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Posted by ミリタリーブログ  at 

2015年03月07日

マルイ L96 ベース カスタマイズ チューニング編

COMBAT DOLL の店主です。

よくよく見たら、3ヶ月ぶりの、まともな更新になります。
解説記事をお待ち頂いているクライアントの方々には、大変申し訳ありませんでした。
順次、アップ致しますので、ご容赦頂ければと思います。

今回のL96は、当方のこだわりで、わがままを言わせて頂き、半年以上もお預かりさせて頂いたアイテムです。
クライアント様、当方のペースに合わせて頂き、誠にありがとうございました。

半年間も相棒を拉致してしまい、寂しい思いと、不安な時間を持たせてしまいまして、大変申し訳ありませんでした。



PDI製のショートバレル仕様のインナーバレル長205mmでのレンジアップチューンです。
基本的にパーツはお持込みで、組上げ調整です。

この仕様での問題点として以下の通りです。
 ①ショートバレルによる長射程での安定性の追求が困難
 ②ベースガンの欠点である、給弾時のBB弾の損傷のクリア
 ③複数の社外品のパーツの組み合わせによる、バランス取りの難しさ
が、長期お預かりになる要因でした。

特に、②の給弾ルートでは、試行錯誤を繰り返しましたが、完全クリアとは言えないのが残念でしたが、ある程度の改善はできました。
VSR-10のチューニング品(当店比)には追い付かないものの、それなりの性能にはできました。

順を追って、解説させて頂きます。

まずは、ストックの共振防止処理からです。



スナイパーとしての静音性も含めて、ボディーのビビリによる、集弾性の悪化を防止します。
ストック内部の反響空間を失くすのと、きつめの挿入で、ボディー内部より圧力を掛け、共振を最小限にします。
挿入材は、ウレタン系のスポンジ素材です。



HOP調整のある、フロント部分のブロックも、隙間にウレタン材で抑えるようにし、アルミテープはガタ取りとHOPの調整がタイトになるように、ガッチリはまり込むようにしてあります。

そして、内部関係へ進みます。



シリンダーは、PDI製のアッセンブル製品ですね。
スリット部は、どうしても加工の際のエッジがきつくなってしまい、ピストンやスプリングガイド、セットピン部分の損耗につながります。
加工面とエッジ部分がツルツルになるまで研磨します。ただ、やり過ぎて幅を広げてしまうのは、性能の不安定と消耗につながってしまいますので、最低限で行っています。



シリンダー内部のパーツはアッセンブル品ですので、PDI製ですね。
ただ、スプリングだけは判別できませんでしたが、レート的にも問題ありませんでしたので、カット面を慣らした状態で使用しています。
スプリングガイドには、当店での追加装着のダンパーブッシュ(青色)を取り付け、ピストン内部には、M6用のワッシャーをウエイト兼テンション調整で挿入します。勿論、ガイドシャフトの長さとの干渉もありますので、最大枚数を確認しておきます。

ピストンは、Laylax製ゼロトリガー用の物も選択できたのでしょうが、個人的な好みとクライアント様のご用意がマッチングしましたので、PDI製品を加工しての組み込みになります。



バキュームヘッドタイプではなかったのは都合が良く、リードバルブ作用の穴あけ追加加工(1.5mm4穴)を行い、ダンパーロッドの追加装着をしています。
画像の通り、シリンダーヘッドへのダンパーラバーの内側に入気口を開け、ピストンOリングが取り付けられる溝の上部に排気口が来るように、L字で貫通させます。これは、バキュームヘッドと同じ作用を確実化にさせる為です。
弾道の安定感に、大きく影響する部分ですので、給排気の確認はしっかり行っています。ノズルを咥えて、スーハーするだけですが・・・(笑)



シリンダーヘッドは、ピストンとの接触面は、無加工ですが、ノズルの内径をパワー調整と静音性のバランスを取る為に絞込みます。
最終的には。内径3.5mmになりました。0.1mm違っても、初速や静音性に変化の出る部分ですので、作業は繰り返しの検証が必要になります。

シリンダー周りは以上ですね。

次はバレルとチャンバー周りです。



クライアント様にお願いして、純正のバレルもご用意頂き、アウターバレルに合わせて、加工取り付けで、比較検証してあります。
内径の違いからの明確な違いは初速差が2m/sほど出る事。精度に関して、BB弾の基本寸法で違いで、適正BB弾が変化する事になります。
ショートバレルでの流速チューンのような状況になりますので、純正の内径6.08mmの方が良いように思われるでしょうが、セッティングのやり方での調整ができますので、折角購入された、PDI製品を使用してのチューニングとなっています。
カスタムバレルと言えども、細部の加工部分を再仕上げの必要がありますので、根気良く作業します。2本ご用意頂いていましたが、仕上げ直しの結果、どちらも同じ性能が出せました。

このショートバレルでのチューニングは、結構難しいのが現実です。バレルが短いと、シリンダー容積とのバランスが狂い、多過ぎるエアの吐出量で、乱流が起こり易くなり、弾道が安定しなくなります。
特に、L96のアウターバレルの先端は、サイレンサーを取り付ける為のメスネジになっており、ネジ山が乱流を起こし易いという欠点があるからです。

先に上げている、ピストンのダンパーロッドの長さや、ノズル内径の絞込みで、そのバランスを取っています。
ですが、サイレンサーを取り付けた方が整流効果が高まり、より安定した弾道になりますので、ご了承ください。
サイレンサーが付けば、VSR-10のチューニング品並みのスペックが出ます。勿論、位置補正がされ、センター出しのできているサイレンサーの装着状態でのお話になります。マルイ純正品が良いと思います。


 装着例 マルイ純正アフター サイレンサーアタッチメント プロサイレンサーミニ



HOPは、レンジアップ(当店仕様)に変更させて頂いております。安定した弾道で0.25g以上のBB弾で使用頂けるセッティングとしてあります。
HOPアジャスターは向きがありますので、ご自身でのメンテナンス等で分解された場合は、画像を確認して頂いて組み込んで頂ければと思います。



HOP調整は、ダイヤル部分の可動範囲制限がかけてあり、初速と精度のバランスを重視させています。
加減は、画像を参考にして頂ければと思います。



インナーバレルの固定は、同送頂いたブレ止め(Laylax製2個)を使用し、空間埋めの消音材(ヘアカーラー)を封入して共振の抑えとしてあります。
バレル先端のパーツはPDI製のマズルキャップです。同一メーカーのパーツではないので、相性が良くないはずなのですが、インナーバレルとはピッタリで、取り付けネジ部は遊びがあったので、若干の補正が必要でした。
ネジ部のシールテープとOリングで対応しています。実質、Oリングの方が有効でした。



アウターバレル内部も、取り付け基部付近に、シリンダーの共振防止にラバーシートを挿入してあります。
ここは、接着してしまうとチャンバーの取り出しが困難になってしまいますので、挿入のみです。シリンダーにも接触して抑える厚みとして2mm厚のラバーシートを使用しています。

バレル周りは以上ですね。

お次はトリガーブロックです。



組まれているのは、Laylax製のゼロトリガーになりますので、本来は専用のピストンでの使用が前提ですが、今回のチューニングはPDI製のピストンになります。実質の使用上での違いは、ピストンエンド部分の厚みの違いで、ピストンストロークが3~4mmくらい短くなる程度です。
吐出量を制限したかったので、逆に好都合でした。

スプリングがたくさん付いているトリガーシステムですので、共振が発生し易く、ラバーシートで防音と、厚みを合わせてシャーシとの押さえが良い物を貼り付けてあります。2mm厚のシートです。



シャーシにガッチリはまり込みますので、良い具合になりました。

そして、アウターバレルとレシーバー部の接続です。



ここは、落とし穴がありました。
クライアント様よりのお話でも、同一方向に曲がりが出るという事でしたので、原因をしっかり究明しました。
バレルが2本あったのは、曲がりの原因が、インナーバレルかも?という不安からだったそうです。実際、確認する前に仕上げ直しをしてしまったので、実際の要因の一部だったかどうかは不明です。
ですが、曲がりの主原因は、間違いなくここだったはずです。

アウターバレルとレシーバーを固定するリング状のパーツですが、実際、少し小さめに作られており、取り付けの向きや、ネジの締め込み順で、アウターバレル(チャンバー)に傾きが発生する状態でした。
リングパーツの挿入方向の違いで、アウターバレルのネジ込みも、1回転分変わってしまう状態です。

純正のパーツも同送頂いていたのですが、ネジ部の強度もあり、画像のパーツでの固定位置を探しました。
シム等での位置矯正ができないパーツでしたので、組み込み方を変えた状態での検証の繰り返しとなり、画像のパターンが、概ね良好ですが、その都度の微調整(正直、感覚頼み)が必要です。
集中力が無いと上手く位置合わせが出ず、微妙に曲がるといった感じです。

純正レシーバーとカスタムアウターバレルの相性というよりは、このリングパーツの相性でしかないかもしれません。

クライアント様より、一部の状況でシリンダーヘッドがチャンバーに接触している個体があると、ご連絡を頂きましたが、このパーツでの組み合わせでの接触はありませんでしたので、ご安心ください。
必ず確認する部分ですので、影響が出る状況であれば、調整してしまう箇所です。故意に接触させ(ラバーシート等で挟む)、全体を抑え込む調整をする場合もありますが、今回のチューニングでは寸止め状態になっています。

PDIさんは、個人的に好きなメーカーさんなのですが、根気のある方向けのパーツ群だと思います。
僕のAPS(マルゼン製エアライフル)もPDIさんのパーツが主流で組まれており、メインアームとなっています。
が、完成までには、紆余曲折ありました・・・(笑)

で、次が、一番のポイントで、時間の猶予を頂いた主要因です。

最初は、アクリル板や塩ビ板、スチロール板を使って、給弾ルートを仮設し、BB弾に与える影響をクリアする為に模索してみましたが、固過ぎるとBB弾が磨耗し易く、柔らか過ぎてもBB弾が噛み込んでしまうという状況になり、徒労に終わってしまいました。



単純に懸念している部分が、斜めに押し上げられる部分からになりますが、画像のように、挟んで滑らせて前に押し出す方式な為、BB弾に傷を付け易くなってしまうのです・・・(涙)
当たり面との角度が大きくなる場所(白のブロック部分)では、ボルトを押し戻す際に噛み込んでしまってロックしてしまう症状が出るのも普通です。



正直、苦肉の策としか言えないのですが、傾斜部への当たり角度を可能な限り緩くしてやるしかできませんでした。
ルートの途中を浅くし過ぎると、チャンバー直前で噛み込んでしまい易くなります・・・

ここさえ、完璧にクリアされてくれれば、L96も完璧なのですが、リアルマガジンタイプにした欠点としか言いようがありません。

ただ、この個体は、パーツの組み合わせによる位置ズレが良い方に作用しているようで、ボルトを引ききると、マガジンからBB弾が「カチンッ!」弾き出されて、ルートの前方へ跳ばされてくれます。おかげで、早いボルト操作でも噛み込みが稀にしか起こりません。

その代償として、ストックへの固定の際、バレル部分が浮き気味になり、バレル部分のみストックに引っ張ってしまいますが、弾道に影響を与えるまでにはなりませんでした。



仕上げは、スコープレベルの取り付けです。検証の段階での取り付けをしておりますが、最終での再調整で完了になります。
収納を考えて、可動収納式にしてあります。

マウントベースに難有りでしたが、取り外して位置を変えなければ問題ありません。

ブログでまとめてしまうとこんな状況です。

実射検証記事を明日にアップさせて頂きます。

クライアント様には、長い期間お待たせしてしまいましたが、当方での可能な限りのチューニングとなっております。
いろいろ、ご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳ありませんでした。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  次回未定

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
  定休日 日曜日 年末年始  他 臨時休業あり

  TEL 053-450-3308 FAX 同番
  メール info@combatdoll.jp
  ミリブロのメッセージからでも大丈夫です 
  返信はHPのメールサーバーよりさせて頂きます

  
  


Posted by コンバットドール  at 20:00Comments(0)エアガンカスタム