2013年05月09日

?社 中華製 L96A1 修理・調整

 COMBAT DOLL の店主です。

 今回は一昨日ご紹介した 「?社 中華製 L96A1 メンテナンス」の修理レポです。

 クライアント様のご予算の都合もありましたので、修理・調整となりました。

?社 中華製 L96A1 修理・調整

 まずは、HOPチャンバーの修理、調整です。

 折れてしまったHOPレバーは、幸いABS製だったので、画像にある「アクリサンデー」を使って接着します。
 この接着溶剤はアクリルを溶着(溶かして接着)するので、成型品の強度に近い状態に戻せます。
但し、A(アクリル)B(ブチル)S(スチロール)の混合比によって強度が変わりますので、アクリル成分の少ない、安いABSでは強度が足りなくなりますので、ご注意下さい。
 HOPレバーが折れてしまったのは、HOP調整ネジの締め過ぎも原因なのですが、一番の要因はリテンションスプリングが長過ぎた為、HOPレバーが下がり切らない事でした。これによりHOPの効きも弱かったので余計に締め過ぎてしまったようです。
 レバーとチャンバーの隙間を埋める為にラバーを貼り付けますが、HOPの掛かりを確認して、厚み調整を行います。
 スプリングは、画像の状態を半分にカット、ラバーは細くなった部分の外径と面一(同サイズ)にカットする状態になりました。
 チャンバーパッキンは、HOPを掛ける部分が押し破られて穴が開いているのですが、交換する同型がありませんので、そのまま使用しています。若干のエアロスは出るものの、弾道への悪影響は軽微でしたので、価格を抑える理由で現状維持です。

 この固体は、インナーバレルをショートカットし、内蔵サイレンサーの空間を15cmも取っている為、最小限(0.28g時)に調整してあります。

?社 中華製 L96A1 修理・調整

 アウターバレルの内径と、チャンバーの外径の遊びが0.4㎜くらいあるので、チャンバーにはアルミシムシートを貼り付け、センターが出せるように調整します。インナーバレル先端も同様で、既存で施工されていたバッファーでは硬度が足りずにセンターズレを起こしていましたので、他製品用のジュラコン製の物を加工して取り付けます。Oリングを増設する為の溝を追加して、微調整でアルミテープを巻き付けてやりました。
 双方、あまりきつくし過ぎると、アウターバレルへのインサートが難しくなりますので、適度なサイズを微調整して、シリコンスプレーで滑らせて挿入します。

?社 中華製 L96A1 修理・調整

 アウターバレルの空洞に、吸音材を挿入します。内径約22.5㎜なのですが、安く上げる為に100円ショップにて購入したヘアカーラーの細い物を、芯を入れたまま挿入します。若干きつめですが、シリコンは使わずに押し込みます、シリコン等の油が付着するとスポンジの劣化が激しく、ボロボロになってしまうので、根気良く入れてやります。芯も使用するのは内側の変形を防止して、エアの流れを安定させる為です。
 安い素材ですが、消音効果は高いですよ。2個使用してあります。
 バレルの出口は9㎜まで広げてあります。それ以下では弾道が安定しませんでした。インナーバレルの精度と空走距離の長さを考えれば、妥当なサイズでした。

?社 中華製 L96A1 修理・調整

 アウターバレルも固定が弱く、ガタが出ていたので調整です。レシーバーとアウターバレルの間には、VSRのように樹脂カーラーが入っていたのですが、シリンダーとのギャップを埋めるサイズでは無く、アウターバレルのネジの締め込み調整用といった状態でした。それでも、1/4回転分余ってしまうので、アルミシムを使って締め込み位置調整をしました。若干、はみ出してしまっていますが、価格設定での妥協ラインですので、ご了承頂きたい部分です。

?社 中華製 L96A1 修理・調整
 
 シリンダー内部は、既設のパーツを生かす対処として、ピストン内にスリーブのはめ込みでの内径調整と重量調整を行い、スプリングレートの調整としてスプリングガイドにテンション調整用のカーラーを増設しました。スプリングレートが不明だったので、押し切ってくれる状態にし、シリンダーヘッドのノズル内径の調整でパワー調整と消音化を図ります。この仕様で内径は3.2㎜となりました。
 インナーバレル内径は不明ですが、長さは約350㎜くらいでした。

?社 中華製 L96A1 修理・調整

 シリンダーは、歪み変形が激しく、使い物にならなかったので、マルゼン製の純正品と交換です。たまたまストック品がありましたので、価格を抑える為に使用しました。
 強度を考えると、真鍮製かステンレス製の物への変更がお勧めなんですが、部品の在庫もほとんど無く、高額品の流通在庫が僅かにあるだけですので、ご予算の都合が付きましたら、早めの交換をお勧め致します。

 また、マウントベースもご丁寧に傾斜付きを再現してくれてある為、スコープを付けると遠距離でのサイト調整ができなくなっています。左右も斜めに傾いていたりします(涙)。前側のマウントリングとスコープとの間に、1㎜厚のABS板を挟み込んで調整できるようにしておきました。
 スコープのレベル調整もして、取り付けしてあります。
 性能を上げて、現状のスコープでは物足りなくなりましたら、マウントベースは並行な物に交換したいところですね。ですが、流通在庫もほとんど無い様なので、流用品か、取り付け調整になりますね。残念です。

 最低限の修理調整で、こんな所です。

 現状の実射性能としては、マルイ製L96と同程度になっています、初速が規制MAXにしてある分だけ、若干良く感じるレベルですね。HOPシステムがマルイタイプなので実現できる性能です。
 初速は最大、0.2g時96m/s・0.25g時87m/s・0.28g時84m/sとなっています。パッキンに穴が開いているせいもありますが、重量毎の初速差は電動ガン並みになってしまっています。

 持ち込まれた状態から見れば、飛躍的に性能アップが感じられると思いますが、まだ性能は上げられますので、希望があれば早めにお願いしたいと思います。
 パーツが1丁分しか確保できていませんので、無くなってしまったらグレードアップができなくなってしまいますので、ご了承頂きたいと思います。

 以上、中華製 L96A1 の修理・調整 でした。


 COMBAT DOLL 店主 中根

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Posted by コンバットドール  at 21:30 │Comments(0)エアガンメンテ・カスタム 海外製

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