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Posted by ミリタリーブログ  at 

2015年03月20日

余談 流速チューンって?

COMBAT DOLL の店主です。

余談にはなってしまうのですが、当店への問い合わせの中で、「レンジアップチューン」と「流速チューン」の違いについてのお問い合わせが多くあります。

恐らくですが、フィールドやグループによって「流速禁止」をレギュレーションに含めている事があり、レギュレーションへの抵触を懸念されている状況ではないかと思っています。
使用できるBB弾の重量を、0.2g以下に設定してしまえば、そんな文言も必要なくなるとは思うのですが、現在ではBB弾の重量規制を行っている所は少ないのが実情です。

今回は、個人的な「流速チューン」の見解を含めて、ここで紹介させて頂きます。

個人的な見解ですので、ご了承ください。

まず、「流速チューン」というのは、チューニング名であり、商品名と同等だと判断しています。

流速を調整してあるから「流速チューン」というのであれば、初速調整そのものが流速の調整になってしまい、単純にスプリングを交換してのカスタムも「流速チューン」になってしまいます。

流速を上げて、初速を上げているのだからです。

そこで、一般的に流速チューンと呼ばれている状態を考察すると、以下のような条件付けになるのではないかと思います。

HOP回転を強くしての飛距離アップ → 回転が強くなることで、BB弾の浮力が強くなる
                          専用テンショナーを使用したHOPの掛ける量の増加
                          バレルを加工しての距離増加もあり

HOP回転のロスを避ける為のバレル → 短いバレルでの摩擦の軽減
                           ルーズなバレルでの摩擦の低減(現在の主流)

加速不足やエアロスでのパワーダウンの補正 → ・スプリングの強化
                                 ・シリンダー容積の増量
                                 ・吐出ノズルの絞り
                                等での流速(吐出圧)や吐出量のアップ

結果として、
 「スゴイ発射音がする!」・「軽量弾(0.2g以下)では真っ直ぐ飛ばせない!」等
 となりますが、
 「重量弾なら、すごい遠くまで飛ばせる!!」 というメリットを前面に押したカスタムになっている状態です。

あくまでも、個人的な認識です。違う意見もあると思いますが、ここではこうさせて頂きます。

簡単に説明すると、BB弾にHOP回転を強く掛ける事で浮力が増加し、撃ちだされた時の滞空時間が長くなるので、飛距離が延ばせるカスタムです。
ですが欠点として、重量との適正バランス取りの難しい軽量弾(0.2g以下なら通常タイプがベスト)での直進弾道ができなくなり、重量弾(0.25g以上)での射撃を前提としているチューニングになっているのと同時に、加速不足やエアロスによるパワーダウンの分を、パワーソース(メカボックス等)で威力アップしている状態の為、燃費や耐久性に、通常状態との差が大きく出てしまう事です。

飛ばす事を前提に置いてあり、バレルやHOPによる加速不足やエアロスのある状況を基準に、パワーを補う調整(純正よりも強い吐出)が必要とされているカスタムという状態ですね。


当店でのレンジアップチューンとの違いを、上記の定義から説明すると以下のような状況になります。

回転を強く掛けるという「長掛けHOP」が前提なのは同様です。
エアロスや加速不足を好まない主義なので、6.08mm以下の内径のバレルを使用する事を前提として、最低限の負荷で性能が発揮できるように、HOPの掛け具合を個体毎(BB弾の重量やバレル長を考慮)に調整している状況です。
基本は、MS90以上の強さのスプリングの使用を敬遠したいのが本音なのですが、クライアント様のご要望によっては、それ以上のスプリングを使用する場合もあります。メカボックス単体でのパワーアップを好まないやり方です。

基本理念としては、純正レベルのパワーを基準としての、HOP回転バランスを取った上での飛距離アップを行おうとするチューニングカスタムです。ただ、0.2g以下の重量のBB弾は、通常方式のHOP状態が一番バランスが取れているというのが現実ですので、レンジアップチューンが有効なのは、0.25g以上の重量弾になります。0.28g以上の重量での使用を希望される方には、若干のレートアップになるのが前提です。


(画像 関連記事 2013/4/1 リチューン レンジアップ)


(画像 関連記事 2014/7/23 VSR-10 PDIパーツベース チューン)

違いを上げるのであれば、調整基準の違いになります。

パワーソースの状況からの効率化(当店チューニング)



飛距離優先でのパワーロスを含めた流速調整(流速チューン)

ではないかと思います。
メカボックス単体での状況を考えれば、全然別物にはなりますが、実際の効果でいけば、同じ結果を狙っています。
勿論、集弾性や飛距離アップは、エアガンの性能アップの基本的概念になりますので、当然ですね。

重量弾の方が飛ばせるならそれを使いたくなるのが人情でしょう。
販売側も単価が高い方がありがたいでしょうし、それにともなったカスタム料も発生し易いです。
(当店のようなチューニングショップの発言としては、不適切なのでしょうが・・・笑)
言い方を換えれば、ユーザーの需要と販売側の供給がマッチングしてるとも言えるのですが・・・(苦笑)

20年位前のASGKでは、組合での販売している銃を以下のカテゴリーで分けていた事があります。

 遊戯銃
  軽量弾(時期によって異なり、最後は0.2g)を使って撃ち合いでの使用に適している安全な玩具銃

 競技銃
  重量弾(0.2gを超える重量のBB弾)の使用に適した威力を持ち、的撃ちで楽しめるスポーツ銃

としていた頃がありますが、当時の電動ガンには「競技銃」の表記がされていて、サバイバルゲームのメインウエポンであったアイテムとしてはナンセンスでしたが、組合の自主規制値である「0.8J」前後の威力を持つエアガンとしては、正当な表記でした。
業界側としては、所持しているエアガンの性能を認識してもらい、安全性を重視して使用して欲しいという注意喚起だったと思います。

ここでもう一つ余談があります。

 現行のエアガンの規制値は以下の通りです。

 2007年2月の改定銃刀法に伴い、エアガンの威力は「3.5J/㎠」以下と規定されております。
 (銃口より1m、前後25cmまでの区間)
 弾頭から3mmの断面積で、掛かってくるエネルギー量を規定しています。

ここで、なぜ弾頭から3mmなのか?という事なのですが、理由があります。

医学的に、人間の皮膚は、表面から3mmが表皮であり、そこから下は皮下組織になっているとされ、
「皮下組織にダメージを与える威力に達する物を、準空気銃」とする訳です。
殺傷能力の是非な訳ですが、「傷」を与える物は、玩具とは認定できないと言う事です。

現行の測定方法で、
  このエネルギー測定から漏れている「力」があるのです。


それは、 『回転力(HOP回転)』と言う運動エネルギーです。

重量とスピードで換算している現在のデジタルタイプの測定器では、測定換算されません。
衝突エネルギーを測定するような測定器でなければ、数字として認識する事ができないエネルギー量です。

人体にBB弾が当たった時に、回転で皮膚をえぐられれば、それだけダメージは大きくなります。
質量と回転速度でエネルギーは大きくなる訳ですから、重量弾での高速回転(強いHOP)では、現状のデジタルタイプの計測器では測定できていないエネルギー(J)が隠されている訳です。

銃刀法でも、測定方法には一切触れておりませんが、衝撃試験を行うような測定器が用意され、規制している機関がそれで測定するとなれば、どんな数字がでるのか見当がつきません。
物理が得意な方なら、HOP時の回転数が計測できれば、簡単に計算できるのでしょうが、僕には無理です。

ですが、ASGKで販売されている簡易測定器は、測定紙を貫通させて目安を知るタイプですので、当然、回転力も貫通の要素に加わっています。残念なのは、0.2g時での測定が原則となっているので、重量弾でのチェックはできないということです。
ですが、重量弾でのHOPが掛かっている状態で、0.2gでの貫通テストをした場合に、デジタル計測器では多少の余裕がある筈なのに、貫通してしまう場合もあります。これが回転による運動エネルギーなのか、デジタル測定器の誤差なのかは証明できません。
教養が足りませんので、ご容赦頂ければと思います。

当店では、「ASGK簡易弾速器」の最終チェックをさせて頂いていますので、そこを誤差対策とさせて頂いています。

「流速禁止」をレギュレーションに盛り込んでいる方々は、こういった懸念に気が付いているのかもしれませんね。

当方での「レンジアップチューン」が、「流速チューン」に含まれるかどうかは、受け取り側の判断に委ねさせて頂く事になりますが、チューニング方法の違いをご理解頂ければ幸いです。

流速チューンとの違いを確認したい方に参考になればと思います。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  次回未定

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
  定休日 日曜日 年末年始  他 臨時休業あり

  TEL 053-450-3308 FAX 同番
  メール info@combatdoll.jp
  ミリブロのメッセージからでも大丈夫です 
  返信はHPのメールサーバーよりさせて頂きます

  

  


Posted by コンバットドール  at 20:00Comments(0)共通メンテ・カスタム銃刀法 規制