2013年05月04日
ARES MSR チューニング編
COMBAT DOLL の店主です。
今回は、以前レビュー記事を上げた固体のチューニング編です。

前回の記事で、間違って説明していた箇所がありました事を、訂正とお詫び申し上げます。
記事内にて、加筆・訂正を加えてありますので、ご参照下さい。
取り扱い説明書をちゃんと見ていれば、間違えない部分だったのですが、ボルトアクションライフルだと言う事もあり、目を通さずに作業を始めた為の間違いでした。申し訳ございません。
コメントによるご指摘で、気が付かせて頂きました。タガート様、ありがとうございます。
さて、本題です。
クライアント様のご要望は、HOPが効くようにする事と、初速の調整と、スナイパーライフルとしての性能を発揮させて欲しいという事です。
前回のレビューの通り、VSRの部品と共通の内部パーツがほとんどでしたので、高額なカスタムパーツは使用せず、移植する事で最低限VSRの性能が保証される低コスト、ハイパフォーマンスチューニングです。
新品のVSR-10リアルショックが生贄となりますが、殺すつもりはありませんので、実質2個2個仕様です。
まずは、アセンブル交換になったVSRのシリンダーです。

ハンドルの根本部分になる、エンドボスの付け根にテーパーがあるので、ハンドルの方をリーマーのて拡張加工して移植取り付けです。スプリングはMSRに入っていた物を使用します。
残る、VSRももったいないので、アウターバレルのガタ取りと、スプリング入れ替えでの調整を行い、使用できるよう仕上げておきます。インナーはジャンク品より純正中古ですので、ウエイト無しのリアルショック無し木スト風VSRです。ライトチューニングのVSRです。

チャンバーまわりですが、VSRのノーマルバレルを使用するのは、軽量化と長掛けHOPを生かす為です。
A+エアソフトで発売されている、パッキンを使用します。このパッキンは少し硬めの素材で、抜弾抵抗が高くなって溜めも効き、オーバースペック気味のスプリングを使用する際は、調整し易く、重量弾での精度が高くなります。
パッキンの押しゴムも柔らか過ぎるので、ハードタイプの押しゴムに変更します。構造的には、無しの状態でVSRと同様なのですが、経験上から取り付けます。あった方が安定します。

アウターバレルとの合わせを行いますが、ハイダー基部の拡張とセンター出しをしますが、現物合わせになりますので、ズレ方向や、加工仕上がりは、個体差が大きいと思いますので参考程度にしてください。
チャンバーを取り付けてみると、バレル先端は偏ります。内部の穴あけかアウターの削り出しのどちらかが、僅かに狂っているのですが、どちらが正解かの判断ができませんので、組み合わせての現物調整です。
ハイダー基部に、ツールスポットを作って取り外しがやり易いようにしておきます。あわせて内径も9㎜のドリルで広げておきます。
インナーバレルは25㎜ほど短くなります(430㎜)が、ハイダー基部の干渉を避けられるので、好都合と言えます。

レシーバーとアウターバレルの合わせです。
クランプ締め付け方式となっていますので、センターが出る事はありません。シムを挟んでずらしたい方向に行ってくれるように調整です。
仮組みとして、固定されるまで締め付け、どの方向に修正するべきか把握して、微調整しながら位置出しをしていきます。この時、シリンダーノズルの押し込みの際の、BB弾のストッパーとの位置も当たりを見ながら行う必要があります。ズレが大きいと、プラのストッパーを真鍮のノズルで削り込んでしまい、後々給弾不良が発生してしまうことになりますので、可能な限り、シリンダーがスムーズに動き、センターに近い所で固定できるように努力します。
位置が決まったら、センター出しと抜け防止になるネジを追加加工して増設してやります。次に分解した時の組み立ては楽になり、ピストンの打撃でアウターバレルが前方に逃げてスッポ抜ける事がなくなります。
動作確認している時に、リアルショックのウエイト付きピストンの打撃で、ジワジワ抜けて行く状況がありました。アウターバレルを変形させないように、加減して締め込んでいるとスッポ抜ける可能性が高いと判断できる状況でした。

トリガーの動きも遊びが大きく、シリンダーの動作もきついので、トリガーブロックも細工しておきます。
シアとトリガーの軸が3㎜だったので、電動ガン用のシムを使って調整します。ちなみに、シアは左右0.15㎜、トリガーは左右0.2㎜のシムでちょうど良くなりました。
シアの抜けも良くなります。シアは下の画像の様に、仕上げ加工を加えます。

この辺の加工は、サンプロのレミントンシリーズに有効で、トリガープルの軽量化につながります。
昔、散々やっていたチューニングですが、今のVSRやAPSでは必要の無いチューニングですので、最近の方では気が付き難い部分だと思いますので、他の機種でも試してみると良いと思います。

シリンダーを引き切った時に、シリンダーヘッドの部分がガイドカラーから外れてしまう為、シアの掛かりの手応えが、若干ぬるく感じてしまいますが、ここを補正する為にはレシーバーの内径の変更が必要になってしまいます。シムスペイサー等での補正も可能ですが、今回は予算の関係で行いません。
センター出し等、シビアの調整になりますので、チャレンジされる方は頑張って頂きたいと思います。一度だけVSRで行った事がありますが、シリンダーギャップが無くなると、静音化につながります。
そして、フレームとの合わせですが・・・

仮組みしてみると、フローティングのバレルがグラグラ動いてしまう・・・(何故っ!?)
で、よくよく考えて、確認すると、アウターバレルをクランプ方式で固定するレシーバーの基部が、締め込みで薄くなってしまうので、フレームとの遊びができて当たり前なんですよね!(笑)
画像の様に、左右に1㎜のABS板を貼り付けた状態で矯正ですが、フロントのハンドガード取り付け基部も左にオフセット状態でしたので、鑑賞に堪えるレベルで補正取り付けになりました。
画像の様に、バレルと比較すると僅かに左寄りになりますが、妥協しなければいけない部分でした。
補正、矯正の確認も終わって組み上げです。
シリンダー内部のチューンは、 「リアルショックVSR-10 レンジアップ」をご参照下さい。
チャンバーパッキンとスプリングレートが異なっているのと、予算の都合で加速ロッドの取り付けは行っていませんが、基本的な作業は同じになります。
硬めのパッキンを使って、抜弾抵抗が上がっている事により、BB弾の重量での初速差が小さくなります。
この固体での最大初速は、0.2g時90m/s・0.25g時86m/s・0.28g時84m/sとなっており、各重量適正HOP時では、0.2g時のみ87m/sに落ちますが、他は最大が適正になっています。
吐出とのバランスを取って、調整されています。
弾道と初速をチェックしたところでスコープの調整ですが・・・
画像はあえて、アップしておりませんが、レティクル軸と調整軸が気持ち良くズレてしまっている状況ですので、レティクルでレベル合わせを行って調整しています。
0.25gでの有効射程40m設定のHOP調整で、12m先のグルーピングは30㎜以下に仕上げています。
フルカスタム品ではありませんが、VSR本体を潰した上でのチューニングでしたので、コストダウンの関係で、このくらいの仕上がりですが、フルカスタムと比較しての完成度は90%以上です。
この10%を埋めるのに、VSR本体分くらいの費用が必要になりますので、コストパフォーマンスを考えれば、これでも十分なチューニングだと思います。
ちなみに、VSRの方は、初速最大値 0.2g95m/s、0.25g88m/s、0.28g81m/sに調整してあります。ブレーキロッドは付いておりませんので、静かさは少ないですが、通常のライトチューニング品に仕上げてあります。十分ゲーム使用できる仕上げになっております。グルーピングはノーマル品です。
クライアント様、ほぼ完璧と言った状況ですので、期待して受け取って頂きたいと思います。
COMBAT DOLL 店主 中根
営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
5月3日・4日 11:00~18:00
定休日 日曜日
年末年始 他 臨時休業あり
TEL 053-450-3308 FAX 同番
メール info@combatdoll.jp
ミリブロのメッセージからでも大丈夫です
今回は、以前レビュー記事を上げた固体のチューニング編です。
前回の記事で、間違って説明していた箇所がありました事を、訂正とお詫び申し上げます。
記事内にて、加筆・訂正を加えてありますので、ご参照下さい。
取り扱い説明書をちゃんと見ていれば、間違えない部分だったのですが、ボルトアクションライフルだと言う事もあり、目を通さずに作業を始めた為の間違いでした。申し訳ございません。
コメントによるご指摘で、気が付かせて頂きました。タガート様、ありがとうございます。
さて、本題です。
クライアント様のご要望は、HOPが効くようにする事と、初速の調整と、スナイパーライフルとしての性能を発揮させて欲しいという事です。
前回のレビューの通り、VSRの部品と共通の内部パーツがほとんどでしたので、高額なカスタムパーツは使用せず、移植する事で最低限VSRの性能が保証される低コスト、ハイパフォーマンスチューニングです。
新品のVSR-10リアルショックが生贄となりますが、殺すつもりはありませんので、実質2個2個仕様です。
まずは、アセンブル交換になったVSRのシリンダーです。
ハンドルの根本部分になる、エンドボスの付け根にテーパーがあるので、ハンドルの方をリーマーのて拡張加工して移植取り付けです。スプリングはMSRに入っていた物を使用します。
残る、VSRももったいないので、アウターバレルのガタ取りと、スプリング入れ替えでの調整を行い、使用できるよう仕上げておきます。インナーはジャンク品より純正中古ですので、ウエイト無しのリアルショック無し木スト風VSRです。ライトチューニングのVSRです。
チャンバーまわりですが、VSRのノーマルバレルを使用するのは、軽量化と長掛けHOPを生かす為です。
A+エアソフトで発売されている、パッキンを使用します。このパッキンは少し硬めの素材で、抜弾抵抗が高くなって溜めも効き、オーバースペック気味のスプリングを使用する際は、調整し易く、重量弾での精度が高くなります。
パッキンの押しゴムも柔らか過ぎるので、ハードタイプの押しゴムに変更します。構造的には、無しの状態でVSRと同様なのですが、経験上から取り付けます。あった方が安定します。
アウターバレルとの合わせを行いますが、ハイダー基部の拡張とセンター出しをしますが、現物合わせになりますので、ズレ方向や、加工仕上がりは、個体差が大きいと思いますので参考程度にしてください。
チャンバーを取り付けてみると、バレル先端は偏ります。内部の穴あけかアウターの削り出しのどちらかが、僅かに狂っているのですが、どちらが正解かの判断ができませんので、組み合わせての現物調整です。
ハイダー基部に、ツールスポットを作って取り外しがやり易いようにしておきます。あわせて内径も9㎜のドリルで広げておきます。
インナーバレルは25㎜ほど短くなります(430㎜)が、ハイダー基部の干渉を避けられるので、好都合と言えます。
レシーバーとアウターバレルの合わせです。
クランプ締め付け方式となっていますので、センターが出る事はありません。シムを挟んでずらしたい方向に行ってくれるように調整です。
仮組みとして、固定されるまで締め付け、どの方向に修正するべきか把握して、微調整しながら位置出しをしていきます。この時、シリンダーノズルの押し込みの際の、BB弾のストッパーとの位置も当たりを見ながら行う必要があります。ズレが大きいと、プラのストッパーを真鍮のノズルで削り込んでしまい、後々給弾不良が発生してしまうことになりますので、可能な限り、シリンダーがスムーズに動き、センターに近い所で固定できるように努力します。
位置が決まったら、センター出しと抜け防止になるネジを追加加工して増設してやります。次に分解した時の組み立ては楽になり、ピストンの打撃でアウターバレルが前方に逃げてスッポ抜ける事がなくなります。
動作確認している時に、リアルショックのウエイト付きピストンの打撃で、ジワジワ抜けて行く状況がありました。アウターバレルを変形させないように、加減して締め込んでいるとスッポ抜ける可能性が高いと判断できる状況でした。
トリガーの動きも遊びが大きく、シリンダーの動作もきついので、トリガーブロックも細工しておきます。
シアとトリガーの軸が3㎜だったので、電動ガン用のシムを使って調整します。ちなみに、シアは左右0.15㎜、トリガーは左右0.2㎜のシムでちょうど良くなりました。
シアの抜けも良くなります。シアは下の画像の様に、仕上げ加工を加えます。
この辺の加工は、サンプロのレミントンシリーズに有効で、トリガープルの軽量化につながります。
昔、散々やっていたチューニングですが、今のVSRやAPSでは必要の無いチューニングですので、最近の方では気が付き難い部分だと思いますので、他の機種でも試してみると良いと思います。
シリンダーを引き切った時に、シリンダーヘッドの部分がガイドカラーから外れてしまう為、シアの掛かりの手応えが、若干ぬるく感じてしまいますが、ここを補正する為にはレシーバーの内径の変更が必要になってしまいます。シムスペイサー等での補正も可能ですが、今回は予算の関係で行いません。
センター出し等、シビアの調整になりますので、チャレンジされる方は頑張って頂きたいと思います。一度だけVSRで行った事がありますが、シリンダーギャップが無くなると、静音化につながります。
そして、フレームとの合わせですが・・・
仮組みしてみると、フローティングのバレルがグラグラ動いてしまう・・・(何故っ!?)
で、よくよく考えて、確認すると、アウターバレルをクランプ方式で固定するレシーバーの基部が、締め込みで薄くなってしまうので、フレームとの遊びができて当たり前なんですよね!(笑)
画像の様に、左右に1㎜のABS板を貼り付けた状態で矯正ですが、フロントのハンドガード取り付け基部も左にオフセット状態でしたので、鑑賞に堪えるレベルで補正取り付けになりました。
画像の様に、バレルと比較すると僅かに左寄りになりますが、妥協しなければいけない部分でした。
補正、矯正の確認も終わって組み上げです。
シリンダー内部のチューンは、 「リアルショックVSR-10 レンジアップ」をご参照下さい。
チャンバーパッキンとスプリングレートが異なっているのと、予算の都合で加速ロッドの取り付けは行っていませんが、基本的な作業は同じになります。
硬めのパッキンを使って、抜弾抵抗が上がっている事により、BB弾の重量での初速差が小さくなります。
この固体での最大初速は、0.2g時90m/s・0.25g時86m/s・0.28g時84m/sとなっており、各重量適正HOP時では、0.2g時のみ87m/sに落ちますが、他は最大が適正になっています。
吐出とのバランスを取って、調整されています。
弾道と初速をチェックしたところでスコープの調整ですが・・・
画像はあえて、アップしておりませんが、レティクル軸と調整軸が気持ち良くズレてしまっている状況ですので、レティクルでレベル合わせを行って調整しています。
0.25gでの有効射程40m設定のHOP調整で、12m先のグルーピングは30㎜以下に仕上げています。
フルカスタム品ではありませんが、VSR本体を潰した上でのチューニングでしたので、コストダウンの関係で、このくらいの仕上がりですが、フルカスタムと比較しての完成度は90%以上です。
この10%を埋めるのに、VSR本体分くらいの費用が必要になりますので、コストパフォーマンスを考えれば、これでも十分なチューニングだと思います。
ちなみに、VSRの方は、初速最大値 0.2g95m/s、0.25g88m/s、0.28g81m/sに調整してあります。ブレーキロッドは付いておりませんので、静かさは少ないですが、通常のライトチューニング品に仕上げてあります。十分ゲーム使用できる仕上げになっております。グルーピングはノーマル品です。
クライアント様、ほぼ完璧と言った状況ですので、期待して受け取って頂きたいと思います。
COMBAT DOLL 店主 中根
営業時間 月曜日~土曜日 19:00~21:00
5月3日・4日 11:00~18:00
定休日 日曜日
年末年始 他 臨時休業あり
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