2014年09月16日

フロンガスについて ガスガンチューニングの参考資料

COMBAT DOLL の店主です。

9月に入って、急に気温が下がり、いきなり秋になってしまいましたね。

ガスガンには、シビアな状況になってきました。

フロンガスについて ガスガンチューニングの参考資料

最近、ご質問が多くなってきましたので、こちらで解説させて頂こうという次第です。

フロンガスは、元々、冷却の為の媒体です。冷える事に重点を置いて開発された物です。

洗浄剤としての用途もあります。油分を落とす為に使用される用途もあります。

日本のフロンガスのメーカーである、 「ダイキン工業株式会社」 のホームページにある資料より、説明させて頂きます。

但し、当方は専門家ではありませんので、間違った解釈や、判断もあると思いますので、参考意見としてご覧ください。

フロンガスについて ガスガンチューニングの参考資料

資料元 http://www.daikin.co.jp/chm/products/pdf/fluorocarbon/hfc_hcfc.pdf

まず、各種フロンの表です。

現行販売品である、「134a」と「152」と、前時代の「12」・海外製品の主成分と言われている「22」を比較しています。

「HCFC-22」は、ガスとしての分類上は、低圧ガスですが、ガスガンに使用するのは、国内の銃刀法では違法になります。
表の数値(飽和蒸気圧)の通り、圧力が高い分だけ規制威力をオーバーしてしまいます。
間違っても、使用しないでください。絶対です!

本題に戻ります。

現在の 「ASGK」 のホームページのTOPにもなっていますが、「134a」は、温暖化係数が高め(表の赤枠下段参照)の為、今後の生産及び使用が制限されるフロンガスです。
自動車エアコン用の冷媒としての主用途だったのですが、そちらでも変更が検討されており、国際的にも全廃(完全使用禁止)になる状況です。参考資料 「日本自動車工業会・カーエアコン冷媒WG」

「12」は、オゾンの破壊係数も高く、状況が発覚して早々に全廃されたフロンガスです。比較してみるとなるほど・・・となりますね。

では、「152」ですが、低温時のパワー不足と、洗浄性能の高さが懸念されているガスになります。

フロンガスについて ガスガンチューニングの参考資料

資料元 http://www.daikin.co.jp/chm/products/pdf/fluorocarbon/vapor1.pdf

グラフを見てもらうと、大して性能差が無いように見えますが、冷却の効率が大きく違っています。
表に戻って、「蒸発潜熱」と「熱伝導率」を見ると、数字でしかありませんが、結構、差があります。

蒸発潜熱と言うのは、気化する時の冷え具合の目安です。
「134a」は217kJ/kgに対して、「152」は335kJ/kgですので、約1.5倍の冷え方をします。
要は、撃つ度にドンドン冷えていくスピードが1.5倍の状態になります。
(実際の液温が、気温や内圧での環境で、具体的にどうなるかまでの算出はしていませんので、ご容赦ください。)

そして、熱伝導率ですが、冷えるのにも暖めるのにも影響が出ます。
「134a」は82W/m・Kに対して、「152」は105W/m・Kですので、約1.3倍の冷え方をします。
ここは、暖めるのも1.3倍になるのですが、気化して冷えた時の液温の差もありますので、追い付かないと言う状況です。

数値の単位も難しいので、数字の対比だけで簡単に説明すると、

「134a」が最初の液温から発射(ガス放出)で、25℃の時に5℃冷えるとします。
(あくまで、仮定ですので、現実とは異なります。感覚としての参考資料としてください。)

          「134a」        「152」
 初期       25℃         25℃
 発射       20℃         17.5℃   ガスの放出による気化冷却
 上記での圧力 0.52MPa       0.4MPa  液温から表よりのおよその数値
                               (仮定の数値・現実と異なる)
 液温回復    25℃         24℃    「134a」が25℃になった時点での「152」の液温

実際に、このようになるのかは定かではありませんが、数字からの対比では、このように考えられます。

気温毎の気化率と気化ガスの圧力は、液温が低いほど冷却効率は上がり、回復効率は下がります。

連続して発射すれば、液温の差は大きくなる訳です。

「152」の方が低温に弱いのは、こう言う特性の違いがあるからです。

旧製品である「12」の方が作動が良かったのは、この特性の違いで冷却の度合いが低いからです。
(「12」と「134a」の違いが解る方は、もう良いお歳を召された方だけだと思いますが・・・)

ガスガンのチューニングで、気温差での性能差が大きくなるこの特性が原因であり、この差が不安定要素になってしまいます。
放出量を上げるカスタムバルブ等は、低気温時は仇になってしまいます。気化冷却が大きくなってしまうからです。

吐出ムラを少なくするチューニングを行い、効率良くBB弾に圧力を掛けるようにしないと、これからの時期のカスタマイズには合いませんので、ガスの特性を説明させて頂きました。

気温によって、圧力が変わり、撃つ度に低下するパワーソースですので、空気を圧縮してパワーソースとしている電動ガンと同様のスペックは維持できません。

20℃以下での変動(パワー不足)は、特に大きくなりますので、カスタムと言えども性能ダウンしてしまう事を、妥協しなければいけない物であると認識頂ければと思います。

寒い時期だけ、パワーを上げると言うのは、違法行為になりますので、絶対に行わないでください!

新しいパワーソースが、早く開発されてくれるのを、薄い期待で待っている状況です・・・。

「参考になれば幸いです。」 と言う「ウンチク」でした。


     COMBAT DOLL 店主 中根

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Posted by コンバットドール  at 23:59 │Comments(0)銃刀法 規制ガスガンメンテ・カスタム

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