2014年12月08日

PDR-C ベーシックチューン

COMBAT DOLL の店主です。

今回は、PDR-Cのベーシックチューンになります。

基本的に、同じ作業で終わらせてもらえないのがPDR-Cですね。
毎回、微調整で苦労させられてしまいます。

今回のクライアント様の要望は、
 長期間、フリーメンテナンスで使用でき、耐久性と燃費の向上が主目的という事でした。
 ついでに、フィールド環境に合わせ、長射程にできればなおさら良いという希望も付加されていました。

BB弾の基本重量は、0.2g弾に限定されるということでしたので、HOP方式はマルイ同様タイプとさせて頂き、初速のセッティングを95m/s前後に致しました。
レンジアップチャンバーは、重量弾向けですので、0.2g前提ならば不要なカスタマイズです。

それでは、内容です。

PDR-C ベーシックチューン

平行品でのシリアル1900番代の個体です。
正直なお話ですが、平行品の方が個体差が激しく、各パーツ毎のムラも大きくなります。
お手持ちの方は、ご自身の個体が当たりかハズレかは、内部の確認も必要になると思います。

PDR-C ベーシックチューン

メカボックスの開封です。ボックス自体は、良い方だと思います。
ただ、時折見られるスパーギアとの干渉対策の加工がされている状態の個体でした。
恐らくですが、軸受けの穴加工の際のズレの対応ではないかと思われますが、シム調整のセッテイングを行う状況での干渉は、元の状態でも発生しない位置なのではと思われます。

ですが、ギアによっては軸が細くなっていてブレが大きな物もあるようですので、粗悪品対応の安全マージンなのかも知れません。
この個体のギアは、問題無い状況でした。

PDR-C ベーシックチューン

給弾ルートや各部レール等、可動部分の研磨と、タペットプレートスプリングの空間確保加工を行い、スイッチの交換を行います。

PDR-C ベーシックチューン

モーターも燃費やトルクの関係からマルイ1000Sモーターに交換です。
シリンダーも容積調整(約265mmのインナーバレルに対応)の為交換です。

PDR-C ベーシックチューン

ピストンは、純正を使用し、ピストンヘッドに穴を開け足して、気密の安定化を図ります。
シリンダーヘッドのダンパーラバーは、ここ最近のロットは同様で、貼り位置がズレているのを、補正された状態の物でした。
厳密に言えば、センターに来るようにし、テーパーになるような細工を施しての貼り直しをした方が良いのですが、ご希望の仕様での問題点としての発生は無いので、軽くササクレを取った状態で使用します。無用なコストの削減ですね。

PDR-C ベーシックチューン

セクターギアのカム部分の研磨は必須とさせて頂いています。交換するパーツの入手が困難な部分ですので、消耗を和らげるべく研磨しておきます。

PDR-C ベーシックチューン

タペットプレートのスプリングの交換です。マルイ製品を使用しています。
スプリングの巻き径の違いから、メカボックス部分の収納空間の拡張加工が必要になります。
グリスアップは、Xabierイエローグリスを使用していますが、タペットプレートやメカボックスへの接触が発生した場合の対応措置です。

PDR-C ベーシックチューン

ギアは純正付属の物を使用し、シムセッティングを行っています。基本は少ない状態ですので、追加調整という状況です。
この時は、モーターの調整範囲を考慮して、ベベルギアのシムをセッティングします。
双方のバランスを取れば、かなり静かな状態でドライブされます。

モーターには、ジャダー緩和用に、ラバーシートをアルミテープで貼り付けてあります。
こちらは、おまけ程度の処置です。静音性重視の「林」ではありませんので、発射音は通常ですので、差が解り難いかも知れません。

メカボックス内部は、以上のような状況です。

バレル部分は、以下のような状況です。

PDR-C ベーシックチューン

アジャスター部分は、純正品からの加工仕上げで、HOPテンションにチューブゴムが使用できるようにしてあります。
テンションの掛かりは、現物合わせでの調整となっています。

PDR-C ベーシックチューン

インナーバレルは曲がりは僅かだったので、純正付属品の加工仕上げとしてあります。
ただ、画像の通りで、品質的には仕上げがお粗末なバレルが付属していました。
HOP窓の加工で、内部に傷が付いている状況でしたが、仕上げ直しで、問題が無かったので、使用した状況です。

使用されて、精度が気になるようでしたら、カスタムバレル等への交換をして頂ければと思います。
内径がタイトな物になると、初速の変動がありますので、お気を付けください。

PDR-C ベーシックチューン

通常HOPタイプでのチャンバー一式です。
HOPパッキンはシステマ製を使用しています。

PDR-C ベーシックチューン

アウターバレルや、メカボックスの位置関係の補正は、バレル固定ブロックの加工と、シムで行っています。
ここが、どの個体でも同様にできるとありがたいのですが、毎回悩む部分ですね。

PDR-C ベーシックチューン

調整後のバレルとメカボックスの位置の画像です。

PDR-C ベーシックチューン

サイレンサーの使用予定も考慮して、垂れ下がりを嫌ってバレル位置を下方にしてあります。
サイレンサーの重量による垂れ下がりでの不具合も多いので、対処状態とさせて頂いております。

PDR-C ベーシックチューン

今回の個体は、スプリングが比較的低レートの物に換装されている状態でした。
画像の通り、チューニング後の計測で、90m/s位が純正付属品です。
最終的に、MS90相当のスプリングで95m/s前後となっていますが、個体差からいくと、若干チャンバー位置が遠く、エアロスが発生し易い固体のように思えます。
画像下側のスプリングの状況で、95m/sくらいになるのがベストだったのですが、若干及ばずの個体でした。

仕上がった状態では、BB弾の重量変更での初速差も少ないので、十分な気密は取れている状況ですので、ご安心ください。

参考画像として、ASGKの簡易測定器での結果です。

PDR-C ベーシックチューン
(レッドカードが3枚使用されていますが、赤が残ってしまう為、画像のように使用している状況。)
(ボックスの位置関係で、状況をご確認ください。)

当店では、測定器(クロノメーター)の数値は、目安としての扱いにしております。
こちらでの計測値とクライアント様方面でのフィールドや、個人所有の測定器との数値誤差は必ず発生致します。
BB弾のシルエットを拾っての計測である事(光源によっての誤差)や、測定距離の少なさ(換算の際の誤差増幅要因)の為、信用しきれないのが現実です。工業規格等での測定器としての認可のある物ではありませんので、そのような対処をしております。
疑り深い性格なので、ご理解頂ければと思います。

パワーの最終チェックとして、通産省でお墨付きの 「ASGK簡易測定器」 で確認することで、銃刀法に抵触しない威力になっている事の確認とさせて頂いております。

当方で提示する初速と違う数字が表示される場合が、多々ありますが、最終チェックは、上記の様にしております。

このような状況でのチューニングとなっておりました。
クライアント様、ご確認頂ければと思います。


     COMBAT DOLL 店主 中根

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Posted by コンバットドール  at 20:00 │Comments(0)MAGPULL PTS PDR-C

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