金) 休業
1月 4日(土)~5日(日) 特別営業 13:00~21:00
6日(月)以降 通常営業 19:00~21:00
TEL 053-450-3308 FAX 同番
メール info@combatdoll.jp
ミリブロのメッセージからでも大丈夫です

3日ほど、更新が途絶えてしまって申し訳ありません。
今回はPDRで、モーターの交換とSBDの取り付けを行ったチューニングです。

最近ではやり慣れた感のあるPDRですが、油断して失敗しないように、注意して行います。
クライアント様の要望は、
1 30~40mの以上の射程でヘッドショットを狙うための飛距離及び命中精度の向上
2 トリガーを引いたときのレスポンスアップ
3 海外製エアガンのネガティブを潰して安定して耐久性のあるものへ
と言ったご要望でしたが、2番目のレスポンスに関しては、トリガーストロークの遊びを制限するしか方法がないのですが、ご説明させて頂いたところ、意味合いとしては立ち上がり重視とのことでした。
モーターの交換も希望されていましたので、そちらでクリア可能な為、予算の割り振りでトリガー部分は無加工になっています。
では、詳細になります。

ロットナンバーは900番台で、前回のチューニング個体と近い番号ですが、バレルとメカボックスの位置関係には個体差でしかない変形がついて回りますので、個体ごとの調整が必要なのを実感しました。
バレルまわりを先に作業します。

クライアント様の要望に合わせて、長掛けHOPを予定していました。A+エアソフトの魔HOPソフトを予定していたのですが、チャンバーとの相性が良くないようで、下の画像左側の様になってしまった為に却下しました。

個体差のような感じです。インナーバレルのブランドや、個体差で使用可能になると思える状態ですが、純正バレルとアッシュバレル、マルイ純正では合わせきれませんでした。消耗品であるパッキンは入手しやすい物が良いと言うクライアント様の要望に合わせて、マルイ純正品に順ずるシステマ製を取り付けてあります。
HOPのプレッシャー部分は、パッキンに合わせてチューブゴムでのテンションを掛ける方式に変更です。加工の際に、斜めになってしまわないように慎重に削ります。調整ダイヤルが一番弱いところで、軽く突き出るくらいの位置関係になるようにしてあります。
メカボックスに移ります。

タペットプレート用のスプリングの交換です。今回はマルイ純正品もシステマ製も底をついてしまい、Laylax製も在庫切れだった為に、既成スプリングから作ってあります。メカボックス内部の加工も済ませましたが、タペットプレートその物のエッジやバリが多い個体だったので、スームーズに動いてくれるまでの確認作業が、今までの個体の中では一番かかってしまった感じでした。
給弾ルートの研磨もしてあります。結構磨きが必要なメカボックスでした。ロットナンバーと品質の関係は比例しないようです。
シリンダーもインナーバレルとのバランスを考えて、マルイ純正の穴あきの物を使用します。カスタム品でも良かったのですが、初速の調整で苦労しそうだったのと、予算に合わせたパーツの選択もあったのとで、マルイ純正品の選択です。実際に正解でした。

ピストンもヘッド部分の穴あけの追加と、ピストン内部のウエイトの追加をしてあります。純正品はポリカ製で耐久性にも問題無いと思います。
スイッチは、いつものオムロン製です。
今回は、モーターも交換です。マルイ製のHC30000を使用しますが、これは、ロングタイプのシャフトをカットして使用しています。ピニオンギアもマルイ製品の物をそのまま使用しました。
ただ、このモーターでの欠点が一つ浮かび上がりました。トルクもあり、回転数も高いので、逆転防止ラッチの解除状態からでは、セミオートでの操作がWタップになってしまう事です。
ピストンの前進位置状態からの作動だとWタップ、フルオートで撃ち終えたピストンが後退している位置からの作動だとシングル発射のセミオートの状態になります。2000mAクラスの7.4VのLi-poで症状が100%でます。モーターの高性能にサイクルバランスが狂ってしまっている状態ですが、フルオート作動の後で、良いポジションでピストンが止まってくれれば問題ありません。タイミングに慣れて頂きたいと思います。
回転サイクルもかなり速くなっていますので、ハイサイクルまでの必要は無いが、小気味良さが欲しい方には、お勧めの組み合わせでした。

シム調整に関しては、今回樹脂製のシムを一枚加えることで、振動を吸収させて駆動音を減らす方式を取っています。
素材はベークライトですが、油脂の浸透で痛む素材ですので、シリコン系のグリスをギアに使用する事で、ベークライトの劣化を避けます。
3ヶ月間試験使用した個体の状況を確認して、このグリスが問題の無い事を確認した上で使用しております。エアガン用としての市販品ではありません。ギアジャダーの軽減に大きく貢献してくれました。
モーターにもバッファーラバーを取り付けてあります。モーターの固定と振動の吸収をしてくれる、リーズナブルな必須アイテムです。
SBDの取り付けに関しては、メカボックス内部に持って行きたかったのですが、配線が長くなってしまい、効果が得られないと判断しましたので、メカボックスを組み立てした後に、半田付けにて取り付けとなっています。メカボックスの分解の際は、半田を外す必要がありますが、位置関係を外し易い場所にはしてありますので、半田こてさえ用意してもらえれば、脱着は容易な方だと思います。

フレームとバレル、メカボックスの位置出しです。今回は0.5mmのシムでメカボックスの位置が出せました。
バレルの固定部分には0.3mmのシムを使用しています。

固定位置が決まったら、スプリングを組み込んで、パワー調整に入ります。
スプリングガイドには振動吸収のバッファーを組んであります。
命中精度の向上には、とにかく余剰振動を可能な限り少なくしたいと思っていますので、サイレントロッドを使用しないチューニングだったので、やれる事をやっておきます。
正直、今まで見てきたカット品の中では一番短くカットされていた付属のスプリングは、ギリギリの数値が出てしまいましたので、安全策としてレートの低い物に交換です。98m/sでは危険ですので、95m/sに落とす状況です。交換したスプリングは、マルイ純正品と同等の物です。85m/s相当と言ったところです。
BB弾のブランドやロットでも違ってきますので、確実なところを取らせて頂きました。
試験BB弾は、東京マルイ・エクセル・オプションNo.1・イーグルフォース製の0.2gバイオ弾です。それぞれで数値が異なりますが、オプションNo.1の物が初速が一番速くなりました。
パワー調整も終了して、組上げますが、SBDがフタの脱着に干渉しないか改めて、チェックします。
SBDの取り付け位置の関係で、配線の取り回しの変更をします。アッパーフレーム側に溝を作って、余剰分の配線を逃がします。これだとフレームピンの穴を塞がずにいてくれるので、このパターンへの変更は、通常仕様にも良いと思いました。

今回はメカボックスの位置調整で、後部のフレームピンを入れるのが、かなり硬くなってしまいましたので、クライアント様への簡単な説明を入れさせて頂きます。
①フレーム側面に配線がはみ出さないようにするのと、マガジンキャッチのパーツに干渉しないように配線を確認しながらアッパーレシーバーを合わせます。
②アッパーフレーム側に、2箇所の溝がありますので、画像の様に、赤と黒の配線をはめ込んでください。はみ出してしまう分は本体内に送り込んでもらえれば、スッキリ収まります。
③フレームピンが入る所まで押し込んで頂いたら、ストッパーネジを先に軽く締め込みます。
④ロアフレームとアッパーフレームをしっかり押さえ込みながら、最終までネジを締めこんでください。
無理に叩き込んだりしますと、樹脂フレームが割れてしまう恐れがありますので、必ず上記の方法でお願い致します。
フロントとセンターのピンは普通に入りますので、後部のピンの挿入のみご注意ください。

また、バットプレート(フタ)を取り付ける際は、下側をはめ込んでから、上部をはめ込んでください。逆でも取り付けられるのですが、中空のバットプレートなので、中央部分をへこませて取り付ける状況の場合、SBDを押してしまう危険があります。いろいろな方向からはめてみて問題は無かったのですが、もしかするかもしれませんので、安全策としてお願いしたいと思います。
これで、完成致しました。
屋外試射が、天候の関係で確実なチェックとまでは行かない状況でしたが、ご要望の条件はクリアできたと思います。
クライアント様、実際のご使用で問題や気になる点がありましたら、遠慮無くご連絡ください。
カスタムオーダーありがとうございました。
しかし、何丁やっても素直な良い弾道になってくれる、優秀なエアガンだと実感するアイテムです。
COMBAT DOLL 店主 中根
奥山デイズにて定例会(レギュレーション)次回未定
営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
定休日 日曜日
年末年始 他 臨時休業あり
22日(日) 臨時営業 19:00~21:00
祝日23日(火)~27日(金) 〃 19:00~21:00
28日(土)~30日(月)特別営業 13:00~21:00
31日(火)~1/3日(金) 休業
1月 4日(土)~5日(日) 特別営業 13:00~21:00
6日(月)以降 通常営業 19:00~21:00
TEL 053-450-3308 FAX 同番
メール info@combatdoll.jp
ミリブロのメッセージからでも大丈夫です