2014年07月11日

電動ガンにおける ギアとシム調整

COMBAT DOLL の店主です。

今回は、小ネタのつもりでしたが、以前に忘れていた作図があったので、こちらの記事にさせて頂きます。
結構、時間が掛かった作図でしたので、使わないと気が済みません(笑)。
本日のネタとさせて頂きます。

以前にも4回に渡ってシム調整の記事をアップしていますが、分かり易くするのに図説を致します。

 故障の原因を見極める ケース6 シム調整1
 故障の原因を見極める ケース7 シム調整2
 故障の原因を見極める ケース8 シム調整3
 故障の原因を見極める ケース9 シム調整4

以前の記事もご参照くいださい。

基本的な。ギアの相関図です。

電動ガンにおける ギアとシム調整

シムの調整と言うのは、ギアの位置を固定する為に使用するスペーサーの厚みの調整です。
固定と言っても、回転して動く部品ですので、ガッチリ固定してはいけません。最低限のクリアランスが必要です。

モーターからのパワーの伝達を重視すれば、ギアの歯同士の接触面積を多くなるように位置調整します。
ですが、側面が接触してしまう状況では、その分ロスをし、異音と発熱で、軸受けやメカボックスを痛めます。
メタル軸受けに交換した際、はめ込んだ軸受けが、最初は固かったのに、メンテナンス時にはユルユルになっている場合があります。
これは、軸受けの熱膨張によって、軸に密着して一緒に回転してしまい、柔らかいメカボックス側をすり減らしてしまうからです。
軸受けへの十分な注油での潤滑と、余分な摩擦抵抗を増やさないようにシムのセッティングが必要な訳です。
ただ、挿入の際に斜めに入ってしまい、軸受けとメカボックスのはまり込みの強度を落としてしまう場合もありますので、シム調整だけで100%解決できる物ではありません。

ギアの精度が悪く、振動が発生してしまえば同じです。
モーターの駆動力が振動に変換されてロスとなり、そのロスは熱と音に変換されて本体に悪影響を及ぼします。

ベアリング軸受けを使用するとロスが減り、サイクルが早くなるのは、この理由からです。

ロスを100%失くすことは不可能ですが、可能な限り取り去りたいのが本音です。
当店でのチューニングで音にこだわっているのはそういう理由もあるからです。


また、意外と見落とされているのがタペットプレートとのクリアランスです。
タペットプレートが、セクターギアの側面に押し付けられる状態になってしまうと、ピストンを動かす外周の歯の部分で、タペットプレートが折り取られる場合があります。
タペットプレートが頻繁に折れてしまう状況の個体は、シム調整が原因の場合が多いです。勿論、M14やマグプル製品のように、タペットプレートのリテンションスプリングが強力な為に耐久性が落とされてしまう場合もありますが、破損頻度が多ければ、シムに原因があると思って良いでしょう。

また、シムの選定の仕方でタペットプレートが引っ掛かり、給弾不良を起こすケースもあります。
シムの厚みや、裏表の影響でなるケースもあります。
僅かな違いで大きく影響が出る部分ですので、シム調整が重要だと言われているのは、事実です。


それと、ギアの強度ですが、以前 「次世代 AKS 74U ライトチューン」 の記事の中で、純正品とカスタム品の画像比較を行っています。

素材変更による強度アップと、噛み合わせ部分の面積を広げての力の分散が考慮されて、カスタム品が製作されています。
次世代の場合は、各ギアの素材変更と、セクターギアのスパー→セクター部分の厚みを増やして強度アップが図られていました。

スタンダードタイプの電動ガンに使用するカスタムギアの場合は、各ギアの素材変更と、スパーギアの歯厚を大小それぞれ1.5倍の厚みが取られている物が多く、ベベルギアの逆転防止ラッチの掛かりが増やされているのが通常です。

歯厚や素材で強度を上げ、駆動が停止した時のスプリングによる逆転の際の衝撃を緩和して耐久性の向上となっています。

ただ、落とし穴があるのです。
限られた空間内でのサイズアップの為、薄く作られてしまう箇所があります。

電動ガンにおける ギアとシム調整

ピストンを動かす為のセクターギアの外周ギア部です。
ここが、幅が狭くなると言う事は、ピストンに対して、耐久性を落とす変更になっているという事です。
圧縮変形し易くしてしまっている状態です。カスタムギアに変更された場合にカスタムピストンを同時に変更するのはこの理由からです。

ですが、樹脂の素材の強度から見ると、マルイの純正品以上に耐摩耗性に優れたカスタムピストンを見た事がありません。
金属歯になっている物でも、土台の樹脂が悪くて破損してしまう物も多くあります。
アルミ製のピストンは、スチールのギアに対しては、非常に脆い状態でしかありません。
セクターカットを行う際は、純正ピストンでは対応できませんので、カスタム品への交換が必須になってしまいますが、通常タイプでのチューニングはマルイ純正ピストンが一番だと思っています。

ピストンヘッドを交換したい時に道具が必要になってしまいますので、ヘッドを変えたい時に丸ごと交換する場合も多いのでしょうが、そこは手間賃と部品代を比較検討で決定される事項でしょう。道具を買うより、部品ごと変えた方が安上がりな場合が多いです。

上記の図説の通り、シム調整の際には、セクターギアとピストンの噛み合わせ位置も考慮が必要ですが、下げ過ぎると、カットオフレバーに干渉する場合もあります。

慣れてこないと、ミスをやってしまい易いのが「シム調整」なのです。
ギアの状態や、軸受けのタイプを考慮して、カスタム仕様に合わせた微調整が要求されます。

ご自身で、メンテナンスをされる場合は、十分ご注意くださいね!


     COMBAT DOLL 店主 中根

  奥山デイズにて定例会レギュレーション)  未定

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  電動ガンにおける ギアとシム調整




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Posted by コンバットドール  at 22:19 │Comments(0)故障の原因を見極める

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