2014年11月08日

次世代 M4 リコイルウエイト

COMBAT DOLL の店主です。

 今回は、次世代のギアロックの要因の一つであるウエイトロッドの部分をクローズアップさせて頂きます。

 連日、次世代M4の記事でしたが、この個体の検証があって、問題の完全クリアができるようになった次第です。

 この個体のオーナー様のご協力、誠にありがとうございました。

 原因究明の為の長期お預かりをさせて頂きまして、大変感謝しております。

 そのおかげで、他の方のトラブルも解決する事ができました。

 状況は以下の通りでした。

次世代 M4 リコイルウエイト

ロッド部分は、ベアリング付スプリングガイドの金属部分との擦れで、表面が磨耗しています。
この状況でも、ウエイトを作動させるのに抵抗が大きくなっている訳ですが、グリスアップメンテナンスで、ある程度解消できる部分です。
ストックパイプとの摩擦抵抗もありますので、同じくグリスアップで緩和します。
プラリング(スムーサー)が取り付けられているので、そこと、位置決めのキー溝にグリスアップが必要です。

初期の判断では、ここが一番の原因だと思っていました。

リコイルキャンセル状態ならば。問題無く作動し、リコイルを作動させると、ギアロックしてしまう。
単純に、リコイルウエイトの重さ分の負荷の影響で、スペックダウンしたバッテリーが着いて来ないと思い込んでしまっていたのが、過去の状況です。
元々、ある程度のガタがある状況の製品ですので、そのガタが大きく影響しているとは思っていませんでした。
恐らくですが、このガタは衝撃緩和の為の必要ガタとして設計されているのだと思います。ピストンに掛かる衝撃負荷を減らす為の遊びとして残されているのだと思います。
最近の製品は、ロッド先端にスプリングが埋め込まれていますので、基部のガタは必要無い状況になります。

実際には、「へ」の字の状況で押し下げられる際に、ガイド部分の抵抗と、ストックパイプ内部での抵抗の増大で、負荷が許容範囲をオーバーしてギアロック症状(力不足)となって、ストップしてしまうのが原因だと判明できました。

状態を改善すると、サイクルも燃費も向上しました。
サイクルは、秒間1~2発程度ですが、燃費は、多弾数マガジン(約400発)分くらい変わってきました。
思ったより、抵抗が大きかったようです。

 実際のウエイト部分の状況です。

次世代 M4 リコイルウエイト

ロッドのガタは、初期製品であり使用期間も長い個体の為、 前回紹介した個体 の物よりガタガタになっています。

分解して補正を行う訳ですが、樹脂製のスムーサーリングを外すのには、慎重な作業が必要です。
うっかり折ってしまうと、補修が効きません。
画像のように、少し浮かせてキー溝部分をズラしてから、前後に滑らせて外します。
そのまま、クリップの様に外そうとすると折れてしまうと予想されますので、参考にされる方は、慎重に作業してください。

次世代 M4 リコイルウエイト

ウエイトの挟み込みを止めているネジですが、細くて脆い為、画像の様に頭部分が捻じ切れてしまう場合があります。
使用期間が長かったり、締めがきつい物はこうなります。

ネジもmm規格とは違いますので、頑張って残った部分を外したら、タップを切り直して、2mmのネジを使えるようにします。
前々回の方 のウエイトは、後方部分の補修をしくじってしまい、Cリング対応させて頂いております。申し訳ございません。

次世代 M4 リコイルウエイト

実際の圧縮変形は、画像の様に、根元部分で起こっている状況ですが、状態が進むとロッド外径部分の合わせも広がってしまいます。
この個体は、両方が拡張されてしまっています。

巻きつけのシムを薄手の積層にしているのは、ある程度の圧縮変形を考慮し、ピストンに掛かる衝撃に対しての緩和措置(本来の設計理念)に近付く様にする為です。気持ち程度かもしれませんが、しないよりは良いという判断からです。

次世代 M4 リコイルウエイト

処理前と後の比較ですが、これだけ違ってきます。処理前の画像では、ロッドの垂れ下がりも確認できると思います。

ネジ部は、2箇所ダメでしたので、3箇所とも交換してありますが、問題無ければそのままのネジ使用すれば良いと思います。

参考ですが、リコイルのキャンセル方法としては、当店ではこのようにしています。

次世代 M4 リコイルウエイト

ロッド部分を残して、スプリングガイドの軸を安定させるようにしています。
軽量化という観点から行けば、抜いてしまいたくなりますが、ガイドの位置固定が甘くなりますので、お勧めしていません。

この個体は、次世代のギミックを活かしたいので、通常に組み上げています。

次世代 M4 リコイルウエイト

各部、接触部には抵抗の少ないXabier製のイエローグリスを適量塗布します。
スムーサー樹脂リングとキー溝、ロッド部分に塗布します。

今まで、ロックし易かったのが、嘘の様に改善される事となりました。

やはり、トラブル時の原因の追究は、重要ですね。

クライアント様、ご協力、大変ありがとうございました。


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  未定

  営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
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  次世代 M4 リコイルウエイト



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Posted by コンバットドール  at 20:00 │Comments(1)電動修理メンテナンス故障の原因を見極める

この記事へのコメント
遅コメ申し訳ありません。
ウエイトの挟み込みを止めているネジ(3本)ですが、確かに細くて私もネジ頭がなめてしまいました。
このブログを参考にして「2㎜ネジ」に交換しようと思うのですが、タップを切り直さず、直接締め込んでしまっても大丈夫そうでしょうか?
ちなみに、2㎜ネジのサイズは「M2x10」でよろしいでしょうか?
Posted by むね at 2016年07月28日 21:00
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